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2011年6月16日 (木)

「独りよがり」なトスは、誰のせい?

本日、少しだけサイズが小さくなった『月バレ』7月号が発売されました。

連載させて頂いている『深層真相排球塾』の方では、世界標準の攻撃戦術である、同時多発位置差攻撃に関して詳しく解説しておりますが、この戦術を繰り出すために極めて重要なカギでありながら、見落とされがちなのは、ファーストタッチを「高くゆっくり、アタックライン付近に返球する」というプレーです。





以前提示したこの動画も、やはりファーストタッチは「高くゆっくり、アタックライン付近に返球」されています。そうやってセットアップまでに時間を稼ぐことで、両サイドのアタッカーがセットアップ前に全力で助走を開始し、セットアップの瞬間に踏み切るという、真のファーストテンポの助走を行うだけの時間的余裕を持たせることに成功しているのです。その結果として、日本のブロッカー陣がものの見事に振られているのです。






そうした本質を見落として、「うわべだけ」セット軌道を真似ればいい、という発想に陥った結果が、この動画。





セット軌道だけ真似ればいい、なら別にアンダーハンドパスでセットしても構わないでしょ? ってか!?


・・・動画の解説です・・・

ラリー中、セッターの松浦(麻)選手がファーストタッチを行った場面。ボールを高くゆっくりとアタックライン付近に、手順通りに上げている松浦(麻)選手に対して、他のNECレッドロケッツの選手は不可思議な行動をとってます。

1人はブロックに跳んでワンタッチを取ったMBの内藤選手。リベロの井野選手のセッティングに「邪魔にならないように」と、その場から逃げるという行動をとり、自身が速攻を打つための助走動作をサボっていると同時に、後衛WSのガライ選手がパイプ攻撃に切り込む助走動作を邪魔しています。

これで、井野選手がセットするアタッカーは前衛両サイドの2箇所しかなくなっていますが、さらに井野選手自身のセッティング動作によって、自動的にライトにしか上がらないことがバレバレな動作になっています。アタックラインを踏んだ状態でのセッティングになったためにアンダーハンドパスを選択したのは許すとしても、「助走開始していない」前衛ライトの松浦(寛)選手に対して、「独りよがり」に軌道の低いセットを上げてしまっています。

松浦(寛)選手がタッチネットを犯してしまったこと、一見「はやく」見える攻撃なのにブロッカーにワンタッチをきちんと取られてしまっていること、どちらも、至極当然の結果です。

(以下参考文献)

『「トス回し」あるいは「トスワーク」について』(togettered by @dhalmel)

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コメント

こんにちは。
セットアップ、トス(パス)の軌道について《アタッカーの打点を活かしてるか否か》を意識するよぉになれたのは、私の場合パイオニアレッドウィングスの正セッターを長年務められた内田役子選手(現:日立リヴァーレ)のプレーぶりを観続ける事が出来たのが非常に大きかったです。
日本バレー界の現場が自らの攻撃テーマに《速さ》を追求してたのは解る気がするんです。『速さでぶっちぎってしまおう』と。但し、それと《低さ》をも一緒くたにしてる事には『何ンで???』という疑問が常にありました。日本人女子選手の場合でいうと《すばしっこさ》プラス、個人の《テクニック》で国内外での実戦を闘い抜いた高橋みゆきさんの存在が大きかったと思うのです。彼女の力量・技量はハイレベルであった事は確かだと思うのですが、彼女と同じプレースタイル《同じ打点》での攻撃を他の選手(特にサイド)にも求めた、と思わせる2005年以降くらいからの闘いぶりはマズかったと思います…。
攻撃面での《シンクロ》の実践については『ラリー中にはどれくらい続けて出来るのだろう』という思いがあります。コート上でのボールの行方によって個々のポジションどりや態勢が崩れる時もあるだろうし。チャンスボールの状況を導き出そうとする意識と、実際にチャンスが訪れた際の《嗅覚》と《動き直し》が一層求められるか、と私は思ってます。レッドウィングスの場合でいうと、ブロック効果によって手繰り寄せたチャンスの場面では手をバンバン叩きまくりながら団席からハイテンションで鼓舞しまくってる私です f^_^;

投稿: あか・ず・きん | 2011年6月16日 (木) 18時20分

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