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2011年1月25日 (火)

これぞ、ホームゲーム‼(大同特殊鋼 - つくば @桜総合運動公園体育館)

早朝に起床し、始発に近い新幹線で乗り込んだ桜総合運動公園体育館。駅周辺で寄り道を少ししたせいで、第1試合終了とほぼ同時の、昼ちょうどぐらいの会場入りとなった。

事前情報どおり出店がカレー屋さん1店舗のみでやや殺風景であったが、カレーとナンは美味しかった。何より、カレーを注文しながら、「これ、外で食べなあかんのやろうな・・・でも座る場所ないよな・・・」などと思いつつ、片手にカレー皿をうけとりその姿のまま、とりあえず入り口に座っていた係員? のおばちゃんにSunGAIAのパートナー会員証を見せて・・・なんてしていたら、誰も何も言わずに、その姿のまま中へ通され、あれよあれよと観客席まで到着してしまうという、何というか、そのお手軽さが嬉しかった。

さて、試合の方に移りたいと思う。因みに、エントリーにはできなかったが、今シーズンの開幕以来のSunGAIAの戦いぶりとそれにまつわるあれこれについて、その都度Twitterではつぶやいていた。

1月9日~10日 V・チャレンジ男子 2010/11 開幕2連戦 @ジェイテクト体育館

この日はこれまで全勝で、今後を考えても間違いなく優勝争いの上で強力なライバルとなるであろう大同が相手。大同は裏レフト(バックオーダーにおける、いわゆる"5"のポジション)に配される辰巳選手が、ライトから攻撃するのが得意なためか? S4(=セッターが前衛レフトのローテーション)の前衛アタッカー2枚の状況でのレセプションアタックでは、彼が前衛ライトから攻撃参加し、前衛レフトから攻撃するアタッカーがいない代わりに、後衛で彼の対角の倉田選手が後衛ライトからバックアタックを打つという攻撃パターンを基本としている。しかも、レセプションは後衛の倉田選手と同じく後衛に位置するオポジットの川波選手とリベロの3人で担当し、川波選手はユーティリティタイプのオポジットで、バックアタックには基本的に参加しないため、S4で後衛レフトの倉田選手がサーブで揺さぶられると、自動的にセットは前衛ライトの辰巳選手に上がる確率が高くなる。先週のヴェルディ戦では、この戦略によってこのローテーションで連続失点をするケースが目立っていた。まず、第1セット。この大同の弱点をSunGAIAがきちんとつけ込み、セット中盤で連続得点を稼いで一気に引き離して、25-19で先取。しかし、この日の試合前の練習を見ている段階から何となく胸騒ぎがしていた予感が、第2セットに入って的中してしまう。これまで無類の高さで相手ブロック陣を2〜3枚「コミット」せざるを得ない状況に追い込んでいた、出耒田の「ファースト・テンポ」のAクイックが、この日は練習から今ひとつ、セッター前田と息が合っていなかったのだ(この日の前田は、セットが少し低くなりがちだった)。序盤こそ第1セットの流れでリードするも、レセプションアタックで出耒田のクイック1本でサイドアウトが取れないSunGAIA。ラリーに持ち込まれると、ことごとく大同の両サイドのアタッカー陣にブロックアウトで弾かれて、徐々に流れが大同へ傾き、セット中盤で大同が逆転。その後一進一退の攻防が続き、競り合いのままセット終盤へ。つくばが再逆転して先に23点に到達し、ここで決めれば勝負あったかと思われた加藤のC1攻撃が、前田のセットがここでも少し低くなって大同の1枚ブロックにつかまり、嫌な流れで迎えた大同の小林選手のスパイクサーブ。この場面でそれが炸裂して、大同が再度逆転して先にセットポイントを迎える。それは何とか凌いでジュースに持ち込む粘りを見せたSunGAIAだったが、結局は27-29で大同が取り返し、セットカウント1対1。

迎えた第3セット。嫌な流れを断ち切りたいSunGAIAだったが、セット開始早々にマサのC1がまたまた前田のセットが低くなって、大同のブロックにつかまり、第2セットの流れのままで試合が進む。SunGAIAはここで、セッターを前田から矢野に交代。矢野は開幕2戦目の対ヴェルディ戦の第3セットまではずっとスタメンだったが、その日の作為的としか思えない誤審の連続のせいで第3セット途中で交代させられて以来、一度もコートに立っていなかった。そのため、この場面での登場は緊張を強いられたであろうが、実に落ち着いてプレーし、セット中盤まで一進一退の攻防が続いた。SunGAIAは強烈なスパイクサーブで攻めたてるが、大同のレセプションが一向に乱れず、ブレイクのチャンスが訪れない。ラリーが続けば、最後は大同の両サイド陣に第2セット同様、ブロックをはじき飛ばされてしまい、SunGAIAとしてはイライラが募る展開。ついに集中力が切れそうになり、19-23と絶体絶命のピンチ。サイドアウトを何とか取って、20-23とするとここで訪れたのは、例の大同がS4のローテーション。このチャンスを逃すまいと思ったか、ここで加藤がアリーナエンド側に集結していたチームサポーターに向かって、「立ち上がって声援してくれ!」と体でジェスチャー。更にベンチも勝負に出る。前衛レフトに上がってきたオポジットのマサを勇誠に代え、そのまま前衛レフトでプレーさせる。加藤のジェスチャーに応えて立ち上がったサポーターたちの声援を背中に、SunGAIAはここで連続ブレイクを重ね、会場は異様な雰囲気に包まれる。アリーナサイド側の観客や2階スタンドの観客に対しても加藤は、立ち上がるようジェスチャーを執拗に繰り返し、2階スタンドにいた私も思わず立ち上がった! 会場に詰めかけた観客とまさに一体となって大同を追い込み、何と一気に連続5得点で逆にセットポイント。連続得点はそこで途絶えてジュースには持ち込まれたものの、その勢いのまま26-24でSunGAIAが奪うと、もう会場はお祭り状態。第4セットは、それまで全く切れなかった大同の緊張の糸が切れてしまったのか、勇誠や椿山のスパイクサーブが面白いように大同コートに突き刺さり、一気に20-9。試合は完全に決まってしまった。セットカウント3対1、大同は初黒星。


朝早くに新幹線に飛び乗って、大正解だった。初めての経験だが、本当のホームゲームとは、こういうゲームのことを言うのではないだろうか? 確かに、試合後のファンサービスやサイン会もファンにとっては嬉しいイベントだが、でもファンが一番望んでいるのは、チームと一体になって戦うこと、そして勝負に勝って、選手と一緒に勝利の至福に浸ること、のはず。そのことを全く違う状況で感じた2年前の日帰り遠征が、否応なしに思い出された・・・SunGAIAのファンになって、法人会員になって、本当に良かったと思った。

恐らくこの日、SunGAIAを見に桜総合運動公園体育館を初めて訪れたファンのほぼ全員が、「またもう一度、この体育館に観戦に来たい」と思ったはずだ。たとえ出店がカレー屋1店しかなかったとしても、DJなんかいなくても、鳴り物の応援による先導がなくても、中にいる選手の意識ひとつで、ここまでのことができるのだ! これこそが、真のホームゲームの姿だろう!

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2011年1月12日 (水)

『月刊バレーボール』1月号を読んで・・・(その2)

随分と遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
本年も、当ブログを宜しくお願いします。


さて、前回の続き。
コメント頂いたS2HARAさん、kaz10000さん、そしてakikomizさん、ありがとうございました!

そう、皆さんお気づきの通り、男子の世界トップレベルにおけるブロック戦術の変遷の中で、リードブロックに有効な真の「はやさ」というのは「ファースト・テンポ」を単に意味するのではない、ということを、前回の動画は雄弁に物語っている。「個人技術」としてのリードブロックに対する有効性を追求して20年以上も前に生まれたファースト・テンポのパイプ攻撃(bic(k))だったが、その後ブロック戦術が「組織化」するにつれ(=バンチ・リードブロックシステム)、「単独の」ファースト・テンポでは残念ながら効果は乏しいといったん判断された。しかし、その誕生から約10年の歳月を経て、組織的リードブロックシステムに対して最も効果を発揮する「はやさ」が実は、ファースト・テンポの攻撃を複数のアタッカーが同時に仕掛けるという「シンクロ性」にこそあるという真実が、導き出されたのだ。





昨年のイタリアで開催された世界選手権男子大会での映像。日本で間違いなく1・2を争うブロック技術を持つ富松選手がゲスブロックに陥り、アルゼンチンのセッター・デセッコに見事なまでに振られている。これを見て、日本のバレー関係者は十中八九、「相手アルゼンチンのセッターの、速いトス回しに振られた」と表現することだろう。しかし、組織的リードブロックシステムを敷く日本のブロック陣が、ゲスブロックに追い込まれた時点すなわち、セットアップよりも前に相手の前衛レフトの選手にトスが上がるとゲスして動き始めた時点で、既に「振られて」いると言えるはずだ。ポイントは、組織的リードブロックシステムを敷くブロッカー陣が「リードブロックでは対応しきれない」となぜ判断したか? にある。セットアップ前にそう判断させられたのだから、「速いトス回し」に振られた訳では決してない。そういう判断に追い込んだのはセッターではなく、セットアップ前に全力で助走し、打つ気満々でセットアップの瞬間に踏み切って空中に飛びあがらんとする、アルゼンチンの前衛レフトのアタッカーなのだ。そしてその前衛レフトのアタッカーとほぼ「シンクロ」して、前衛ライトのアタッカーがセットアップ前に助走を開始し、セットアップの瞬間に踏み切ろうとしている。アタッカーが「シンクロ」して「踏み切って」いるからこそ、ブロッカーがセットアップを確認してから「踏み切った」のでは「二兎を追う者一兎も得ず」状態に陥るのだ。ファーストタッチがアタックライン付近に上がった、いわゆる「Cパス」であるにも関わらず、ブロッカーがこれだけ見事に振られてしまうような攻撃を組み立てられる、これこそが真に「はやい」攻撃と呼ぶべきだろう。更にこの「シンクロ」を、セッターとリベロを除いたコート上の4人のアタッカーで繰り出せば、3人が最大数のブロッカーでは数の上で絶対に対応できなくなる。「どこにトスが上がっても2~3枚ブロックを揃えられる」ことが、最大のメリットであるはずの組織的リードブロックシステムが、その根本から崩れ去ってしまうような「はやい」攻撃・・・それは「4人のアタッカー」が、「同時多発(=シンクロ)」で、ファースト・テンポのタイミングで「助走し」、時間差でなく「位置差で」攻撃を仕掛ける組織的攻撃戦術であり、それを「速いトス回し」と捉えるのは本末転倒なのだ。





こうした本末転倒な認識が、とどのつまり「リベロがラリー中にアンダーハンドでセットアップを行う」という「決めごと」を「日本のオリジナル」戦術として堂々と認めてしまうという、素人でもちょっと考えればわかるような、矛盾した戦術に行き着いてしまうわけだ。そしてそれが地上波中継を通じて軽々しく連呼され、何も知らないにわかファンや世界のトップレベルのバレーボールを見る環境にない中高生プレーヤーにまで、さも「アンダーハンドでのセットアップにメリットがある」かのような誤解を招く、そういう悲劇に繋がってしまいかねない。これは何としても避けなければならない!


既にネット上では、今回の『月バレ』1月号を読んでの感想が、あちらこちらで語られている。まずは、前回のエントリーにトラックバック頂いた『てっぺー's EYE』からご紹介。

『てっぺー's EYE』より引用

リベロは、アンダーでやっていればよい。
アンダーの精度が何よりも重要だ・・・。
そんな間違った情報を子どもたちに植えつけられてしまいそうで、いかがなものかと考えてしまいます。
選手のバレーボール人生の過程においても、戦術の発展においても、「リベロのアンダーでのトスアップ」は、積極的な採用ではなく、やむなしの緊急事態回避の手段であるはずです。

・・・(中略)・・・

末端や底辺・・・ジュニアや中高校生バレーボーラーたちに、リベロはオーバーをやらなくてもよい、という間違ったとらえ方をしてほしくないという願いただひとつです。
全日本には、その影響力の大きさに自覚と、日本のバレーボーラーに果たせる貢献を知ってもらいたいです。


続いてはこちら。

『MAMIANA☆Miracle Memories』より引用


佐野選手のアンダーセット(トス)についても、書こうかと思ったけど・・・
アタックライン後ろから、オーバーよりも、ネットに近いとこから、ネットに平行気味にアンダーのほうが・・・とか、そんな感じのことが書いてあったような感じだったけど・・・とにかく、それ以前の問題ですよね
全くシンクロの概念がないですよね・・・結局、サイドのシングル、せいぜい意味のないレフト時間差のダブル(コンビ)に、なってしまうってことですよね? 

・・・(中略)・・・

一言で表現すれば、シンクロするには、オーバーじゃなきゃ無理では?ということです。


そして最後に、Twitterでの白熱の議論。

リベロのセットの話(togettered by @P206RC)


『月バレ』1月号を読んで、同じ思いを抱いた方々がこうして、声を上げてくれたお陰で白熱した議論は、間違いなく『月バレ』編集部にも届きました。今月15日発売の2月号より、「日本のオリジナル」を科学的に検証する連載コーナー『深層真相排球塾』がスタートします!

最近全くレス出来ていなくて恐縮ですが、、、当ブログに頂いているコメント含め、Twitterでの有意義な議論、先ほどご紹介した『てっぺー's EYE』のような現場からの貴重なご意見などなど、ファンの方々のバレーボールに対する熱い思いを、少しずつですが地道に着実に、還元していくことのお手伝いができたら・・・と思い、編集部からの今回の依頼を引き受けました。




是非ご覧頂き、質問・感想頂ければ嬉しいです。まずは『月刊バレーボール』2月号、ご購入よろしくお願いします!

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