2008年1月 9日 (水)

の・だぁめちゃーん!

皆様、遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
本年もsuis annex・suis annex weBLOGをよろしくお願い申し上げます。


さてさて、昨年末は暗ーい話題で締めてしまいましたので、新年最初は明るく行きましょうか(笑)

実は今、『のだめカンタービレ 新春スペシャル in ヨーロッパ』のビデオを見ています。

クラシックはもちろん、音楽の世界のことは全くわかりませんが、そんな私でも音楽の世界がすこしばかり垣間見えるようにわかりやすく構成されていて、非常に面白いですね。

そんな中でも一番印象的だったのが、「アナリーゼ」です。のだめがコンセルヴァトワール(フランスの音楽学校)に入学して最初に受ける授業がこの「アナリーゼ」・・・日本語で言うと「楽曲分析」ですか? Wikipediaによる解説を引用すれば「その音楽がどう組み立てられているか調べる」「楽曲がどう作られているか知る学問」ということなのですが、ただ単に楽曲の構造を理解する「方法論」というだけではなく、その楽譜を書いた作曲家自身の精神性や、その作曲家が生きた時代背景なども踏まえた上で理解しようとする学問、ということのようです。「楽譜通りに演奏する」いや、「楽譜と正面から向き合う」ということは、その楽譜を書いた作曲家が「その時何を感じ、何を音符にしたためたかったのか?」を「本能的・感覚的・右脳的」ではなく、あくまで「分析的・論理的・左脳的」に「感じ」取って、そしてそれを表現するということなのですね。音楽や芸術といった、本来右脳で感じる最たる分野であっても、その道を極めるためにはまず分析 "analyse" から始まるというところに、非常に新鮮な驚きを覚えました。

それにもう一つ、新たな発見が!

「の・だめちゃーん」をじっくり見てると、ユウを見てるような気分になってきました・・・。うつむきかげんの顔がか・な・り似てませんか?


で、「アナリーゼ」ですけど、要するに英語の "analyse" です。"analyse" する人が「アナリスト」です。 チームの戦術を理解する「方法論」というだけではなく、その戦術を最初に生み出した監督の精神性やプレーヤーの資質、さらにはそれが生まれる歴史的背景を踏まえた上で理解すること・・・言い換えれば「戦術の変遷」を踏まえた上で理解することが、バレーでいうところの「アナリーゼ」ではないでしょうか?

各パートの「演奏者」が「楽譜」を「アナリーゼ」して、その結果として最高の音色を奏でる。さらに、各パートをまとめた「総譜(スコア)」を「アナリーゼ」した「指揮者」の存在があって初めて、オーケストラの演奏が出来上がるのです。ここで、Wikipediaによる「指揮者」の解説を引用します。

指揮者の作業のうち、もっとも時間と労力を要するのは、練習前の予習と言われる。指揮をする楽曲のスコア、関連する音楽史上の文献などを読んで構造などを把握し、表情づけの方法などを検討し、練習の手順を計画する。練習に際しては、音楽的表現全体を考えて音程・音量・音色・奏法や歌唱法・パートの音量バランス・テンポ等を指導し、ミスやずれを修正して、演奏の完成度を上げていく。そして演奏会本番でそれをまとめ上げるのが指揮者である。その他にも選曲や人間関係の問題解決等をおこなうなど、非常に重要な役割である。

バレーで言えば、各パートの「演奏者」が各プレーヤーであって、「指揮者」が監督やアナリスト含めたスタッフ陣でしょう。「アナリーゼ」は決して、「アナリスト」だけの仕事ではないはずです。今の日本のバレー界を見渡して、本当の意味での戦術の「アナリーゼ」が出来るプレーヤー・スタッフ陣がどれだけいるのでしょう?

さらには、演奏を聴く観衆も、クラシックが好きだからこそ知識を高め、その楽曲の「アナリーゼ」が出来るようになるからこそ、オーケストラの演奏から指揮者の伝えたい音楽性を「感じ」取れるのです。

今年も、戦術を「アナリーゼ」出来るファンが少しでも増えることを祈って、当ブログの更新を行っていきたいと思います。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年12月10日 (月)

吉田敏明監督の描く新しいバレースタイル(パイオニア - トヨタ車体・パイオニア - デンソー(その2))

8753さんに頂いたコメントに対するレスで書いたが、やはり今年のパイオニアは、昨年までとは大きくバレースタイルを変えようとしているのが伺えた。

まず、レセプションフォーメーション。これは一言で言えば「ドイツ方式」。即ち、昨年の世界バレーで書いたとおり、リベロに加えて両レフトとオポジットの4人全員がレセプションをこなせる選手であって、試合の各局面において、両レフト・オポジットの3人のうちの誰か1人がレセプションフォーメーションから外れて、バックアタックに備える形である。昨年まではオポジットにはリーが配されており、彼女もレセプションフォーメーションには参加するものの、両レフトのレオ・メグと攻撃面で同じ役割を果たすわけではなかった。しかし、今年の基本となるスタメンでは両レフトにレオ・メグ、オポジットに新外国人のセナが配され、両レフトとオポジットのセナとは、攻撃面では何ら変わらない役割を果たす形であり、だからこそ初戦のトヨタ車体戦では、試合途中でセナがレオと変わってレフトに入ったり、という場面も当たり前のように出てくる。控えにリーがいて、スタメンの誰かが崩れるとレフトであろうとオポジットであろうと彼女が交代で出る(今日のデンソー戦では、途中レオに代わってレフトに配されたため、昨年まででは見られなかった、彼女のパイプ攻撃も見られた)。さらにいざとなれば、同じく控えとしてスーが登場する。彼女だけはレセプションの能力が劣ると見込まれるが、「両レフト・オポジットの3人のうちの誰か1人がレセプションフォーメーションからその都度外れる」方式ならば、彼女がたとえ出ても、バレースタイルは全く変える必要がない(彼女がレセプションフォーメーションから常に外れればいいだけである)。ある意味、レオ・メグ・セナ・リー・スーが「ただのコマ」として扱われる形だ。これこそが、吉田敏明監督が今年のテーマとして掲げた「ある個人に頼ったバレーではなく、全員が勝利に貢献するチーム」の本質の一つであるはずだ。だからこそ、トヨタ車体戦での勝負のかかった第5セットの最後の場面で、監督はレオをスーに代えるという、これまでのパイオニアでは考えられない戦略ですら、採って見せたのだ。

さらにはブロックシステム、及びその後のトランジションの展開。これも劇的なスタイル変更を見せている。ファーストタッチをセッターが行った場面で、今年のパイオニアは、リベロのガッツがトスアップを行うシステムを遂に導入しようとしている。イヤ、実はもっと正確に言えば、「リベロが」ではなく「後衛レフトのポジションを守っている選手が」トスアップを行うシステム、というのが正しいだろう。「後衛レフトのポジション」を守るのが、リベロのガッツであるケースが多いだけで、リベロがコート上にいないケースでは、センターの選手がそのポジションを守っているので、センターの選手がトスアップを行う形となる。トヨタ車体戦を見ていても、それは充分に伺えたのだが、如何せんセッターのユミがテンパりすぎで、上手くシステムが機能していなかった。しかし、ユミに落ち着きが戻ったデンソー戦では、この形が何度となく機能した。もちろん、ガッツはアタックラインを確認しつつ、オーバーハンドパスを用いてトスを上げていた! 基本はライトへの攻撃へトスアップすることが多いものの、時にはパイプ攻撃へ、さらにデンソー戦の第4セットでは(これはアンダーハンドパスだったが)体をトスアップの瞬間に回転させて、レオへ向かってレフトオープンのトスを上げる場面があり、これには私も見ていて不意をつかれた。このシステムがきちんと機能するならば、ラリー中に後衛ライトにいるセッターは、思い切って相手のフェイント攻撃や、ブロックのワンタッチのこぼれ球に飛び込んでいける。第4セット序盤、デンソーにフェイントを散々決められていた場面で、ユミは思いきり飛び込んでいくのを躊躇していたが、監督の指示通りにセット終盤にはトスアップのことは気にせず、思い切り飛び込み、そしてそれをガッツ・ユウ・アサコが見事にトスアップへと繋げた。

もちろん、このトランジションの展開を機能させるためには、ブロックシステムが機能していなければ意味がない。そのために、吉田敏明監督が今年こだわったのは、「両サイドのブロッカーの高さを上げる」ことだったはずだ。パイオニアの場合は、両レフトは高さがあるので問題はライトブロッカーだけ。だからこそ、新外国人選手は上背があって、(レセプションはもちろん)ライトブロッカーをこなせる選手である必要があり、セッターは171cmのユミである必要があったのだ。彼女たちを前にすれば、日本のアタッカーでそうそうストレートを打ち抜く高さがある選手はいないはず。実際、開幕2試合で、相手チームにストレートを打ち抜かれたり、ストレート側にブロックアウトを取られた場面は、悉くライトブロッカーがリーの場面であった(デンソーの細田選手だけには、巧く打ち抜かれていたが・・・どこを抜けていたのか? エンド側で観戦できなかったので、確認できなかった)。その結果が、客観的な数字にも如実に表れた! 開幕2試合で、チーム総ブロック数45本! セット平均5本! しかもセンターブロッカーのアサコ・ユウがそれぞれ12本と15本! 如何に相手チームのウイングスパイカー陣が、ストレートへ打ちあぐねていたかを示すデータと言える。

あぁ・・・ビデオでもう一度見たかったなぁ・・・(涙)
ユウ、この日8本もブロックシャット見せてるのに・・・(大涙)

| | コメント (9) | トラックバック (0)

2007年11月 4日 (日)

(ワールドカップ2007女子)日本 - 韓国

ざぁーっとビデオで昨日・今日の日本戦を見た。

アジア選手権以来、貝塚での合宿までは杉山・荒木両選手がスタメン組であったのに、直前になってユウをスタメンとして使おうとしたのはなぜだったのか?

まぁ、「非国民宣言」した人間としては、別にどうだっていいというのが本音ではあるのだが、悲しいかな? 人間の習性は変えられず、ついつい考えてしまう。

韓国戦で顕著だったが、ワールドグランプリの時と比べ、竹下選手が前衛の場面でのブロックの弱点を、ブロックチェンジを行うことで繕おうとしている点が伺えた。具体的には、本来ライトブロッカーとなる彼女をレフトブロッカーに配して、栗原選手をセンターブロッカー・センター陣をライトブロッカーとして構えさせる戦略だ。特に現在の韓国はライト側からの攻撃が少なく、レフト側のキムヨンギョン選手にトスが集まっている。従って、韓国と相対する場合には、相手のライト側からの攻撃に対するマークが多少甘くなっても、相手のレフト側すなわち自チームのライト側にデディケートするのが理には適う。その意味で竹下選手をレフトブロッカーに配したと考えられ、実際それがある程度機能していた。ただ、問題はそこでワンタッチを取ったり、抜けてきたボールをディグで繋いだ直後のトランジションでの攻撃だ。一般的にレフトの選手が相手のレフト攻撃に対してブロック参加を行った直後のトランジションで、レフト攻撃を行うのは相当の技術と修練を要する。その点、栗原選手はパイオニアで実は盛んに同様の戦略を経験しているため、問題なくトランジションでレフトからの攻撃を繰り出して見せた。但し、そこ(レフトの栗原選手)にしかトスが上がらないとわかったのでは、相手ブロッカー陣にとっては「思うつぼ」となる。そこで、ライトブロッカーとして跳ぶセンター陣にも、トランジションでライトからの攻撃を繰り出してもらう必要があるし、さらには後衛にいるレフト・オポジットの両選手にバックアタックを繰り出してもらう必要があるのだ。

現在の全日本女子の配列で考えると、その場面で後衛にいるレフトプレーヤーと言えば高橋みゆき選手であり、オポジットプレーヤーと言えば木村沙織選手だが、そのうち高橋みゆき選手は残念ながらバックアタックは打てず、木村沙織選手はラリー中にトスを上げるというチーム内の「約束事」がアジア選手権以来出来たはずなので、結局トランジションでトスを上げられる場所は、レフトの栗原選手かライトのセンター陣しかないのだ。となると、センター陣がライト側からハイセットを打ちこなせる能力が不可欠となり・・・という論理展開だろうか?

で、結局のところ実際には、その場面で栗原選手のレフト攻撃一本槍となっているわけだが・・・果たして、明日のセルビア相手にもブロックチェンジを行うのだろうか?? ヨーロッパ型のバレーを相手にして、ライト側からの攻撃に対するマークを甘くするデディケートが得策と果たして言えるのだろうか??
さらには、この戦略を採ることで、表レフトの役割を果たせるのが、栗原選手以外には(現在の全日本女子のベンチ入り12名の中では)考えられなくなっており、柳本監督は「テン・シン・メグ」と心中すると言っているようなものである。

ま、やはり考えるだけ時間の無駄だったような気がしてきた・・・。

| | コメント (11) | トラックバック (0)

2007年10月14日 (日)

お陰で久しぶりに読みましたよ・・・

仕事から帰宅して、郵便ポストを覗くと届いていた『月刊バレーボール2007年11月号』。

早速手にとってパラパラめくり、「道産子シンデレラ」のインタビューが載っているのを確認して、さぁじっくり読もうかとパソコンの前で腰を下ろしてじっくりと読んでいたところ、『ばれにゅ☆どっとねっと』のRSS配信で、新しいエントリーがついていることに気づいて、クリックしてみると・・・何ともタイムリーに、『月刊バレーボール2007年11月号』の記事についてのエントリーが・・・

年間購読している月刊バレーボールの最新号、2007年11月号が手元に届きました。

私と少しの時間差で、同じ状況だったんですね。

パラパラと流して読んでみたのですが、非常に引っかかるというか、あまりのばかばかしさにあんぐりと開いた口が塞がらないほどあきれ果ててしまった記事があったので、引用しながら文句を垂れ流したいと思います。その記事とは、毎号、松平康隆(財)日本バレーボール協会名誉会長が旬なバレーボール関係者と対談する、「松平康隆と語るバレーボール・パッション 連載第55回」という対談記事です。

そう言えば、そんなコーナーありましたね・・・え!? 私? そんなコーナー読むわけないでしょ、いつも素通りです。だけど、折角こうやって巨大サイトに大々的に取り上げられたのなら、読まないわけにはいきませんよねぇ。先日随分話題になった、ゴルフの上田桃子プロのブログと同じ様なもので。お陰で久しぶり(これでも約20年近く『月バレ』は定期購読していますが、常にこのお偉いお方のコーナーはタイトルを変えながらもずっと続いているように思いますけど、数えるくらいしか読んだ記憶はありません)に読みました。





ま、所詮こんなレベルでしょ。日本バレーボール狂会ですから。どなたとは申しませんが、黒鷲旗の大会期間途中に会場すぐ近くの高級ホテルでウン十万円もする豪華中華レストランで会食を楽しまれている人達とか・・・選手はみんな次の日の試合のためにコンディションをを整えているだろうに、お偉いさん方はそんなことを毎日毎日やってるんですよね・・・そういう場で決まるんでしょうねぇ、世界バレーのMVPが誰とか、グループ組み合わせとか対戦順とか・・・ひょっとして日本のオリンピック出場の内定とかも(爆)


p.s.: こんどのワールドカップのスペシャルサポーターですけど、その中に藪クンっていう子がいますが、遠目で見るとユウに似てませんか!?

| | コメント (13) | トラックバック (0)

2007年10月 8日 (月)

広報あかびら

そう、ユウは北海道の赤平市出身。

と知ったかぶりをしつつ、実は「赤平」を「あかびら」と読むことを知ったのは、今さっきの話。
なぜ知ったか?・・・それは、これを見つけたからである!

http://www.city.akabira.hokkaido.jp/sidemenu/kouhou/pdf/19-09-02.pdf

Numberの"シンデレラ"記事はあちこちで紹介されているが、これはあんまり知られていないのではないだろうか?


あぁすっかり、aikoまでが気になる今日この頃・・・

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年8月 7日 (火)

ワールドグランプリ2007 日本-キューバ

ユウヲタ的には、「ひょっとして勝てば、ユウが遂に初ヒロインインタビューか?!」などと思える程の大活躍ぶりだっただけに、残念な結果だった。しかし、キューバを追いつめるチャンスが生まれたのは第3セット序盤の連続7得点の場面だったが、そのセット途中でカルデロンを潰すことが出来た大きな要因は、日本のお家芸とされる「拾って繋いで」の「奇跡的な」ディグではなく、ユウとメグの2人を含めた前衛3枚のバンチ・リードブロックにあった。木村沙織選手のサーブの場面で連続得点が多かったのは、確かに彼女のサーブの狙いが良かったこともあるが、それ以上に今年のレギュラー陣の中で最もバンチ・リードブロックシステムに順応しているパイオニア勢の2人が前衛に揃っているからなのだ(第3セット終盤には、その木村沙織選手のサーブの場面で、高橋みゆき選手に代えてアサコが投入され、キューバのパイプ攻撃に対して見事にパイオニア勢の3枚ブロックが完成した!)。


この試合後の各選手及び柳本監督のコメントが美雁さんのところで紹介されている。


柳本監督が言う「もっと上位のチームに勝つために、詰めていかなければならない」という「チームの約束事や細かいコンビ」とは、組織的バンチ・リードブロックによる3枚ブロックの後のトランジションでの場面で、例えばファーストタッチを竹下選手が行った場合に「誰がトスを上げるのか」という約束事だったり、3枚ブロックに跳んだ前衛のアタッカー陣がトランジションで見せるべき「アタックコンビネーション」のことを指すはずだ。昨年までであれば、ファーストタッチを竹下選手が行った場合には、(オポジットに配された)高橋みゆき選手がトスアップを行うという「約束事」が、ワールドグランプリの頃には既に徹底されていた(その「約束事」に慣れていなかった石川友紀選手が、試合中高橋みゆき選手と交錯した、ということを昨年のワールドグランプリの頃に指摘した)。ところが、今年はこのワールドグランプリの時期になっても、まだそういった「約束事」が徹底されている様子が感じられない。確かに高橋みゆき選手がトスアップしている場面が多いが、昨年までとは違って非常にぎこちない。明らかに練習不足のようで、竹下選手も迷いながらディグを行っている。これは、昨年までとは違い、組織的バンチ・リードブロックを導入し始めたからに他ならない。新しいバレー戦術を採り入れようとしたために、昨年までならば疑問を挟む余地の無かった「約束事」を、一度白紙に戻さなければならなくなっているのだ。さらに、木村沙織・高橋みゆき両選手のスパイクの調子が昨年までに比して上がらないように見えるのは、(確かに体調不良もあるかもしれないが)昨年までならば、ラリー中にブロックに「参加せず」(悪い言い方をすれば「サボって」)トランジションでの攻撃のための助走に入ることが出来たはずなのに、今年はそれが許されないから、という側面もあるはずだ。


開幕3戦を見る限り、昨年までの全日本女子の勝ち方とは明らかに違ってきている。カザフスタン・ドミニカ戦については、「相手チームがのミスに助けられた」という見方をしているファンが多いようだが、同じ「相手のミス」でも昨年までは「奇跡的」ディグで「拾って繋いで」、それで相手が焦れてミスを出すというものだったが、今年は違う。開幕3戦を見て、いかにも日本らしい「奇跡的」ディグなどあっただろうか? ラリーすら余り続いている印象はない。なのに相手がミスを出すのは、組織的ブロックでプレッシャーを与えているからだ。


前回の投稿でリンクさせてもらった『千酔亭日乗』に、前衛3人が「バンチ」で構える姿が写真で紹介されている。
また、いつもおなじみの『女子バレー三昧』には、昨年までの全日本女子ではほとんど見ることの無かった木村沙織・高橋みゆき両選手の参加した3枚ブロックの写真が紹介されている。


勿論、まだ3試合を見ただけであり、うがった見方をし過ぎているのかもしれないが、今週末以降の試合でも同じ方向性が見えるのであれば、今年は久々に非国民で居ずに済むかもしれない、と思い始めている。


p.s.: バレーの国際大会のテーマソングには、どうして必ずと言っていいほど「奇跡」という言葉が歌詞に含まれてのだろうか??

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007年8月 5日 (日)

ユ〜ウ! チャ・チャ(ワールドグランプリ2007開幕2戦)

ビデオでワールドグランプリの開幕2戦(カザフスタン・ドミニカ戦)を見終わった。世間の大方の予想を覆し、ユウは見事にレギュラーポジションを掴んだ! 大友ユウでも菅山ユウでもない、庄司ユウが「ユ〜ウ! チャ・チャ」と会場でコールされるのはユウヲタとしては何とも感慨深い・・・ヲタとしてだけでなく、全日本女子の未来を本気で考えた場合にも、以前の投稿でも書いたとおり、彼女には全日本のレギュラーセンタープレーヤー(middle blocker)として定着しなければならない責務があると言ってよい。実際、彼女がこの2戦で見せてくれたプレーは「世界標準」のセンタープレーヤー(middle blocker)のプレーと言ってよいものだ。例えば、相手コートからチャンスボールがアタックラインよりも前に返ってきた場合に、そのディグを後衛のプレーヤーに任せるのではなく、自分で行ってから速攻に切り込む・・・これが「当たり前のように」出来る選手がいなかったことを象徴するかのように、カザフスタン戦では後衛だった高橋選手がチャンスボールを取りに行こうとしてユウと交錯し、倒れ込んだ(一方のユウは、何事もなかったようにチャンスボールを繋いで速攻を打って見せた)。ユウのようなプレーが「当たり前」となれば、当然のことながら後衛のオポジットの選手はバックアタックの助走に入る準備が出来るはずであり、それは攻撃システムの「男子バレー化」を進めるための必要条件になるはずである。

こちらに、ドミニカ戦でのユウの本領発揮ぶりが「客観的なデータを挙げて」取り上げられていた。one of No.33さん、どうやらあなたの読みの方が正しいようです。"Rebounds"には、少なくとも「ワンタッチを取った数」が含まれているはずだと推測されます。)


さて、肝心の今大会の全日本女子の戦術そのものに話を移すが、、、
開幕2戦をみて、去年までのそれとははっきり違うと言える部分が見られた。

それは、「ブロックシステム」である。


Coaching & Playing Volleyball(CPV)の49号(2007年7月号)は、特集が『低身長で勝つ』であり、その中に竹下選手の書いた『低身長者のブロック』という記事があった。低身長の中高生・一般プレーヤーへの「アドバイスとしての」内容はともかくとして、締めくくりに彼女はこう書いていた。

『Coaching & Playing Volleyball(CPV)49号』より引用

私はクイックのヘルプに行きませんし、パイプにも跳びに行きません。ブロックのセオリーにはもちろん反していますが、私がブロックに参加するよりもフェイントカバーした方が、チームとして得点が多く取れるのです。

「クイックの(ブロックの)ヘルプに行かない」し「パイプ(に対するブロック)にも跳びに行かない」というのは、「バンチ」でブロックに構えないし「リード」ブロックもしない、という意味だ。それが、現在の世界トップレベルのバレー戦術に反していることを認識していながら、敢えてそれに「自分一人(個人)が」逆らうことが、むしろチームの勝利に繋がると確信しているかのように思えた。これを「全日本女子の不動のレギュラーセッター兼キャプテン」が語っているのだという意識で読んだ私は、「やはり今年も非国民でいなければいけないのか・・・」という暗澹たる気持ちにさせられたのだった。現在の全日本女子が、「特定の個人」の「特殊性」に依存するバレースタイルを貫いていることに、何の疑問も持っていないと思えたからだ。

しかし、つ、遂に、今大会の全日本女子は、そのスタイルを改めようとしているのが伺えたのだ! これまで全日本女子が、組織的バンチ・リードブロックシステムを採り入れようとしてこなかったことを正当化する根拠は、チームの要に低身長の竹下・高橋両選手がいるということ、であったはずだ。ところが、今大会の開幕2戦を見て、その竹下・高橋両選手が「バンチ」で構えて相手の速攻に対して「リード」でブロックに跳びに行っている姿を目の当たりにして、これまで長年全日本女子のバレースタイルに深く根ざしていた「特定の個人の、特殊性に依存する」バレースタイルを、遂に柳本監督は捨て去ろうとしているのだという確信を持った。優れた「個人技の結集」よりも「組織プレー」を重視する・・・それは、JVAの公式サイトに載っている柳本監督の、「現時点での『チームのバランスを考えて』この12名を選んだ」というコメントの裏にも込められている気がする。バンチ・リードブロックを行うためにハードルの高い竹下・高橋両選手すらもが積極的に相手の速攻に跳びに行き、特にドミニカ戦では「3枚ブロック」となるシーンがしばしば見られた。メグもパイオニアでは今や当たり前となった、相手のレフト攻撃に対するブロック参加を、遂に全日本でのプレーでも見せるようになり、同じプレーを木村選手までもが見せ始めた。どうやら今年の全日本女子のスタッフ陣は、「本当に」本気のようだ!

p.s.: 全日本女子のスタッフ陣がようやく本気で、世界標準の戦術であるバンチ・リードブロックシステムを導入しようとしているのに対し、そのことに対して何の指摘も出来ないどころか、「バンチ」で構えていた木村選手に対して「ブロックに構える位置がまずい」などと的はずれなコメントをする解説者達は、バレー中継から追放すべきではないだろうか?!

| | コメント (7) | トラックバック (2)

2007年7月23日 (月)

アサケン、やったね!

こ、これは、凄いことだ!

http://www.sanspo.com/sokuho/070721/sokuho067.html

アサケンこと、朝日健太郎選手と言えば、今でも日本男子バレー史上最も優れたミドルブロッカーといって過言でないと私は思っている。大竹・泉水元選手が日本バレー界における「リードブロックの先駆者」なら、朝日選手は日本バレー界において「リードブロックを最も極めた選手」と言ってよいと思う。彼のインドア時代、日本では彼の両サイドへブロックに跳びにいく移動のスピード・空中でのブロックの完成の早さは、他の選手を圧倒していた。身体能力の低い日本のミドルブロッカー陣にあっては、彼の身体能力は桁外れだった。その彼の身体能力が、ビーチで徐々に花を咲かせつつあるのだろう。次の準決勝の相手は第1シードのようなので厳しい戦いになるだろうが、ここまで来たら是非表彰台に上がって欲しい。

そして、彼のインドア時代のプレーをつい重ねてしまうのが、今のユウのプレーだ。アサケンはとても「華がある選手」だった・・・これまで実に堅実に「地味な」プレーで活躍してきたユウだが、是非ワールドグランプリでは「華がある選手」に変身して欲しい! と願わずにはいられないユウヲタである(爆)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月16日 (月)

ミホちゃん、早速・・・

今月の月バレ、早速来てますねぇ、ユウの速攻のシーンがでかでかと写真で!
これは、期待できるかも・・・全日本女子選手のクリアファイルや下敷きの『ユウ』ヴァージョン!(爆)
(当ブログの検索ワードランキングでも、遂にトップ(!)に躍り出たし。)


さらに、シニア代表3人に続いて、パイオニアからジュニア代表に選ばれたミホちゃん!
プロフィール見ると、「世界での勝利のカギ」のところに「センター線がいかに『ファーストテンポ』で相手のブロッカーを意識づけさせるか」だって。

早速読んでる(読まされてる?)『セリンジャーのパワーバレーボール』(爆)

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年5月19日 (土)

全日本女子紅白戦@枚方市立総合体育館(その1)

紅組は栗原・竹下・多治見・荒木・木村・嶋田・小山・大村・佐野の各選手。
白組は大山・板橋・菅山・宝来・先野・落合・庄司・櫻井の各選手。

先野選手が本当に(!)全日本のユニフォームを着ている姿を見て、長年のバレーファンとしては何とも感慨深いものがあった。ま、彼女自身は明らかにV・プレミアリーグ〜黒鷲旗の疲れがたまっているらしく、全力でプレーする姿は試合前の練習からしても見られなかったが、それはそれでよい。あの場所に彼女がいる、ただその事実だけで素晴らしいことなのだ!

マスコミ的に今年の全日本女子の目玉であろう、「復活したメグ・カナ」は、ともにスパイクは練習でも打たず。これは別に体調の問題ではなさそうで、スパイク練習では二人とも相手コートから打たれるサーブをレセプションする役目をし、サーブ練習ではリベロの選手とともにレセプション練習をしており、二人に現状として柳本監督からまず課せられた課題が「レセプション」であるのは間違いないようだ。

両チームのスタメンは、ともにフロントオーダーの配列で、紅組はレフト(表・裏)が小山・木村、センター(表・裏)が多治見・荒木、オポジットが大村、セッターが竹下、リベロが佐野の各選手、白組はレフト(表・裏)が櫻井・落合、センター(表・裏)が庄司・先野、オポジットが宝来、セッターが板橋、リベロが菅山の各選手(であったはず、、、記憶違いならすいません m(_ _)m)。メグ・カナとも途中でピンチサーバーで登場し、そろって「アンダーサーブ」を披露。要するに、サーブのために入ったわけではなく、サーブの後の後衛3ローテーションでの「レセプション練習」だったわけで、柳本監督は彼女たちに、「レセプションである程度の成果を見せなければ、スパイクはおろかサーブさえ打たせない」という風にでも言い渡したのだろうか?


さて試合の方だが、もちろんアタッカーとセッターのコンビネーションも調整段階であるし、ましてや戦術云々のレベルではないので、本日のレポとしては戦術に関して語ることは何もない。各選手のプレーとしては、我が(爆)ユウがスパイク・トス・ブロックにわたって大活躍! 試合が始まった当初は、ユウのスパイクが決まっても会場から拍手が上がることも少なく、地元の中学生達には「18番って石川? 石川友紀だっけ?」とか言われてしまう始末(苦笑)。まぁ、現状として彼女の知名度はそんなものだろう、、、仕方あるまい。ふと、思い出したのは、2年前の黒鷲旗。そう、ユウが初めて大会を通じてスタメンで出て優勝を果たした黒鷲旗の決勝戦後の表彰式。会場のボール係を務めていた中学生達がパイオニアの選手達を見て言った言葉・・・。


・・・4番って誰?・・・


それに対して、別の子が


・・・「SHOJI」って書いてある!・・・


しかし、試合が進み、彼女のスパイク・ブロックが立て続けに炸裂するにつれ、試合終盤には「違うよ、石川は選ばれてないはず。そう、庄司だよ!」とちゃんと認識され、他の観客からも「あの庄司『っていう』選手もなかなか活躍してるね」と言われて、結構拍手も浴びるようになっていた。やれやれ・・・。

やはり、ユウの実力が全日本レベルであることは間違いない。特にデータバレーを使うわけでもない、ただの紅白戦で、しかもきちんと組織的リードブロックシステムが採られているわけでもない状況で、彼女一人であれだけのブロックの技術をアピールできれば、充分すぎる程と言ってよい。あとは柳本監督自身が、どのような具体的戦術を思い描いているのか? が気にかかるが、それについては(その2)で書きたいと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月19日 (木)

キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!

つ、遂にキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!

http://www.jva.or.jp/information/20070419001.html

さすがに、全日本も今年ばかりは「本気モード」で選抜せざるを得なかったらしい。さあユウ、これからが本当の「出番です」よ!

正直、今年ユウが全日本に選ばれないようでは、ホントに全日本のスタッフ陣の目は「節穴」と言わざるを得ないところだった。現在のトップレベルのバレー戦術にあって、「(セット当たりの)ブロック決定本数」など全く意味をなさない。それが意味をなした時代は、「マンツーマン・コミットブロック」システムが当たり前だった過去の話だ。現在のトップレベルで当たり前の「バンチ・リードブロック」システムにあっては、ブロッカーに課せられた役割は「ブロック決定(シャット)」なのではなく、「いかにワンタッチを確実に取れるか?」である。セット当たり何本「有効な」ワンタッチを取ったか? を数値化する・・・、その場合の「有効」の判断基準として例えば、ワンタッチを取った直後のトランジションで自チームが得点した場合に「有効」と判定するなどの方法でデータを出せば、恐らく現在のトップレベルのバレー戦術にあっての middle blocker のブロック面での本当の貢献率が明らかになるように思う(「ブロック効果本数」と呼んでもいいかもしれない)。これを今シーズンのV・プレミア女子リーグで実際にはじき出せば、恐らくユウはトップ3には入ると思う。彼女が全日本のレギュラーセンタープレーヤーとして定着しない限り、全日本に未来はないと思う。

本当は、「3位決定戦」について書きかけていたところだったのだが、全日本女子メンバーの発表を知って、先にアップせずにはいられなかったユウヲタです(爆)

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2007年4月16日 (月)

ファイナルラウンド(女子)こぼれ話

残念ながら、今シーズンのパイオニアの2連覇達成の夢はセミファイナルラウンドで潰えてしまったが、気を取り直してさいたまスーパーアリーナへ向かった(3位決定戦・決勝戦の模様は、後日詳しくアップ予定)。この際、思いっきりミーハー路線で、会場限定販売のパイオニアグッズでも手に入れて、パイオニアレッドのスティックバルーンをガンガン叩きまくって応援してやろうかと思い、その通り実行してきた(苦笑)。

で、会場入りして、座席を確保するや否や、すぐにパイオニアブースへ。大画面プラズマ(もちろんパイオニア製)にレッドウイングスのPR映像が流されているのがまず目に入り、その映ってる映像DVDにして売ってくれればいいのに・・・とちょっとガッカリした次に目に入ったのが、レッドウイングスのチームロゴ入りのウェアを着た(これも恐らくパイオニア製の)オルゴールテディベアー。他のトートバックやキーホルダーは以前から売っていたものばかりだったので、多分今回の「会場限定品」はこれだろうと思い、買うことに決めた。

少し恥ずかしいと思いつつ、テディベアーを指さして「これ、下さい」と伝えたところ、「えっと、誰のサインのやつ(が御希望)ですか?」と言われて、えっ!?

確かによく見てみると、レッドウイングスのチームロゴの辺りに選手のサインがしてあった。「じゃぁ、誰のがあるんですか?」と聞くと、「#0(レオ)と#1(メグ)以外はあります(売り切れてません)」とのこと。まぁ、当然だろう。
一瞬考えたが、気持ちはすぐに決まった。


・・・「#4を下さい!」・・・


手渡された箱のてっぺんには、こんな文字が、、、。


Dsc00779
誰が書いたの??


で、中身はこんな感じ、、、。


Dsc00780
なかなかいい感じ!

最近すっかりユウヲタな私ですが、それが何か?

満足して座席に戻り、そしてパイオニアの勝利の瞬間をしっかり目に焼き付けた。
試合後に応援団の前に整列する中、ガッツが一人泣き崩れている姿に目を奪われ、思わずもう一匹、、、


Dsc00783

ガッツの箱はシンプルに『#20 Gattsu』って書いてあるのみ。ベアーの方にもおんなじ筆跡で『Gattsu』って書いてあるってことは、ひょっとしてユウ、自分で書いたの?? 『ゆうさぁまぁ〜〜』って?

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006年12月29日 (金)

Vリーグ・チームの顔

レゼンデバレーから頭を完全に切り換えて、V・プレミアリーグモードへ突入!
ってことで、12月28日発売の『V.LEAGUE 2007【チームの顔】』を早速見てみた。

ユウのインタビューがあり、それによると例の今年のサマーリーグでの「セッター挑戦」について触れられていた。

『V.LEAGUE 2007【チームの顔】』より引用

サマーリーグでは、バレー歴13年で初めてセッターに挑戦しましたが・・・(中略)・・・監督からは "絶対プラスになるから、自信を持ってやって" という話をされました。後になってわかったことですが、センターが二段トスを上げなければいけない約束事が出てくるので、その意味でセンターにトスを上げる練習をさせたかったようです。

やはり! 私の予想は当たったようだ! 吉田監督は組織的リードブロックを戦術として組み込むに違いない。 1月6日の開幕戦(JT戦)が今から楽しみで仕方ない。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年7月 2日 (日)

吉田新監督初采配(サマーリーグ)

吉田新監督が早速やってくれたようだ。

http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/ballsports/news/20060701-OHT1T00122.htm

何と、ユウがセッターとしてデビューしたと! 彼女の身体能力の高さは、パイオニアファンの方なら皆さんご存じの通りであり、セリンジャー監督の時にもひたすらバックアタックを打たされたりして「いいように使われている」という感があったが、更に新しい課題が与えられたか、とも思えなくもないのだが、私としては恐らくこれは「本格的にパイオニアが組織的にリードブロックを導入する」ための下準備のような気がする。

組織的にリードブロックを行う場合、ラリー中の3枚ブロックは必至である。セッターが後衛の場面で、ラリー中に後衛のセッターがファーストヒットを行った場合、これまでのバレー戦術のセオリーでは、トスアップは前衛のオポジット/ライトの選手が行うのが常識であった。しかし、バンチ・リードブロック時代になり、もしそのセオリー通りにプレーを行うと、レフトに2段のオープントスを上げようが、センタープレーヤーにセンターオープンを上げようが相手の3枚ブロックにまともにあって終わるだけである。バンチ・リードブロックシステムを切り崩すために必要なのは、両サイドの攻撃を意識させつつ中央からのパイプを決めることであるから(これは何度も説明済み)、そのためには、ラリー中にセッターがトスアップを行えない状況であっても、両サイドとバックセンターからのパイプを使えなければならない。そのため、現在の世界のトップレベルのバレーシステムでは、セッターが後衛の場面でトスを上げにいくのは、前衛のセンタープレーヤーの役割となっている。これは現代のバレーシステムでは「常識」である(すでに1999年ワールドカップレポートの中でも書いたことである)。現在のVリーグ女子チームの中で、このシステムをきちんと採用しているのは武富士のみであり、この点からみても、現在の日本女子バレーのシステムが世界から遅れをとっているのは明らかである。センタープレーヤーが「大型化」という「うわべの側面」のみから世界を追いかけているため、最近の日本のセンタープレーヤーで身体能力の高い選手は極めて少ないと言わざるを得ない。そのため、女子では「ブロード攻撃をマスターすることで精一杯」で、速いAクイックも打てないし、ましてラリー中に2段のセンターオープンは打てないし、レシーブはおろかトスすらまともに上げられない選手が多いのである、、、。これは男子にも当てはまることであり、象徴的なこととして、海外ではスーパーエースにコンバートされる選手は一般にもともとは「センタープレーヤー」であることが多い(古くはアメリカのスティーブ・ティモンズ、少し前ではブラジルのネグロンやマックス・ペレイラ、イタリアのジャーニなど)のに対して、日本ではほとんどがもともと「レフトプレーヤー」である、という事実がある。それだけ、日本の最近のセンタープレーヤーの身体能力は「低い」(=センターしかできない選手が多い)ということである。

少し話が脱線したが、吉田監督が本気でユウを「セッターとして育てる」つもりならば、オーソドックスに前衛でライトのポジションをとらせるであろうが、センタープレーヤーのヤンの対角に配列させて、前衛センターでセットアップをさせているのである。私の勝手な推測ではあるが、恐らく吉田監督はパイオニアに本格的に組織的なリードブロックを導入しようと目論み、そのためにはブロック後のトランジション(切り返し)が重要になることまで見越して、恐らくリードブロックの要になると思われる彼女に、ラリー中に両サイドへ2段トス及びバックセンターへパイプを上げられるように育てたい、と考えているのではないだろうか? 半年後のVリーグがますます楽しみになってきた!

| | コメント (0) | トラックバック (0)