2006年3月19日 (日)

決勝戦〜久光製薬-パイオニア(その7)

後日の再放送のフジテレビ739の放送を見た。第3戦の第3セット、19−18ぐらいの場面から解説の中田久美さんは試合が終了する29−27まで、実は一言も(!)しゃべっていない、、、。もちろん緊迫するゲーム展開であったため、解説者も食い入るように見入ってしまった、と言えばそうなのかもしれないが、やはりテレビ中継の解説としてはまずいと思う。

今年の決勝は、戦術的に完全に男子バレーの領域に入っていた。正直言って、そろそろVリーグ女子の試合の中継も、女子バレーしか見ていない(と思われる)関係者が解説するのは限界がきているのではないかと思う。今年の決勝を解説できるとすれば、男子バレーを普段から見ている、あるいは世界のバレーを実際に解説している関係者でなければ、難しかっただろうと思う。具体的に名前を挙げれば、ヨーコ・ゼッターランドさん、あるいは杉山明美さん、そうでなければ、男子バレーの関係者にやってもらうしかないように思う。だからと言って、久光の先野選手ほどの有名な選手を知りもしないで試合が終わるまで「矢野選手」などと呼び続けるという、明らかに選手名簿などの資料を読み間違えたとしか思えないような失態を演じた男子バレー関係者にはやってもらいたくないが(あぁー、書いちゃった!(爆))。

もう一つ言いたいのは、私も会費を払っていて、このサイトからもリンクを張っている「JSVR バレーボール学会」について。バレーボールの普及と発展のために研究しようというのなら、なぜよりにもよって国内の最高レベルの大会であるはずのVリーグの決勝戦の行われる土日に、年に1回の総会を開くのかなぁ?! こんな素晴らしい決勝の対戦を目の前で見ないで、何を研究するというのか? これでは現実にそぐわない、机上の空論について研究していると言われても仕方ないと思う。大いに反省してもらいたいものだ。

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2006年3月18日 (土)

決勝戦〜久光製薬-パイオニア(その6)

総括として、今年のVリーグ女子決勝戦は、非常にレベルの高い試合だったと思う。セリンジャー監督の言葉を借りれば「どちらのチームもパワーバレーを展開した」ということになるのであろうが、この言葉には言葉尻以上の深い意味があると思う。日本バレー界において、「パワーバレー」と言うと、いわゆる日本女子バレーの伝統(?)と思われている「小さな選手が拾って繋いで、速いコンビバレーを展開する」というバレー戦術の、全く両極に位置するバレー戦術のことを指しているように聞こえる。即ち、日本においては「背の低い巧い選手が速いコンビバレーを展開する」バレーと「背の高い選手が高いオープンバレーを展開する」バレーという、2つのどちらかしかないようなイメージで捉えられていて、当然「パワーバレー」と言うと後者のことを指すと思われているような気がしてならないのだ。しかし、果たしてそうだろうか?? 確かに両チームのアタッカー陣から繰り出される攻撃は、Vリーグ女子チームの中でもトップレベルの高さとパワーを兼ね備えている。去年のVリーグ女子決勝戦のNEC-パイオニアは、よくこういう言葉で表現された。「組織プレーのNEC対個人の技術のパイオニア」と。即ち今年の決勝に残った両チーム(パイオニア・久光製薬)は、「高さとパワーを兼ね備えた」各アタッカー陣の「個人技術」に依存したバレースタイルだという風に捉えられているいい例であろう。

しかしその戦術はここまで書いてきたとおり、実は相手チームの戦術を研究した上での、綿密な分析に裏打ちされた組織バレーであった。「背の低い巧い選手が速いコンビバレーを展開する」バレーと「背の高い選手が高いオープンバレーを展開する」バレーのどちらが優れているのか? こんな不毛な議論が長年繰り広げられている日本女子バレー界であるが、答えは簡単である。「背の高い選手が速いコンビバレーを展開」すればいいのである。即ち、「高さとパワーを兼ね備えた選手が、綿密な分析に裏打ちされた組織バレーを展開」するということであり、これこそが「パワーバレー」であると思う。決勝の第3戦、セットカウントこそ3−0のストレートとは言え、すべてのセットが2点差で第2セットを除いてはジュースに持ち込まれている。これはまさに男子バレーの世界である。「20点以降の競り合いの中での、紙一重の差で勝敗が決まる」、しかしその紙一重の差が小さいようで非常に大きな差であることが、ラリーポイント制になってからの全日本男子の国際試合での戦いぶりを見ていれば一目瞭然である。そういう男子バレーの世界に、確実に日本の女子バレーも突入したという象徴的な決勝戦であったと思う。そういう意味で、非常に高いレベルの決勝戦だった。

Numberの記事がこう締めくくられていた。
「パイオニア vs. 久光の決勝戦は、日本バレーの転換期になるかもしれない。」

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決勝戦〜久光製薬-パイオニア(その5)

我ながら、どこまで続くんだろうか???

久光もホントに素晴らしいバレーを展開した。以前「リードブロック」と題して書いたときには、リードブロックの完成度はNECが一番であろうと書いたが、それは去年のリーグまでの話で、今年の久光はそれを完全に上回った。現在のVリーグ女子チームで見れば、久光と武富士がリードブロックの完成度でトップ争いをしていると見て良いだろう。よく、「リードブロック」システムは、背の小さい選手がいるチームでは採用できない、という意見があるが、私はそうは思わない。実際この2チームはセッターがどちらも背が低い。それでもここまで「バンチ・リードブロック」を完成させられるんだ、といういい証だと思う。

例えば、決勝戦2戦目以降、パイオニアはサーブカットが乱れそうになると、すかさずレオがサーブカットをするようにフォーメーションを変えてきていた。久光はそれをきっちり見極めて、レオがサーブカットフォーメーションに入れば「バンチ」で構え、レオがサーブカットフォーメーションから外れてライトからのバックアタックに回ると、「スプレッド」で構えていた。

サーブカットの正確性も、今年のVリーグ女子チームで見ると、久光は抜きんでていた印象がある。リーグを通しての記録上では、久光はトップではなかったが、ファイナルラウンド及び決勝戦という、本当にプレッシャーのかかる試合で、しかもリーグでのサーブ効果率2位だったパイオニアを相手にして、あれだけ安定したサーブカットを全試合通して展開できたのは本当に素晴らしいと思う。現在の日本の男子バレーと女子バレーを比べて、一番技術に差があるのは、何といってもサーブカットの技術であろう。女子バレーが世界でトップ争いをするために必要なのは、女子バレーの戦術が男子バレーのそれを確実に追いかけている以上、男子バレーにいかに近づくかことが出来るか? であることは間違いなく、その意味でも各チームは久光を見習う必要があると言えよう。

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決勝戦〜久光製薬-パイオニア(その4)

何度も書くようだが、バンチ・リードブロックを切り崩すには、両サイド(特にアンテナの幅いっぱいを使った攻撃)をいかに意識させるかが重要である。これまでの(バンチ・リードブロックシステムが普及する以前の)バレーにおける攻撃のセオリーでは、「自チームのエースのレフト攻撃に対する、相手チームのブロッカーのマークを、いかにセンターの速攻によって減らすか?」ということが鍵であった(はずである)。ところが、バンチ・リードブロックの時代になると、セオリーはまるで逆になった。攻撃に幅のないアタックコンビネーションでは、圧倒的な高さを持つセンタープレーヤーの、よほど速い速攻でない限り、バンチ・リードブロックシステムではカモにされてしまって、速攻にはマークはついてくれない。結局エースのレフト攻撃に頼らざるを得なくなり、3枚ブロックにあって負けに終わる。今リーグの東レが、久光に一度も勝てなかった理由の一つはそこにあると思われる。

「リードブロック」という言葉ばかりがもてはやされるが、リードブロックが機能するためにもっと重要なのは「バンチ」である。わかりやすく言えば、両サイドのブロッカーがどの場所に位置して相手チームの攻撃をマークするか? であり、「バンチ」の位置で構えるとは、両サイドのブロッカーがセンターブロッカーに接近してコート中央付近に構える、ということである。東レの今リーグの躍進の立役者である木村選手の中央からの時間差攻撃は、久光相手にはものの見事に3枚ブロックで封じられていた。「バンチ」であるからこそ、中央付近の中途半端な早さの攻撃はカモに出来る。従って、バンチ・リードブロックが当たり前の男子の世界では、両サイドの平行が恐ろしいほど高速となっている。なぜならば相手ブロッカーを「バンチ」で構えさせずに、3人の間があいた状態(=スプレッド)で構えさせるためである。

バンチ・リードブロック時代にあっての、攻撃の新たなセオリーは「両サイドのエースの攻撃を意識させて、両サイドの相手ブロッカーをスプレッドで構えさせて、マークが甘くなった中央からの速攻あるいはパイプでいかに点数を稼ぐか?」である。決勝第3戦、パイオニアの両レフトの決定率は、レオが17.9%・メグが21.9%と惨憺たる決定率であり、一方の久光のケニア選手は43.2%である。データだけを見て普通に考えれば、どう考えてもパイオニアの負けゲームである。なのになぜか? 結果はパイオニアのストレート勝ちであった。いかに久光のブロッカー陣が両サイドに意識がいきすぎて、中央の速攻でやられたか? データが如実に示している。実際、第3戦のパイオニアのセンター陣(アサコ・フランシー)の攻撃は、速いA/B/Cクイックがほとんどであり、ブロードはほとんど見られなかった。その分両レフト陣及びリーが、両サイドからひたすら攻めた(リーが中央からの時間差に回ることは全くなかった)。

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2006年3月12日 (日)

決勝戦〜久光製薬-パイオニア(その3)

もう一つ、初戦の敗戦を受けてパイオニアが修正してきた点は、ブロック後のトランジション(切り返し)である。

レギュラーラウンド中から、久光戦ではケニア選手の攻撃に対して、メグを出来る限りライト側のブロックとして当てる作戦を採っていた。1戦目ではそのために彼女をオポジットに配し、その作戦が功を奏して、久光に圧勝した。2戦目では久光がそれを嫌がって、スタートローテーションをずらしたため、パイオニアは普段のメグをレフト・リーをオポジットに配するポジションに戻したが、それでも出来る限りメグをライトブロックにつけていた。但し問題点は、それが成功して、ワンタッチをとった後の切り返しの攻撃(トランジション)である。以前「リードブロック」と題して書いたとおり、バレーは連続的に攻守の切り替わるスポーツであり、ブロックシステムも重要だが、ブロックポイントで稼げる点数は1セット当たりたかだか3・4点でしかないわけで、トランジションでいかなる攻撃を仕掛けてそれを点数に繋げるか? の方がより重要である。

決勝戦初戦、メグだけでなく対角のレオもケニア選手のレフトオープンに対して、ライトブロックについた。それ自体は機能していたのだが、問題はそこでワンタッチをとった後だった。普段のパイオニアなら、というかフランシーが普段の調子ならば、彼女の速攻でどんどん切り返してくるし、それと後衛のレフト、すなわちメグとレオのパイプで切り返してくる。しかし決勝ラウンドに入ってから、フランシーの右足首ねんざの影響で彼女は本調子とは呼べず、そのためにトランジションでは、レフトブロックに配置されたリーへのレフトオープン一辺倒になってしまった。同じブロック力と仮定しても、その後のトランジションがケニア選手のレフトオープンとリーのレフトオープンとの対決ならば、結果は見えている、、、。

その反省から決勝2戦目、パイオニアは例えばレオがライトブロックについた際のトランジションでは、積極的に彼女のバックセミにトスを上げた。そのために、ラリー中のパイオニアの攻撃に対して久光のバンチ・リードブロックは機能しきれなかった。一方で、レオ・メグの両レフトへ2段トスが上がった際には、積極的に前衛レフトのケニア選手にフェイントボールを拾わせて、久光のトランジションで彼女が打てないように持っていった。久光は落合選手に苦し紛れのパイプを上げざるを得ず、それに対して万全のブロックシステムを敷いた。

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2006年3月 6日 (月)

決勝戦〜久光製薬-パイオニア(その2)

久光が嫌がったのは明らかだった。久光がローテーションを回した第2戦の第4セット。結果的には勢いをつかんだパイオニアの圧勝に終わった。それにも関わらず、翌日の第3戦も真鍋監督は同じく一つ回したローテーションでスタートした。本当のところ、何を嫌がってローテーションを回したのかは私にはわからないが、嫌だったのはそこから見て明らかである。

しかし彼がその判断をした時点で「セリンジャー監督の勝ち」だったと言えよう。なぜならば、久光にとって、ケニア選手が前衛にいる時と後衛にいる時で得点力に差があるのは明らかである。だからこそ、常に(パイオニア戦を除いては)彼女が前衛レフトから始まるローテーションでスタートするのである。それなのに、一つローテーションを回せば、セット中に彼女が前衛となる回数が確実に減る。これは、サイドアウト制よりも確実にローテーションの回る回数の少ないラリーポイント制では、大きな差となり得る。

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決勝戦〜久光製薬-パイオニア(その1)

アップが遅れたのは、土曜日の早朝に新幹線で、試合会場(東京体育館)まで向かったからでした。

書きたいことはたくさんあるのだが、やはり第2戦。ファイナルラウンド初戦から勢いに乗り、第1戦をものにした久光に大きく傾いていた流れが、パイオニアに変わったターニングポイントは何だったのか?

第2戦、パイオニアはスタートローテーションを一つ回してきた。以前書いたように、パイオニアはスタートローテーションを決めるにあたって、相手チームのフォーメーションを考えた上で決めてくるチームである。セリンジャー監督が最終的に何を判断材料にしたかは私にはわからないが、一つは少なくともやはり今年のパイオニアの一番の勝ちパターンである、メグのサーブでいかに点数を稼ぐか? 稼げなくても、いかに相手にプレッシャーを与えられるか? に託した部分があると思われる。

ローテーションを一つ回してスタートすると、メグのサーブの際、久光の前衛はケニア・成田・先野の3選手となる。このローテーションは、以前何回か書いたように、久光にとって実は意外に弱点となるサーブカットローテーションである。オポジットに入っている成田選手がサーブカットの要となっている久光では、このローテーションで前衛センターの彼女が、サーブカットから外れることが出来ず、そうするとこのローテーションで彼女の真後ろに位置するセッターの鶴田選手が、彼女より前に出ることが出来ないために、かなりコート後方からネットに向かってスタートしなくてはいけない。そのローテーションでメグのサーブがぶつかると、普通のサーバーが打ってくる場合よりも、さらにコート後方に成田選手が構えざるを得ない。たとえ彼女が見事なサーブカットを返したとしても、まず間違いなく彼女は攻撃には参加できない。さらに、セッターの鶴田選手がネットまでたどり着いて、セットアップまでの時間的余裕がないために、先野選手の速攻も使えない。すなわちほぼ完全にケニア選手のレフトオープンしかない。さらにもしケニア選手が一発で決められずにラリーになると、サーブカット後に成田選手がネット際まで戻るのにも時間を要するために、今年の久光の持ち味であるバンチ・リードブロックシステムを組み立てられない。対するパイオニアの前衛は、レオ・リー・フランシーの最強ローテーションであり、そこでフランシー・レオの高い2枚ブロックをケニア選手にぶつければ、彼女のミスを誘いやすく、そうでなくてもワンタッチさえとって、トランジション(切り返し)でコンビを使えば、久光はバンチ・リードブロックをとれないだけに決まる確率が高い、、、。

実際にはメグのジャンプサーブでの連続得点がそんなにあったわけではない。ケニア選手が必死に一発でレフトオープンを決めて、「何とかしのいで」いるケースが多かった。しかしコート外から見ている以上に、コート上の選手達及び真鍋監督としては恐らく追い込まれていたのだろう。第2戦の勝負を分けた第3セットをとられた久光は、第4セットにスタートローテーションを一つ回してきた。

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2006年2月26日 (日)

ファイナルラウンド〜パイオニア-武富士

パイオニアはさすがだった。

お互いに4回目の対戦であり、お互いの弱点は研究しつくした同士の戦いである。実際、データで見ても両チームのサーブレシーブ成功率は惨憺たるものである。しかし、そうやって弱点を相手につかれたときに、いかにして試合中にその対策が立てられるか? が優勝するチームに課せられる課題だろう。その意味で、パイオニアの今日の試合運びは見事だった。昨日の久光戦では終始、ほとんどのローテーションをリーとマオの2枚でサーブレシーブをするフォーメーション(即ち、後衛のレフトに回ったレオ・メグはサーブレシーブフォーメーションから外れて、バックアタック用にエンドラインぎりぎりに配置していた)を敷いていた。しかし昨日の久光戦の反省もあって、今日は試合序盤から敢えてカットが乱れた場面でも、ライトからリーの攻撃を多用しようという狙いが伺え、そのために試合序盤は昨日とは違い、両レフトとマオでサーブレシーブをするフォーメーションを敷いてきた。第2セット途中、足立選手のサーブでメグが狙われて崩されてからは、すかさず昨日通りにリーとマオの2枚でサーブレシーブをするフォーメーションに切り替え、そして試合終盤にはまた元に戻した。こういったサーブカットローテーションごとのフォーメーション切り替えは、マッチョがいた頃からパイオニアではおなじみのものなのだが、以前はセリンジャー監督の指示で切り替えていたものが、いまはリアルタイムにコート上の選手達が自主的に切り替えている印象がある。セリンジャー監督からの作戦としては、これもおなじみだが、第2セットで足立選手のサーブでメグが狙われて崩されたことをうけて、第3セット目からはスタートローテーションをずらして、足立・井村両選手のサーブをレオがメインでサーブカットするように切り返させた(そのために、試合前半打数も多く、昨日同様好調だったレオの打数が試合途中から減った)。こういった細かな試合中の微調整により、研究充分であったはずの武富士も、完全にはパイオニアを崩しきれなかった。

もう一つ、今日の試合前半で、リーを意識して使っていたのには、恐らく武富士のバンチ・リードブロックを崩そうという意図があったと思われる。両サイドを意識させられると、「バンチ」ブロックは採りづらくなり、「スプレッド」にせざるを得なくなる。昨日同様、フランシーはあまり調子が試合序盤から上がらなかったが、充分に武富士のブロック陣が「スプレッド」になったのが確認できた第4セットになって、途端にユキはフランシーにトスを集めた。「スプレッド」になったがために、武富士はフランシーの中央からの攻撃に対応しきれなくなった。見事な戦略だった。

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2006年2月25日 (土)

ファイナルラウンド〜東レ-武富士

続いて第2試合。何となく昨日から、武富士が勝つような気がしてならなかった。今年の4強の各チームの戦いぶりを頭の中で整理しているうちに、「こうやって久光に勝ち越した武富士」なのだから、東レ相手にも「こうすれば、東レの負けパターンに持ち込める」はず、という図式が浮かんできて、まさに昨日の書き込みの最後にああいう書き方で結んだ。他のチーム(久光・東レ)については弱点を書いたが、武富士については弱点よりも「こうすれば勝つはず」という書き方に、自然となってしまった。

正直言うと、今日のハニーフ選手の調子は最悪だった。試合中も全く自信なさげで、誰が見ても彼女に上げたとしか思えない2段トスを、内藤選手と譲り合ってしまうほどだった。それでも今年の武富士は、試合中に「これがダメなら、じゃあこのパターンを使う」といった、切り替えが出来るのである。昨日「2つの違う種類の攻撃パターン」といったのがまさにそうで、第1セットの出足で、ハニーフ選手に連続してトスを上げて、全く決まらなかったのを確認した途端に、すぐに両レフト(吉澤・足立両選手)への速い平行中心のトス回しに切り替えた。それである程度リズムをつかむと、東レの各ローテーション毎にサーブで狙うべき場所をきちんとついて、バンチ・リードブロックを機能させた。バンチ・リードブロックが機能すると相手チームは必ず焦り始める。第1試合のパイオニアもそうであった。ただ、パイオニアはさすがにベテランが多いだけに、スパイクミスはあまり出なかったが、その点浮き足立つとスパイクミスを連発する「弱点」のある「若い」東レは、その悪い癖が出てしまった。23歳の「若い」イェレナがスパイクミスで潰れた。こうなると2年前の第10回Vリーグ決勝の時の東レがだぶって見えてくる。若さの勢いで、いつもは押し通せることが、プレッシャーのかかる場面で通用しなくなったときに、打開策となる別の戦術が出てこない、、、。2年前はプレー面でも精神面でも頼れるアダムス選手がいたが、今年の東レにはいない。2年前パイオニアに敗れたときからの課題が、未だに解決されていないことが、今日の「4位確定」という結果として戻ってきたように思う。

もう一つ、第1試合と続けて観戦して強く感じたことは、「やはり女子バレーは男子バレーを確実に追いかけている」ということ。第1試合はまさに(別にスパイクの高さやパワーという意味ではなく、戦術的な意味で)「男子バレー」そのものだった。第2試合の武富士を見ていても、実はこのチームも男子バレー的な戦術を採っている。象徴的なこととして、ラリー中に前衛センターが2段トスを上げる戦術を採っていることがある。これは、リードブロックが確立している男子バレーでは常識である。女子のVリーグチームの中で、それに一番近いところにいるのは武富士である。その意味では、東レには残念ながら、男子バレーに近づこうという戦術は感じられない、、、。

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ファイナルラウンド〜パイオニア-久光製薬

久光の完勝だった。結果から見てもそれは明らかなのだが、何が良かったのか?

実は、パイオニアも相当に考えて試合を組み立てていた。久光の弱点は、成田選手が徹底的にサーブで狙われた時であると、以前にも書いた。まさにその通り、パイオニアは試合序盤から徹底的に彼女をサーブで揺さぶった(レギュラーラウンド中、攻撃的な強いジャンプサーブにこだわって、ミスを連発していたパイオニアの戦いぶりとはまるで好対照だった)。さらにケニア選手が前衛にいるときには、ラリー中には徹底して彼女の前にフェイントを落とした。点数的には常に久光がリードしていたが、第1セット前半に流れをつかみかけていたのは、パイオニアであった。レギュラーラウンド中は、成田選手がサーブで狙われた時の久光は、ケニア選手にボールがいつも以上に集まる。そこで、狙い通りに成田選手を揺さぶることに成功したパイオニアは、作戦通りにレフトのメグをライトに、オポジットのリーをレフトに配置して、ケニア選手にプレッシャーを与えようとした。

ところが、今日の久光はサーブカットが多少乱れても、敢えてケニア選手にはトスを集めずに、いつも以上にセンター陣にトスを集めて切り返した。いわば、昨年までの「本来の久光製薬らしい」戦いぶりに戻った。その上、ラリーになった場合に、パイオニアの攻撃パターンの重要な要素であるフランシーの速攻に対して、見事なまでのバンチ・リードブロックでワンタッチをとった。パイオニアとしては、特に第1セットは、恐らく試合前の作戦通りのプレーを各選手が行って、しかもレオ・メグの両レフトのアタック決定率も高い状況だっただけに、それなのになぜか? 久光に追いつけないという感じで、徐々に焦り始めた。いつものパイオニアならば、セット中盤の競り合いの中や劣勢の状況でも、必ずしも両サイドに頼らずともセンター線で切り返せるのが強みである。ところが今日は、久光の見事なバンチ・リードブロックシステムにより、全くセンター線は機能せず、前衛のレフト攻撃かバックのレフトのバックアタックしかないという、単純な攻撃パターンに追い込まれた。それでもレオ・メグの両レフトは調子は良かったために、試合序盤は何とか久光に食い下がれても、セット終盤になると、今日のようにケニア選手に頼っていなかった久光に対しては、決め手の数で負けていた。第2セットに入ると、第1セットの反省に基づいて、パイオニアも修正を行い、メグをライトブロックに回すのをやめて、序盤は先野選手のブロードにプレッシャーを与えてミスを誘って6−1とリードを奪ったが、久光は冷静だった。鶴田選手は今度はケニア選手にトスを集めるパターンに、さっと切り替えた。パイオニアとしては、やることはきちんとやっているのにという焦りばかりが募る形で、結局第2セット後半からは各選手が精神的に切れ始めた、、、。久光の完勝だった。

ただパイオニアとしては、第3セット後半からはある種「吹っ切れた」かのようなプレーを各選手がし始めて、セット終盤にいったん追いつきそうなところまで追い上げたところが、明日に繋がる負け方だったと言えるだろう。

象徴的な言い方をすると、今日の第1試合は、まさに「男子バレー」の戦い方を見るようだった。リードブロックが機能するかしないか? 及び誰がどのポジションのブロックに跳ぶのか? そして相手のそのブロック付き具合を見て、誰にトスを上げるのか? その駆け引きに勝った久光が圧勝した。これはまさに男子バレーである。ついに日本の女子バレーも、男子バレーのこの領域に完全に追いついたと言える試合だった。

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2006年2月24日 (金)

今年の武富士

今年の武富士の強みは2点。

特にリーグ前半で目立ったのは、全日本に選ばれ、諸事情によりウイングスパイカーを務めることとなった吉澤選手の活躍である。もともと巧い選手だったが、全日本を経験するとあれほどまでに巧くなるのか? と感心させられるほど、スパイク決定率が高くなった。実際今年の彼女の打数は相当に多かった。これが1点目。さらにもともと対角のレフトには技巧派で有名な足立選手がいた武富士としては、吉澤選手が頼れるレフトに成長したお陰で、今年はハニーフ選手1人に頼らなくても良くなった。そのため、今年の戦いぶりを見ていると、ハニーフ選手をセンターブロックに配してバンチ・リードブロックシステムで相手の攻撃を確実にワンタッチをとり、吉澤・足立両レフト選手の速いレフト平行で切り返すというパターンと、劣勢に立たされた際に昨年通り両サイドからハニーフ選手に2段トスを上げるパターンの、2つの違う種類の攻撃パターンを上手く試合中に使い分けている。この2点である。

それが上手く機能するために、必要不可欠なのは、確実に相手の各サーブカットローテーションごとに、誰を狙えばバンチ・リードブロックが機能しやすいか? をきちんと見極めて試合を運べるかどうかである。4強同士の対戦では、唯一久光製薬相手に勝ち越している武富士だが、その久光相手に勝った試合は、まさにそうであった。結局バンチ・リードブロックが機能しなければ、ハニーフ選手をセンターブロックに配する意味合いは乏しくなり、昨年通りにハニーフ選手のサイド攻撃に頼ったパターンしかなくなる。ワンパターンでは、星勘定で随分水をあけられている他の3チームに勝つのは、やはり難しいであろう。まず東レとあたることになった武富士としては、東レの各サーブカットローテーションで、センター攻撃を使いにくくするサーブが打てるかどうか? そして若い東レのスパイクミスを誘えるかどうか? が鍵であろう。

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2006年2月23日 (木)

今年の東レ

続いて、東レ。

ここ数年東レは、戦力的には大きく変わってはいない。大型で若いウイングスパイカー陣が揃っている。このチームの問題点は、何と言ってもサーブレシーブの出来るウイングスパイカーがいないことだった(ある意味、JT女子と似ている)。2年前の第10回Vリーグで優勝を争った時は、助っ人のアダムス選手がその弱点を補って余りある、サーブレシーブの出来るウイングスパイカーであった。昨年は彼女の体調が上がらず、そのために向井・大山(加奈)・芝田の3選手でレフトとオポジットをやりくりしていたが、結局最後まで安定したローテーションを決めきれなかった感があった。今年はその反省にたって、助っ人に頼らずとも何とかできるように、というコンセプトでチーム作りをしてきた感があり、リーグ序盤は特に向井選手がキャプテンらしく、自分がレシーブで引っ張っていく、という気合いが感じられ、実際まずまずサーブレシーブでも頑張っていた。さらに今年はやはり木村選手の加入が大きく、確かに芝田選手も非常に巧い選手なのだが、去年はいかんせんサーブレシーブに気をとられるあまり(サーブレシーブ成功率はリーグ全体で6位であったが)、攻撃力では彼女の力が出せていなかった。木村選手はその点やはり天性の能力か? サーブレシーブも相当こなしながらも、攻撃でも活躍しているのが大きい。そして、リーグ後半では、チームになじんできた助っ人のイェレナ選手が表レフトに固定される布陣となり、目立たないが実はサーブレシーブの要になっている(恐らく、最終的に向井選手よりサーブレシーブ能力で彼女の方が上回ったということだと思われる)。表レフト(=セッターの横に位置するウイングスパイカー)と裏レフト(=オポジットの横に位置するウイングスパイカー)との違いは、トップレベルではサーブレシーブの能力あるいは、前衛ライトをこなせる能力を基準に決められていることが多く、サーブレシーブ能力が高いか、前衛ライトをこなせる選手が表レフトに配置される(但し、これには表レフトがサーブ順で言ってセッターより後に配置されているローテーションのチームのみで当てはまる、、、このあたりは、またいずれ別の機会で詳しく説明したいと思う)。

一方、弱点はやはり若さ故の失点、特にスパイクミスの多さ(アタック数に対する割合が6.75%で、全体で7位)である。特にサーブレシーブが多少乱れ始めると、自滅的に連続ミスが出てしまうことがある。2年前はそういう時に、絶対的に頼れるベテランのアダムス選手や、キャプテンの向井選手がコートにいたが、リーグ後半はそういう時に本当に頼れる選手がいない。それが最後の決勝の舞台という、プレッシャーのかかる中でどう切り抜けられる道を見つけ出すのか? 2年前は、アダムス選手頼みになって、彼女が最後精神的にも体力的にも潰れてパイオニアに敗れた。果たして今回はどうだろうか?

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2006年2月20日 (月)

今年の久光製薬

レギュラーラウンドが終了した。見事に決勝リーグ出場を決めた4チームの今年の戦いぶりをまとめてみようと思う。

まず、久光製薬から。

去年6位に沈んだ久光の今年の躍進に、新加入のケニア選手が寄与するところは大きい。しかし、そのために果たす役割として大きいのはやはり、成田選手の個人技術である。彼女とリベロの吉田あい選手の2人でほとんど、サーブカットをとるという、一昔前の男子バレー(現在の男子バレーでは、ジャンプサーブが強力になりすぎて、2人でサーブカットをとるのは絶望的になった)に近いレシーブフォーメーションを敷いている。もちろん、それで彼女が攻撃に参加できなくても、ケニア選手に上げれば何とかなる、という自信からそれが可能なのであろうが。去年久光はチーム全体でのサーブレシーブ返球率がリーグ全体で1位であった。そのチームの特徴をうまく活かして、いいチーム作りが出来ていると思う。
さらに、成田選手が久光に加わって一番伸びたと思われる、落合選手をうまく活かしている。成田選手がある程度レシーブのために攻撃が犠牲になる分、代わりに落合選手が成田選手の攻撃スタイルをマスターしつつある。まだ若いだけにミスは多いが、身長もあるし、この辺で一度全日本で経験を積むと面白いかも? と思わせる選手になった。ラリー中に成田選手が意識的に落合選手に、しかも鶴田選手よりも速いんじゃないか? と思われるくらいの平行トスをあげるのが印象的である。

一方、もちろん弱点もある。下位の武富士に2敗している久光だけに、武富士との負け試合を見れば、久光の弱点は浮き出てくる。今年の久光の負けパターンは、実は上の特徴を逆手にとられたときで、徹底的に成田選手をサーブカットで狙われると、意外ともろいようだ。以前も書いたことがあるが、成田選手がオポジットで入っていることが災い(攻撃のことを考えると、成田選手にあたるいわゆる「サーブカッター」はレフトに入った方がスムーズである)し、彼女が前衛つまり、前3枚アタッカーがいるローテーションで、セッターの鶴田選手がトスアップにつくのに若干時間がかかり(特に、成田選手が前衛センターの時)、さらに彼女が潰れると比較的単純なアタックコンビネーションになってしまって、久光としてはケニア選手に頼らざるを得なくなる。確かにどの試合でもケニア選手の攻撃が圧倒的に多いのは事実だが、ケニア、ケニアとトスが集まっている瞬間というのは大抵、久光が劣勢の場面であり、優勢の場面では、センターのクイックや落合選手・成田選手への両サイドの速い平行で連続得点を稼いでいる。成田選手をサーブで徹底的に狙うと、たとえカットがセッターにきちんと返っても、この久光の連続得点のパターンとなる、コンビを繰り出させるのが難しくなるようだ。

今年の久光は結局は、「成田選手のチームとなっている」という言葉に集約される。実際、もし彼女が故障すれば、途端に久光は、まるで大友選手が抜けた今年のNECのように、バレースタイルを1から変えないとゲームすら出来ないチームになる。ケニア選手が故障したとしても、恐らく小山選手を入れれば(確かにチーム力としては落ちるであろうが)スタイルを変えずにゲームが続行可能である。昔から成田選手がいるチームというのは、悲しいかな? どのチーム(彼女がいた頃のNECや全日本)も「彼女がいないと成り立たないチームフォーメーション」になっていた。それだけ素晴らしい選手だという証なのだろうが、、、。

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2006年2月 5日 (日)

NEC-パイオニア(その2)

実際、先週の東レ戦とは全く違い、セリンジャー監督は試合中も厳しい言葉は少なく、精神面のアドバイスが多かった。以前も書いたように、今年のパイオニアは去年と違い、メグの加入により良くも悪くも「若い」チームになっている。それが精神面に出たときが、今年のパイオニアの負けパターンである。今日も途中その雰囲気に入ったにもかかわらず、もう一度立て直して、4セット目後半からはまさに決勝戦かとも思える気迫が伝わってきた。この勝利はパイオニアにとっては大きな意味があるように思う。一方のNECにとっても、今日負けはしたが、特に若手にとっては来年に繋がる試合になったと思う。ホントにいい試合だった。

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NEC-パイオニア(その1)

久々に、「本当の意味で」いい試合を見た気がする。恐らく「もう4強入りはほぼ絶望的」なNECと、「ほぼ4強入りは確実」なパイオニア。去年の決勝戦の対戦、かつここ数年ずっとライバル関係にある両チームの試合とは言え、今年に限って言えば、さほどモチベーションが上がらなくても仕方のない試合であったはずだ。しかし、どちらのチームも本気だった。選手もスタッフも。この前の「パイオニア-東レ」の首位攻防戦のように、あまりにも意識し合いすぎて、両チームともに「地に足がついていない」プレーの連続だった(はっきり言ってつまらなかった!)試合なんかよりも、よっぽど「いい試合」だった。

NECは、今日はいい意味で吹っ切れたかのように、ホントにチーム一丸になってパイオニアにぶつかってきていた。前半でやはりそれを引っ張っていたのは、有田(沙)選手であろう。それにスタッフサイドも(珍しく)答えて、2セット目から、スタートポジションをずらしてきた。恐らく調子の良かった彼女に託すという意味だったのだろう。逆にそのために、ある意味「一か八か」の戦略として、メグのサーブのローテーションで、以前から何回かこのブログにも書いてきた、NECの最も苦しいローテーション(前衛アタッカー2枚が、有田(沙)選手と杉山選手)がぶつかるローテーションにしてきた。しかし結果的にはそれが吉と出て2・3セットを取り返した。選手も一丸となっていて、その勢いに完全にパイオニアは呑まれた形になり、今年のパイオニアの負けパターンの雰囲気が漂った。

さすがにここ5、6試合は、パイオニアの選手には明らかに疲れが見えていた。ただ一人、レオだけが気を吐いていた。その疲れが一気にレオにも襲ってきたかのように、今日の彼女のプレーは苦しそうに見えた。対角のメグも体調不良もあり、とても万全ではなく、そのままなら完全に負けゲームであった。しかし4セット目には、NECのローテーションずらしにあわせるように、(ここ最近はわざと?と思えるほどにローテーションをいじらなかったのに)ローテーションをずらして、有田(沙)選手にメグをぶつける形に変えてきた。それで途端に彼女のスパイクがワンタッチをとられ始め、セット終盤にはミスも出るようになってしまい、それ以降彼女はほとんど決められなかった。その勢いに加えて、やはり今日も「神がかり的」メグのジャンプサーブで一気に4セット目をものにした。

最終セットは、意地と意地のぶつかり合いで、ホントの意味で力と力の勝負になった。選手もベンチ采配も明らかに本気だった。

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2006年2月 1日 (水)

去年と今年のパイオニアの違い

先週末は、バレーファンにはたまらない週末だったろう。一人では見切れないくらいに、バレーの試合中継があったのだから。

さて、各試合のことは後日また時間があるときに回すとして、、、
久光戦に続いての首位攻防に敗れたパイオニアの、去年と今年の大きな違いとして気になることがある。

あまり知られていない事実だが、パイオニアは「アタックミスが極めて少ない」チームである。去年のリーグで見てもアタックミス数の全打数に対する割合は5.38%で、(チーム戦術として、全力でアタックを打つことの極端に少ない)シーガルズの次に低率である。ところが、今年は去年に比べて(サーブミスが多いのは変わりないが(苦笑))、どうもアタックミスが多いような気がしてならなかったが、やはりデータで見ても6.26%と明らかに多く、順位的にも4位に下がっている。それがここ最近の不安定な戦いぶりにも反映している気がする。百戦錬磨のベテランが多く、勝負所でミスをしないというチームカラーが、メンバーに新たにメグが加わったことで、良くも悪くも若干「若い」チームになった気がする。

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2006年1月24日 (火)

JT-パイオニア(おまけ)

因みにこの試合、JTは2セット目・3セット目に、明らかなアウトオブポジションの反則をしていました。

9番の宝来選手がサーブの際、後衛には14番の高木選手と5番の菅山選手がいましたが、ローテーション順で言うと、14番がバックレフトで5番がバックセンターだったので、サーブが打たれる瞬間には、高木選手がレフト側・菅山選手がライト側にいないといません(B級審判資格を持つ、私のチームメイトに確認済み)。しかし、思いっきりその逆に位置していました。まぁ、主審が見逃さずに反則ととっていたとしても、試合の結果には関係なかったと思いますが。多分、普段と逆で、菅山選手をレフトに、高木選手をライトにおいたために、いつものくせで当事者の2人自身も気づかずにミスをしたんだと思います。私が気づいたのも、この2人のポジションが逆になっていることに気づいてからなんです。家に帰って、公式記録を見ると、2セット目から2人を入れ替えたことがわかって、その上でGAORAの放送のビデオを見返すと、2セット目からアウトオブポジションをしています。

興味ある方は、後日再放送もあるので、見てみてください。

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2006年1月23日 (月)

JT-パイオニア

JTは、姫路での武富士戦を見終わって、「ダメだ」と書いたとおり。当然の結果の、予想された完敗だった。以上。

パイオニアは、前日の反省をきちんとしてきたようだった。前日の久光戦、ほぼ完璧なバレーを展開した第1セット。その後半から連続のサーブミスで、いい流れを自分たちで切ってしまった、、、。思い切り強いジャンプサーブを打って、ミスが出ないときは別にいい。でも、調子の良くないときには、やはり狙うサーブに戦術を変えるべきである。前日連続でサーブミスをした選手達が、この日はきちんとJTの前衛のウイングスパイカーを狙っていた。2レグでやられた高木選手を狙って、確実にワンタッチをとって、切り返していた。それでいて、強力なジャンプサーブもあるとなれば、、、あの展開は当然だろう。それにしても、ホントにメグのサーブはすごい(すごい理由は、以前書いたとおり)。2セット目こそ、点数的には競ったが、菅山選手一人にやられただけで、3セット目は、いつもどおり絶妙のセリンジャー監督のローテーションずらしにまんまとはまって、一方的な展開に持ち込まれた(恐らく、競った2セット目を落としたJTとしては、3セット目の前半で点差をつけられると、モチベーションが下がってしまうのを見越して、3セット目はフランシーが前衛レフトから始まるフォーメーションからスタートしたと思われる)。

それを考えると、前日の久光戦は、あえてローテーションをずらさずに5セットとも戦っていた。シフト的にもメグをオポジットに置くでもなく、いつも通りであった。久光の真鍋監督としては、恐らくそれを見越していたのか、2レグとは違い、本来のローテーション(ケニア選手が前衛レフト)からのスタートに戻していた。その時点で久光の勝ちだったのかもしれない。が、多分セリンジャー監督は、恐らく決勝ラウンドを見込んで、あえてローテーションをずらさなかった気がしてならない。

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久光製薬-武富士

試合順にいけば、前日の久光製薬-パイオニアから書くべきところだが、流れ上こちらから。

前日の姫路観戦に懲りず、神戸にも観戦に行った。前日の首位攻防に勝って、勢いづくはずの久光だったが、一転して武富士に完敗だった。勝敗を左右したのは、両チームのサーブの戦術だった。

リードブロック、いや正確にはバンチ・リードブロック(わからない方は、こちらをご参照下さい)が機能するためには、相手に両サイドの速い平行と、速い速攻を打たせないことが鍵となる。最近のVリーグの女子チームでは、リードブロックをガタガタにさせるほどの速くて高い速攻を打てる選手は、残念ながら極めて少ないうえ、それが打てるほどサーブカットを安定して返せる能力のあるチームもない。従って、女子の場合は事実上、レフトの速い平行さえなくせばいいのである。そのために、強力なサーブ力を持たない選手が狙うべき場所は、当然の事ながら、前衛のウイングスパイカーとなる。

ケニア選手を除いて、さほど強いサーブ力があると思えない久光としては、チームとして(組織として)やはり武富士の前衛のウイングスパイカーを狙わなければならない。ところが、比較的サーブレシーブを得意としない、足立選手を狙っているのはいいが、彼女が後衛に下がっても、同じように狙っている。少々サーブカットが乱れても、武富士の場合は、速い平行と、それが難しければ、ハニーフ選手にセンターあるいはライトからセミを打たせるというパターンが確立しているので、それでは久光のバンチ・リードブロックは機能しない。一方の武富士は、逆に徹底的に久光の成田選手を狙って、前後に揺さぶっていた。久光は、レフトに入っているケニア選手がサーブカットをせず、リベロとオポジットの成田選手の2枚でほとんどのサーブカットをするという、やや変則なフォーメーションを敷いているため、成田選手が前後に動きづらい形となっている(特に成田選手が前衛センターの位置でのサーブカットフォーメーションでは、彼女がサーブカットのためにかなり後方に位置せざるを得ず、そのために彼女よりも前に行けないセッターの鶴田選手は、コートかなり後ろからスタートする羽目になっている)。それを見事についたと言え、彼女は前後に揺さぶられ、ましてほとんど前衛での両サイドへの速い攻撃への参加は不可能となっていた。結果的に久光の攻撃は単調となり、武富士のリードブロックに着実にワンタッチをとられ、それをすかさず、先ほど述べた武富士の攻撃パターンである、レフトへの速い平行あるいはハニーフ選手へのセミで切り返されて連続得点を許した。

因みに、前日のJTはその点はきちんと、武富士の前衛のウイングスパイカーはサーブで狙おうという、戦略は伺えた。その点では、JTの方がましとは言えるのだが、JTの問題はそこにはない、、、。

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2006年1月21日 (土)

やっぱり変わってなかった、、、

数日前の宣言(?)どおり、姫路まで行ってきました。
うん、寺廻監督、あなたのことは尊敬していますが、ダメです、もう今年は。久光戦の公式結果を見て、「ひょっとして」なんて期待を抱いた私がバカでした。今日の武富士戦、サーブカットからのスタートで、竹下選手をバックライトからスタートしたのを見て、かつ、サーブカットフォーメーションが旧態依然としたWフォーメーションに戻っているのを見て、あぁ、ダメだ、と確信してしまいました。まぁ谷口選手が故障してしまったことで、諦めたのかもしれませんけど、バレースタイルをむしろ以前のスタイルに戻してしまうなんて、それじゃぁ完全に守りに入ってるだけじゃないですか〜。やっぱり相手を見ている余裕なんて、まだ無かったんだなと感じました。そしてやっぱり予想された結果でした。ほぼ4強入りは絶望でしょう。それをいい意味で吹っ切って、新しいバレースタイルを追求して欲しい、そう願います。明日のパイオニア戦、頑張って下さい。

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2006年1月18日 (水)

首位攻防

今週は、パイオニア対久光製薬の首位攻防戦もある。第1レグではセリンジャー監督の「ケニア選手つぶし」戦術、即ちメグ(コウ)をオポジットに配置し、ケニア選手にぶつけたことが、大当たりしたようだ。一方、第2レグでは、パイオニアは同様の戦術でスタートするも、久光の真鍋監督もやはり考えてきたようで、きちんとローテーションをずらしてきた。第1セットで、確かに久々のスタメン出場だった、マイ(榛沢選手)の調子が今ひとつであったのも事実だが、セリンジャー監督が第2セットから普段のスタメンの布陣に戻したのには、恐らくそのことよりも、真鍋監督の「ローテーションずらし」が大きく影響したのではないかと思われる。

その意味でも、今週の対戦では、お互いの監督がどういうローテーションで第1セットをスタートさせるか? 非常に楽しみである。

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何か変わった? JT・マーヴェラス

JTがここに来て2連勝。しかもパイオニア・久光製薬と上位チームを相次いで倒した。何か変わったのか?

少なくとも、パイオニア戦は、正直言って「出来過ぎ」だろう。去年の第2レグでもあった。やはり同じくパイオニア戦。JTのミラクルレシーブが炸裂し、パイオニアは焦れて自滅、ストレートでJTの圧勝だった。どんなチームでも年に1回くらいは、そういう時もある。即ち、巡り合わせの問題で、正直何かが変わったという気はしなかった。実際、去年も今年も、翌日は元通りのJTの戦いぶりに戻っていた。

しかし、ひょっとすると変わったかもしれないと思われるのが、先日の久光戦である。もちろん、この試合はCSでも放送されなかったわけなので、実際に試合そのものを目にしたわけではなく、想像にすぎないのだが。

何が変わったか・・・、これまで今リーグのJTは、以前書いた「いったい何点とられるの?」の中で説明した、「自チームの弱点をいかにごまかすか?」という戦術を採っていた。しかしどうやら、Vリーグオフィシャルサイトの公式記録でのスタートフォーメーションを見ると、恐らく今リーグ初めて、「相手の弱点をいかにつくか?」という戦術を採ったようだ。ということは、恐らく寺廻監督の頭の中で、ようやく相手チームの分析が出来るだけの余裕が出来たのではないか、と思われるのである。今週は再びパイオニアとの対戦となる。何とか、現地で生で見てみたいと思っている。

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2006年1月 9日 (月)

拝啓:寺廻監督

あなたが、JT女子の監督に就任されたと伺ったとき、正直驚きました。確かに「バボChannel」での発言からして、多分あなたが現場復帰されるとしたら、今度は女子の世界なんだろうなぁと、うすうす感じてはいました。しかし、「どうして、よりにもよってJTなの?」という疑問が沸いたのです。

あなたが、理想とするバレー像は、これでもあなたのことをもうかれこれ10数年も見続けさせて頂いているものとしては、ある程度はわかっているつもりです。それを竹下選手を中心としたコンビネーションから繰り出そうとしていることは、よくよくわかります。でも、そのために何より必要なことは、正確なサーブレシーブであることは、誰でもないあなたが一番よくわかっているじゃなかったんでしょうか?よりにもよってJTを選んだ(勿論、選んだというわけでなく、監督要請をうけたのがJTだった、というだけのことなんでしょうが)なんて!?あなたの頭の中にも、やっぱり「女子バレー=拾って繋ぐバレー」神話があったとしか思えません。菅山選手のイメージが強すぎたのでしょうが、はっきり言って今の日本の女子バレーの世界では、男子バレーよりも遥かにサーブレシーブ能力は劣ってます。

去年のJT女子は、はっきり言って、ただのオーソドックスなオープンバレーでした。竹下選手がセッターでいる必要性があんまり感じられない、そういうチームでした。そこから脱皮すべく、両サイドを中心に早い平行を練習していたんだろうということは、特にラリー中、リードブロックで3枚ブロックを跳んで、ワンタッチをとった後の切り返しの場面で、ライトからの早い平行を谷口選手が打っていることからもよくわかります。でも、その前に、つまりラリーに持ち込む前に、サーブカットからの攻撃の場面で、同じことが出来なければ、まずそもそも20点前後の終盤の接戦に試合を持ち込むことすら出来ません。結局サーブカットが乱れて、無理にそれでも練習してきた両サイドの早い攻撃を繰り出そうとしても、去年ま