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2010年4月17日 (土)

テンポの実測値

アンドレ・エレルの31(ロングBクイック)。テンポは0.7秒。
アナウンサーが思わず「高くて早い!」と叫んでいるところが、本質を見事に突いている。
従って、ファースト・テンポの目安は0.7秒以内が妥当なところ。


ジバのファースト・テンポのパイプ攻撃。テンポは0.64秒。


ダンテのファースト・テンポのパイプ攻撃。テンポは0.66秒。


ポーランドだって負けてません。シフィデルスキーのファースト・テンポのパイプ攻撃。テンポは0.7秒。


ユキからリーへの51。テンポは0.87秒。これは、ほぼファースト・テンポでしょう、どう見ても。
「はやくてブロックの完成前に打てる」攻撃は、決してブロックの横(ストレート側)をボールが抜けていくのではなくて、あくまでブロックの「上を抜けていく」高さが必要だということが実感できる映像。


ユキからメグ(栗原)への32。テンポは0.86秒。ユキが決して高くないセットアップ位置から、ゲスしてしまっている東レの荒木選手を嘲笑うかのような、見事なセットを上げている。ボールはセットの描く放物線軌道の頂点を通過して明らかに落ちてきているので、これはセカンド・テンポ。


ウラズリーのC1。テンポは0.87秒。これはファースト・テンポ。


こうして見てくると、0.8秒台のテンポが、ファースト・テンポとみるかセカンド・テンポとみるかが微妙な範囲。従って、セカンド・テンポの目安は0.9秒以上。


但し、何より大事なことは、"テンポ"の本質は「何秒か?」ではないということ。本質は「セットの描く放物線軌道の頂点位置」にある。

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コメント

 動画だとわかりやすいですね。興味深く見させていただきました。書籍では表現が難しいというのもありましょうけれど、この「テンポ」という視点からの考察は、一般向けの技術・戦術本ではあまり主題として取り上げられてはいないように思います。
 一般向けレベルだと、まず、サーブはこう打ちます、レシーブはこうします、トスは・・・というように個別の技術要素から入っていくことが多いようです。もちろんそれも大切なことではありますけれど、個別の技術要素にこだわる意識がちょっと強すぎるような気がします。
 バレーボールというゲームの本質は何か?その捉え方も決して1つではないでしょうけれど、攻撃であれば「ボールを3タッチ以内で、相手コートの床に落とすか又は相手に弾かせる」ということになると思います。それが本質ならば、例えばこのように「トス-スパイクのテンポ」を課題(目的)とするのが先決ではないかという気がします。スパイクやトスのフォーム(手段)を研究していくのはそれに次いでのことだと思うのです。しかし、どうも個別要素のフォーム固めの方が優先されて、目的と手段が混乱しているような風潮を感じるのですが、実際の現場ではどうなのでしょう。

投稿: one of No.33 | 2010年4月29日 (木) 00時17分

>one of No.33さん

いつもありがとうございます。

>この「テンポ」という視点からの考察は、一般向けの技術・戦術本ではあまり主題として取り上げられてはいないように思います。

もう少し、ほんの少しお待ち頂けますか?
最近ぜんぜん更新できていない理由が、もう少ししたらお話しできますので(笑)

期待していてください!

投稿: T.w | 2010年5月 4日 (火) 19時20分

トッププレイヤー達の技術が同時に動画で比較でき、とてもわかり易く、参考になりました。

これからチームの戦術を考えるにあたって、この「テンポ」について、自分なりにもう少し深く掘り下げて考察してみたいと思います。

投稿: ばれーぶ | 2010年5月 5日 (水) 18時30分

T.wさん

こんにちわ。
ちょっと時間が空いてますが、今朝「はっ」と気づいてしまったので、書いてます。このテンポの説明ですが、文系の僕はすっかり中学や高校の全く分かっていない物理の授業を思い出してしまい(しかもバレーはど素人だし)、今までは読んでもイマイチわからなくて。

で、今週地元(シアトル)大学のセッターが週刊MVP賞みたいなのをとったのですが、あまりにも地味な選手過ぎて、アメリカのバレー掲示板では意見が分かれたりしていて。そのチームには184㎝ぐらいの4年生(最上級生)の選手のスパイク決定率が凄いのですが、そのスパイクが高くてスッゲージャンプ力だなーなんて感心して見ていたのです。で、もちろんジャンプ力も凄いのですが、このテンポシリーズで話されている、良いトスは打つ直前にボールが止まって見えるってどこかで読んだのを思い出して。そうなんですよね、そのセッターのトスをその選手が打つときに確かにトスが一瞬止まったかのように見えて、その瞬間に最高到達点(またこの選手の滞空力というのも凄いのですが)で打つんですよね。

確か、監督は物理もコーチングに取り入れていると聞いたので、あ、なるほど、こういうことをきっとセッターに教えているんだろうなと納得してしまいました。確かに、このセッターは特に何が凄いという選手ではない(この選手の前の4年間のセッターはアメリカ代表としてプレーもしているトンプソン)のですが、このテンポシリーズを今朝イメージとして理解できた時点で、このトスの質がいいんだなと、初めてイメージと理論が一致しました。ありがとうございます。

聞くところによると、シーズンが始まると、日曜の朝(こちらでは木・金/金・土に試合)3時間もセッターにその週にあった試合の分析とその週の試合の戦略を監督と2人でしているとか。

おそらく、今控えセッターにいるノリエガ選手は将来プエルトリコ代表にでてくるんじゃないかなーと思っています。なんせ、この監督のバレー理論を叩き込まれるわけですから。現プエルトリコのセッターは結構いいですけどね。

投稿: ダゴ | 2010年9月23日 (木) 03時13分

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