2009年12月20日 (日)

『サバイバー 名将アリー・セリンジャーと日本バレーボールの悲劇』

もう1年以上前に注文して手に入れていたが、少しずつ、本当に少しずつ読んでようやく、最後まで読み切った。アリー・セリンジャー、、、彼のバレーに関わる内容が読みたいからこそ購入した訳だが、この本はその大半のページが彼の幼少時代・・・ユダヤ人として産まれ、ナチスのホロコースト政策に翻弄された数奇な運命を辿りながら、まさに"サバイバー"として如何にして生き抜いていったのか?・・・彼の証言を元にしつつも、その検証が各種文献等を頼りに行われ、作者の吉井氏自身が現地を渡り歩くことで生々しく描写される惨劇的歴史の数々に割かれており、バレーの内容が出てくるところまで、一気に読むには余りにも辛すぎる内容だったからである。

しかしそういった、一見すると彼のバレー人生とは何の関係もないと思える"サバイバー"時代の体験こそが、その後の彼のバレー人生にとって大きな影響を与えていたのだということが、彼のバレースタイルを理解している人間ほど、読み進むうちに感じずにはいられなくなる、、、そういう意図をもって書かれた本であることに気づかされた。


『サバイバー 名将アリー・セリンジャーと日本バレーボールの悲劇』より引用

「ダイエーで10年、東北パイオニアで5年、チームを優勝させながら15年間チャンスを待ちました。でもこれは、僕の人生の大きな判断ミスでした。・・・(中略)・・・日本に15年間も滞在することになったもう一つの大きな要因は、選手たちの存在です。彼女たちが僕にやる気を起こさせ続けてくれたんです。僕は、選手たちに恵まれて本当に幸せでした」

米国、オランダ、日本と舞台が変わっても、セリンジャーの座標軸はぶれることがなかった。協会や権力、組織には牙を向けるものの、選手の人権や環境は命がけで守ろうとした。


彼にとって、日本バレー界というのは、ある意味ナチス・ドイツと同じ存在であったのではないかと感じる。ヒトラーが唱えた「アーリア人が人種的に優れている」という歪んだ優性思想が、ユダヤ人迫害に繋がり、結果的にホロコーストという『悲劇』を招いたわけだが、日本バレー界における「(かつて金メダルを取った)日本の(従来の)バレースタイルがバレー戦術として優れている」という歪んだ認識が、物理学や医学などの科学的理論に裏打ちされた彼のバレー理論を認めない姿勢に繋がり、結果的として日本バレー界はアリー・セリンジャーという偉大な指導者を失うという『悲劇』を招いた、と言っても過言ではなかろう。この本を読んで彼が、パイオニアレッドウイングスを名実とも日本一のチームにするという結果を残すことで、日本バレー界がその歪んだ思想を改め、世界で名将・知将の名を恣にしている彼が日本のナショナルチームを率いることを認める日が、いつの日か訪れることを最後まで諦めずに待ち望んでいたのだということを知り、今更ながら、日本のバレー界の結末が『悲劇』の一言で片づけられてしまわないために、微力ながらにやらなければならないことがあると、改めて心に強く感じたのだ。


東九州龍谷高、「最後まで立ち向かった」(MSN産経ニュース)

男子のブラジル代表を理想とする東龍は第1セットから、速いトス回しで相手の高いブロックを避ける高速コンビバレーを披露。

・・・(中略)・・・

日本代表が目指す速く正確なバレーを体現し、今年は春高バレー、高校総体、国体の3冠を獲得した。

・・・(中略)・・・

史上初の高校生4強という新たな歴史を築いた選手たちは、誇りを胸にプレミアリーグの道へ進む。


高校生チームがベスト4入りを果たすという輝かしい快挙の歴史が、本当の『悲劇』の始まりにならないためには、(東龍の関係者が実際に語っているのか? はたまたマスコミ関係者が勝手に思い込んでいるのか? 不明だが)『男子のブラジル代表を理想とする』とされる東龍のバレースタイルが、『日本代表が目指す早く正確なバレーを体現』している一方で、その実『男子のブラジル代表』のバレースタイル(レゼンデバレー)の本質とは、全く異質のものであるという認識を、世間に広く浸透させていく必要があるはずだ。そうでなければ、物事の本質を誤解したまま『誇りを胸にプレミアリーグへ』進まれてしまっては、V・プレミアリーグは本当に壊滅してしまいかねない。東龍のバレーに「越えられない壁」として立ちはだかってくれたのが、「今の」パイオニアではなかったというのが、チームのサポーターとしては残念でならないが、その代わりを見事に果たしてくれたのが、久光製薬の先野選手・・・アリー・セリンジャーの精神を受け継ぐ数少ない現役選手の1人だったというのも、ただの偶然ではあるまい。


『ベリーロールな日々』から引用

こんな感じで、今季Vリーグの暫定2位とは思えない戦いっぷりだったわけですが、第1セットから一人、気を吐いていたのが先野。東龍のプッシュかアタックかよくわからないようなクイックに対し、見せつけるかのように床に叩きつけるクイックを連発。しかも右に左に真ん中にと空中で身体をひねって打ち分け、2枚ブロックがついてもお構いなしの個人技を見せてくれました。

・・・(中略)・・・

↑これは感動的でした。相手が高校生でも(というより、高校生だからこそ)、自分の持っている最高のものを惜しげもなく繰り出していく。それが、自分たちのためだけでなく相手のためでもあるというプレー。ここまで勝ちあがってきた東龍には、「その程度じゃ私たちには通用しないよ!」というところを見せてあげるのが一番の“ごほうび”になるはずで、それを第1セットから意識的にやっていた(ように見えた)のは先野だけでした。


『サバイバー 名将アリー・セリンジャーと日本バレーボールの悲劇』と、前回紹介した『ブラジルバレーを最強にした「人」と「システム」』の2冊を平行して読めば、『男子のブラジル代表』のバレースタイル(レゼンデバレー)の基礎が、日本バレー界で排除され続けてきた「セリンジャーバレー」にあるという「歴史的真実」に気づかされるはずである。

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2009年11月22日 (日)

『ブラジルバレーを最強にした「人」と「システム」』


前書きの一番はじめの部分を読んで、「買って(正確には、Amazonで注文して)正解だ」とすぐに確信した。「ブラジルバレー」とは、言うまでもなく当ブログで言うところの「レゼンデバレー」と同義である。


『ブラジルバレーを最強にした「人」と「システム」』より引用

日本では、例えばミドルブロッカーの選手が、サーブを打った後に後衛で相手スパイクを好レシーブしたら、「おおっ!」とベンチや観客が沸きます。

・・・(中略)・・・

そうして盛り上がるのは、そのプレーが特別なことと思われているからです。


まさに、レゼンデバレー(第2章)の視点と同じだと直感した。実際にコート上で繰り広げられるプレーから想像したブラジルでのバレーボールの置かれた状況が、実際にはどうなのか? 自分では確かめることが出来なかったが、その点にこの本が確証をくれた気がする。


因みに、この本では「サーブレシーブ」は全て「レセプション」と統一して記載されている。ところが一方で「ディグ」は登場せず、「ディグ」の意で「レシーブ」と書かれている。そのため、例えば具体的にブラジルナショナルチームの練習内容が記載されている章で、「レセプション&レシーブ」という一見すると不思議な表現が用いられる結果になっている。ライターの側にも、日本におけるバレー用語の混乱による苦悩があるところが、この表現に滲み出ているように思う。やはり「ディグ」の概念を採り入れることの方が、より重要に思う。





p.s.: レゼンデ監督は、北京での指揮が最後かと思い込んでいましたが(だから北京オリンピック決勝の直後に「最終章」と括ったんですが)、まだブラジル男子ナショナルチームの監督を続けているんですねぇ、、、ってことで、レゼンデバレーには続きがあるかも!? 明日のグラチャン最終戦は要注目です!

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2008年11月26日 (水)

『バレーボール 試合に強くなる戦術セミナー』

久々の更新ですが、、、まずは書籍の紹介から。




『バレーボール 試合に強くなる戦術セミナー』より引用

バレーボールにおける言葉と概念の重要性
 バレーボールの指導やプレーにおいて、言葉は非常に大切です。チームを指導したり、チーム内で約束事をつくるときに、言葉の意味を正しく理解できていなければ、同じ話をしたところで、各々が頭に思い描いていることが異なってしまいます。・・・(中略)・・・アメリカンフットボールなどでは、各攻撃に名前がつけられていて、一言で全員が意図を把握して動き始めます。
 つまり、新しい言葉をつくることで、新しい概念が生まれ、新たなプレーができるようになります。

言葉を整理して共通認識を可能にする
 現在、バレーボールのテレビ中継や雑誌などを見ていると、同じプレーの呼び名がいろいろとあることに気づくことでしょう。・・・(中略)・・・これらの正しい呼び方に統一することで、その言葉を聞いた時に全員が同じ認識ができるようになります。言葉や表現があいまいだと、認識にズレが生じ、それがプレーのズレにもつながっていくのです。
 このように言葉を統一することが、戦略・戦術の理解につながり、バレーボールのレベルアップにもつながるのです。


INTRODUCTIONとして、上記のような文章から始まっており、そこからして従来の日本の指導書とは一線を画すものであることがわかるだろう。当ブログで解説しているレセプションとディグ・ハイセットはもちろん、サイドアウトとブレイクやバンチとスプレッド、ファーストテンポ・セカンドテンポ・サードテンポなどが当たり前のように登場しながら、解説が進んでいく。


ちなみに、「ファーストテンポ」に対しては、当ブログと同じく「トスが最高点に達する前に打つ」という解釈がなされていた点が目を惹いた。

一点不満を言えば、これだけ「用語」にこだわって書かれているのならば、これらの用語に不慣れな読者のために「用語」に関して「索引」のようなものがあってしかるべきだと思うが、それがない点が不親切だと言えるだろう。しかしその点を除けば、プレーヤーはもちろん、「見るだけの」ファンにも一読の価値のある書籍だと思う。


今シーズンのV・プレミアのテレビ中継を見ても、NHK BS1ではポジションに関する用語を「ウイングスパイカー(WS)・ミドルブロッカー(MB)・オポジット(OP)」に統一しようと、わざわざ解説していたし、『月刊バレーボール2008年12月号』では「高くて速い(!?)攻撃とは?」という図解がなされていたりと、徐々にではあるが、バレーを取り巻く世界で何かが変わりつつある雰囲気は感じられる。『月バレ』の「高くて速い攻撃」の解説は、はっきり言って本質がわかっているとはとても思えない解説ぶりだが、ともかくもそういった観点にバレーファンの関心が向き始めていることに気づき始めたという点では評価できよう。

やっぱり言葉は大事だ。

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2007年10月28日 (日)

『日本女子バレーコンプリートガイド』

美雁さんが「ふふふ」と勿体ぶって書いていただけのことはあります。




『中西美雁の日々是排球』より引用

今回校了した本は(えーと、そうです。本を作ってたんです。女子バレーの)、割と異色な内容かな…。まあ構成や台割りなんかは私の担当ではないので、ワールドとナンバープラスとかバーサスなんかの中間て感じでしょうか。



「割と異色な内容」と彼女が書いているところに、相当に期待をして待ってましたが、実際期待に違わぬ内容になっていました。

内容が結構濃いので、まだざぁーーとしか読んでいませんが、それでも充分に伝わってくる「異色な内容」とは、、、

・全日本女子の現在の問題点が、「客観的」かつ「(日本バレーボール狂会側でなく)バレーファン一般の視点」に立って的確に指摘されており、ワールドカップで「メダルが狙える」などという煽りが一切見られないこと
(18人の登録メンバー中で、レセプションに参加できるウイングスパイカーが不足していて、高橋・木村両選手の交代要員が事実上菅山選手しかいない、とはっきり明言しており、「12人全員で戦い、連戦の中で特定の選手に疲労を蓄積させない采配が重要になる」とまで書かれている)

・裏も取らずに適当に(若しくは、日本バレーボール狂会及びマスコミにとって都合良いように)事実と異なる海外チームの事情を書いている様子はないこと
『月バレ』でのカジースキに関する例の一件はともかく、先日発売された『がんばれ! 全日本女子バレー vol.9』に堂々と書かれていた「ブラジルは主力のジャケリネをワールドグランプリでは温存」といった、大概のバレーファンなら騙されないバカげた嘘は、少なくともないようだった)

・V・プレミアリーグの各チームの特徴が、的確な「戦術面からの」分析を織り交ぜて記述されていること
(武富士やパイオニアのブロックシステムがバンチ・リードブロックシステムであることは勿論、デンソーのそれが「ネットからやや離れた位置に構えて」行うシステムであることまで記載されていた)


などで、彼女が本当に書きたいと思っているものに近いものが出来上がったんだろうな、と思わせるものでした。

同じく『中西美雁の日々是排球』より引用

メディア的には挫折とそれをバネにした復活って、美味しいネタですからね。
海外修行とか。人より若くしてデビューとか。
自分はそういう「メディアの文法」的な無難な文章じゃない、掘り下げたもの、対象となる選手やチームに、ある意味戦いを挑むようなものが書きたいと思ってるわけですが。
戦いを挑むって言うとすぐ誤解されがちなんですが、根拠のないバッシングと批判は違うと思うんですよね。
根拠のないバッシングと、根拠のないよいしょって、根っこが同じの双子の兄弟だと思ってるんで。

通り一遍のきれい事でない、掘り下げるようなドキュメンタリーって選手やチームだけじゃなくて読者にもそっぽを向かれる覚悟とエネルギーはいるし、、、、現況、発表する場がないんですよ、ぶっちゃけ。

バレーファンとしては、今回の雑誌出版を引き受けてくれたJTBさんには感謝しないといけませんね。
ぶっちゃけ、このブログを普段から読んで下さっている皆さんには、この雑誌を宣伝する意味はないように思います。だって、普段からこのマニアックな(爆)ブログを、飽きずに読んで頂いているような方なら、別にこの雑誌を読んで新たに得られるものが多いとは正直思えませんから。でも、それでも是非買って頂きたいし、周りにも是非宣伝して頂きたいのです。なぜなら、「こういう視点で書かれた雑誌こそが売れるのだ」と、出版業界に気づいてもらいたいから。

バレーにもミーハーファンだけでなく、マスコミの情報操作に決して操られないコアなファンが相当数存在する・・・そのことが明らかとなれば、日本バレーボール狂会にとって都合の良いことだけを書き立てるライター達も苦しい立場に置かれるようになるはずです。情報操作に長けた、日本バレーボール狂会トップに君臨する勢力も力を失うはず・・・その一心で宣伝します、『日本女子バレーコンプリートガイド』。

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2007年10月14日 (日)

お陰で久しぶりに読みましたよ・・・

仕事から帰宅して、郵便ポストを覗くと届いていた『月刊バレーボール2007年11月号』。

早速手にとってパラパラめくり、「道産子シンデレラ」のインタビューが載っているのを確認して、さぁじっくり読もうかとパソコンの前で腰を下ろしてじっくりと読んでいたところ、『ばれにゅ☆どっとねっと』のRSS配信で、新しいエントリーがついていることに気づいて、クリックしてみると・・・何ともタイムリーに、『月刊バレーボール2007年11月号』の記事についてのエントリーが・・・

年間購読している月刊バレーボールの最新号、2007年11月号が手元に届きました。

私と少しの時間差で、同じ状況だったんですね。

パラパラと流して読んでみたのですが、非常に引っかかるというか、あまりのばかばかしさにあんぐりと開いた口が塞がらないほどあきれ果ててしまった記事があったので、引用しながら文句を垂れ流したいと思います。その記事とは、毎号、松平康隆(財)日本バレーボール協会名誉会長が旬なバレーボール関係者と対談する、「松平康隆と語るバレーボール・パッション 連載第55回」という対談記事です。

そう言えば、そんなコーナーありましたね・・・え!? 私? そんなコーナー読むわけないでしょ、いつも素通りです。だけど、折角こうやって巨大サイトに大々的に取り上げられたのなら、読まないわけにはいきませんよねぇ。先日随分話題になった、ゴルフの上田桃子プロのブログと同じ様なもので。お陰で久しぶり(これでも約20年近く『月バレ』は定期購読していますが、常にこのお偉いお方のコーナーはタイトルを変えながらもずっと続いているように思いますけど、数えるくらいしか読んだ記憶はありません)に読みました。





ま、所詮こんなレベルでしょ。日本バレーボール狂会ですから。どなたとは申しませんが、黒鷲旗の大会期間途中に会場すぐ近くの高級ホテルでウン十万円もする豪華中華レストランで会食を楽しまれている人達とか・・・選手はみんな次の日の試合のためにコンディションをを整えているだろうに、お偉いさん方はそんなことを毎日毎日やってるんですよね・・・そういう場で決まるんでしょうねぇ、世界バレーのMVPが誰とか、グループ組み合わせとか対戦順とか・・・ひょっとして日本のオリンピック出場の内定とかも(爆)


p.s.: こんどのワールドカップのスペシャルサポーターですけど、その中に藪クンっていう子がいますが、遠目で見るとユウに似てませんか!?

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2007年7月29日 (日)

『がんばれ! 全日本女子バレー』

すっかりユウヲタとなっている私としては、買わないわけには参りません。
来週からのワールドグランプリの開幕が待ち遠しい限り。がんばれ! 『ニッポンの超新星』





今年の全日本女子チームはどんなチームになるのか? という問いに、ヨーロッパ遠征から帰国したばかりの柳本監督は「"新・3Dバレー"ができるんじゃないかな?」と答えている。果たして"新・3Dバレー"とは??

また、今年のメンバーにセンタープレーヤー(middle blocker)が多いことについては、「Bキャッチ(=やや乱れたレセプション)からでも、攻めていけるようにする必要がある。何かというと、Bクイックが多くなるということです」と。ということは、今年の全日本女子は、従来のようなセンタープレーヤーがライトに流れるワンレッグ攻撃を基軸にする攻撃スタイルを、遂に脱ぎ捨てるということになるのか?!

アテネオリンピック最終予選で柳本JAPANが見せた"3Dバレー"とは、セッターが前衛でアタッカー2枚の場面で、センタープレーヤー(middle blocker)がライトへ流れるワンレッグに入り、それと絡む形で後衛レフトがパイプ攻撃を見せるというスタイルだった。センタープレーヤー(middle blocker)がBクイックを基軸に攻撃を行うならば、"新・3Dバレー"とはアタッカー2枚の場面で、後衛レフトのパイプ攻撃だけでなく後衛オポジットのライトからのバックアタックも絡める「4枚攻撃」、即ち現在の男子バレーの基本攻撃スタイルのことであろうか?

いずれにせよ、やはりアテネオリンピック当時よりもさらに戦術面で「男子バレー化」を進めない限りは、日本に未来はないことは間違いない。それが今年の全日本女子に見られないようなら、今年も私は(たとえユウ・メグ・アサコのパイオニア勢がスタメンで出ようとも)非国民を貫くことになるだろう。

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2006年12月29日 (金)

Vリーグ・チームの顔

レゼンデバレーから頭を完全に切り換えて、V・プレミアリーグモードへ突入!
ってことで、12月28日発売の『V.LEAGUE 2007【チームの顔】』を早速見てみた。

ユウのインタビューがあり、それによると例の今年のサマーリーグでの「セッター挑戦」について触れられていた。

『V.LEAGUE 2007【チームの顔】』より引用

サマーリーグでは、バレー歴13年で初めてセッターに挑戦しましたが・・・(中略)・・・監督からは "絶対プラスになるから、自信を持ってやって" という話をされました。後になってわかったことですが、センターが二段トスを上げなければいけない約束事が出てくるので、その意味でセンターにトスを上げる練習をさせたかったようです。

やはり! 私の予想は当たったようだ! 吉田監督は組織的リードブロックを戦術として組み込むに違いない。 1月6日の開幕戦(JT戦)が今から楽しみで仕方ない。

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2006年10月29日 (日)

よくぞ言ってくれた! ヨーコさん

10月27日発売の『Number PLUS - Go Ahead! 永久保存版・全日本バレーのすべて - 』を購入してみた。

おなじみの(中西)美雁さんはじめ、たくさんのライターさんが執筆に加わっているのだが、今回「是非読んでみたい」と思ったのは、最近うちのリンク集にも(勝手に)加えさせてもらった「NOBYの地球ひとっ飛び 〜ブログ編〜」のNOBYさんが執筆に携わっていると、ご自身のブログ記事を読んで知ったことが大きい。海外在住ゆえ「世界標準レベル」のバレーを体感してらっしゃるライターさんならではの、鋭い切り口での「外国勢の紹介」が見られると期待したからだった。

しかし、読んでみると、(ご自身のブログでも書いてらっしゃるように)紙面の制約のせいもあり、私にとっては目新しい記述はほとんどなく、少し残念だった(その分、いつも通りの切り口での外国勢の紹介は、ご自身のブログの方で期待している!)が、唯一、各チームの「スタートローテーション」がきちんと記載されていたのがうれしかった。以前投稿したように、今回の世界バレーでは「男子の現在のトップレベルにおいて、スタートローテーションをどこから始めるのがトレンドか? また、その戦術を採る理由は?」という点に私は注目しているので、この記載は非常にありがたかった。

今回の『Number』において、最も読む価値がある記事は、都澤凡夫(現・筑波大男子監督)氏とヨーコ・ゼッターランドさんとの対談であろう。テーマは「世界に勝つためになすべきこと」、、、そうそう! よくぞ言ってくれました! ヨーコさん! 昨年のVリーグ中継の解説でも、パイオニアのリベロのマオがファーストタッチにジャンプパスを用いていた戦術に対して「これは、現在の世界ランク1位のブラジル男子ナショナルチームが取り入れている戦術であって、それを指示しているのがセリンジャー監督(当時)自身であるのは間違いない」と鋭く指摘してらっしゃったが、今回も期待通りの本音トークで、これは読む価値が高い。
特に、一番最後のヨーコさんの発言は、当サイト・ブログの設立意図と全く通じるものであり、私としては非常にうれしい発言だった(内容は敢えて書かないので、実際に購入して読んで頂きたい)。

その他、これまであまり表舞台に出てくることはなかった「アナリスト」にも紙面を割いて、美雁さんがインタビューを行っており、「データバレー」について、「言葉は最近よく耳にするけど、あまり実感としてよくわからない」という方には一読に値する記事だと思う(因みに記事に登場する『データバレー』という解析ソフトについては、こちらを参照のこと)。

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2006年10月10日 (火)

『女子バレーの女神たち』

今日は、いつもと趣を変えて、書籍を2つほど紹介。

『甦る全日本女子バレー 新たな闘い』・『100%の闘争心 全日本女子バレーの栄光、挫折、そして再生』に引き続き出版された、吉井妙子氏の全日本女子バレー関連書籍、、、『女子バレーの女神たち』を読んでみた。

確かに、ネット上でさんざん指摘されていたように、明らかに事実と異なる不正確な記述(特に、Vリーグ女子の決勝第3戦の、パイオニア優勝決定の瞬間のプレーなど)もあるのだが、私個人的には一応、「読む価値はある」本だと思う。世界バレーが近づくにつれ、(予想通りに)嫌気がさすほどアイドル的取り上げ方をされている各選手たちの本音が、少しながらも垣間見える本だと感じた。筆者の主観的記述は別にしても、インタビュー的に書かれている各選手の言葉は、事実からそう大きくねじ曲げられてはいないであろうから。特に竹下選手の「(低身長セッターの)私は繋ぎ役に徹した方が日本の(将来の)ためにはいいんじゃないか」といった発言や、イタリアセリエAリーグを経験した高橋みゆき選手の、「世界の視点から日本のバレーを見るようになった」などの発言からは、現在の「柳本JAPAN」にあって中核を担う選手たちが、今何を考え、葛藤しながらプレーしているのか? と想像を駆り立てられた。いつも戦術中心、すなわち「監督の視点から」語ることを意識している当ブログではあるが、その戦術を実行するのは「ただの駒」ではなく、選手という「一人の人間」である。あとがきにこうあった。

「女子バレーには中高年の隠れ男性ファンが多く存在する・・・(中略)・・・しかし、この層はバレーの試合会場には足を運ばない・・・(中略)・・・彼らが野球やサッカーを観に行くように、Vリーグや国際大会の会場に足を運んでくれたら、バレー人気にも本物感が生まれる。本書はそんな彼らの手引き書になることを願って執筆した。選手の人間性が分かれば、応援の熱も変わってくる。」

当サイト及び、当ブログは「戦術をみれるようなファン」が少しでも増えてくれれば、という思いで作っているが、戦術すなわち「監督側の視点」と、その戦術を実行する「選手側の視点」の両方が備わって初めて、「本当のバレーファン」が増えるのかもしれない。その意味で、(決してすべてを鵜呑みにせず、批判的態度も持ったうえでという前提で)一度読んで頂きたい。全体的な内容は前2作の内容と重なる部分も多いだけに、前2作を読んでらっしゃらない方にとっては、この1冊だけで前2冊を買わずに済むかもしれない。

もう一つ、こちらは一般の書籍店では購入不可能な『Coaching & Playing Volleyball(CPV)』の44号(2006年9/10月号)。特集が「勝利の方程式」と名付けられ、我がパイオニア・レッドウイングスの新監督である、吉田敏明氏の「データから勝利の要因を探る」も取り上げられており、こちらも一読に値する。

購入はこちらからどうぞ。

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