« コヨミちゃんで行こう!(久光製薬 - パイオニア) | トップページ | 祝・連敗脱出(パイオニア - シーガルズ)(その2) »

2010年2月 1日 (月)

祝・連敗脱出!(パイオニア - シーガルズ)(その1)

シーガルズは決して強いチームとは言えないが、トランジションでの攻撃システムに関してはV・プレミア女子の中でとりわけ意識が高いチームであり、チームの戦術面での完成度が低い状態で戦うと、こてんぱんにやられかねない相手である。実際昨シーズンは、オリンピック直後で全日本選手を主力に抱えたチームがこぞって、開幕当初はチームの完成度が低かったため、シーガルズは1レグで2位と好発進をしている。その意味では、ようやくセンター陣2人のブロックでの動きが、V・プレミアレベルとして最低限のところまでは到達したパイオニアにとって、現時点でのチームとしての組織力を計るには、シーガルズは格好の相手と言えるだろう。競り合いに持ち込めるか? はたまたあっさりとやられてしまうのか? 期待と不安を両方抱えながら、会場に向かった。

試合開始早々、この日はサイド側からの観戦だったためわかりにくかったが、シーガルズの両サイドの攻撃に対して、ブロックが全く機能せず。抜かれ放題だわ、フェイントを落とされまくるわ・・・、序盤から大量リードを許してしまった。中盤以降徐々に、シーガルズの攻撃に対するブロックが揃い始めて長いラリーが続くようになるが、トランジションでの決定力は今はシーガルズの方が一枚上。序盤の大量リードの点数が取り返せずに、そのまま18-25で第1セットを落とした。続く第2セット、前セットの二の舞は踏みたくないと、コヨミが序盤からイクを効果的に使って、シーガルズを走らせない。競り合いのまま中盤に入ると、ここからメグ(栗原)のスパイクサーブが炸裂して、一気に流れをつかみ、単調になった相手の両サイドの攻撃にブロックが揃って、岡野選手をベンチへ退かせた。このセットは逆に25-18でパイオニアが取り返した。

続く第3セット。ここにいくつかの勝負の綾があった。まずシーガルズは、前セットでレセプションを乱され単調になって止められた両サイドの攻撃に対する打開策として、レフトでスタートしていた福田選手をライトへ回し、代わりにレフトに川畑選手を入れてスタート。序盤から第1セットの再現のように、パイオニアのレセプション含めたレシーブが乱れて、シーガルズが走り出す。一方のパイオニアは、前セット同様にブロックで食らいつき、村田・川畑両レフト陣にスパイクをなかなか決めさせず、トランジションでレオが前日の久光戦同様に、コヨミと息のあった助走を見せ始めて、強打を連発して対抗。しかし、山口・森両センター陣のブロード攻撃がパイオニアのブロック網に掛かっていたのと対照的に、福田選手のブロード攻撃は全くブロックに掛からず、シーガルズが主導権を渡さない。身体にキレが戻ってきたレオと対照的に、前日同様調子の上がらないメグ(栗原)が苦しい場面でスパイクミスを重ねてしまい、18-25で第3セットはシーガルズに奪われてしまったが、このセット終盤にもう一つの勝負の綾があった・・・。点数は忘れてしまったが、終盤メグ(栗原)のスパイクミスが重なる中で1本、本来の彼女らしいスパイクが見られたのだ。それは、空しくもエンドラインを割ってやはりミスとなってしまったものだったが、見事に高い打点でボールをとらえて、ブロックの上を抜いたスパイクであり、それまでの試合でテレビで何度も映し出されていた、自信なく助走を始め中途半端な低い打点でブロックにまともにシャットされていたスパイクとは全く違うものだった。コヨミのレフトへのセットが、レオだけでなくメグ(栗原)にとっても、本来の高さを活かせるセットになってきたということが、実感できた瞬間だった。

|

« コヨミちゃんで行こう!(久光製薬 - パイオニア) | トップページ | 祝・連敗脱出(パイオニア - シーガルズ)(その2) »

コメント

はじめまして。
私はバレーは素人なのですが気になる事があります。
栗原選手のスパイクのフォーム、打ち方?です。
高い打点で打ちたいた為なのでしょうが
(実際は低い打点になっていると思うけど。)
頭の上で上で打つ為顎が上がり右肩を上げるため首は左に倒れ
左肩も下がり自分の狙っているコースには打てないんじゃ無いか?ボールに力が伝わらないんじゃないのか?。

スパイクをした時の栗原選手の右手の指が上を向いたまま
(窓ふきをしてるみたい)も気になります。
腕を振り切れないのでスイングスピードも遅く、
肘にも負担が掛かるような気がします。
指でボールを押しコントロールをするものじゃないのですか?

でも日本代表選手だからフォームとかも科学的に調べてると
思うので今のままがいいのでしょうね。

投稿: あ!?タッカー | 2010年2月 2日 (火) 11時29分

レポをありがとうございます!
やっと連敗脱出したこの試合、どんなだったのか
気になって気になって。若手もレオたちベテランも調子が上向いてきているので、ぜひ1勝を積み重ねてほしい。
レポ2を心待ちにしています!

栗原選手のフォームもそうですが、整列したときに後ろから見ると、右肩が下がっているような・・・。体のバランスが気になります。

投稿: bitterSweet | 2010年2月 2日 (火) 18時22分

>あ!?タッカー さん

初めまして。重要な点をご指摘いただき、ありがとうございます。

あ!?タッカー さんは「素人なのですが」とご謙遜されてらっしゃいますが、実はご指摘の点は、バレー経験者ですらも同じように感じている人が多いように感じます。

栗原選手の、このスパイクフォームのことですよね?


まず1点目。

>頭の上で上で打つ為顎が上がり右肩を上げるため首は左に倒れ左肩も下がり

これには、肩関節の「ゼロ・ポジション」の理解が必要です。
『へりくつバレーボール』にオリビアさんが投稿されている、すばらしい解説があります。


続いて2点目。

>右手の指が上を向いたまま(窓ふきをしてるみたい)も気になります
>指でボールを押しコントロールをするものじゃないのですか?

これは、当ブログ開設当初に彼女のスパイクサーブの特徴として挙げた点なのですが、実は、最近の世界のトップレベルの選手、特に強烈なスパイクサーブを打つ選手が大抵そうなのですが、ボールが「無回転」であることに意味があるのです。

そして、これも『へりくつバレーボール』にオリビアさんが投稿されてらっしゃいます。

以下のURLから是非御覧下さい。


http://www.geocities.co.jp/Athlete-Athene/7907/kikou/kikou.html

2点目の方は、『「スナップ」とボールヒットについて』です。


大事なのは、こういう誤解が、バレー経験者含め、トップレベルの選手や指導者にまでも、浸透しているという点です。そういう意味で、バレーボールは、他のスポーツと比して、科学的観点が劣っていると言わざるを得ません。


因みに、私が記事中で伝えたかった内容は、栗原選手のスパイクフォームの問題ではなく、あくまでセット(トス)の問題です。もう一つ、日本のバレー界で問題だと思う点は、スパイクがうまくいかないときに、すぐにアタッカーのフォームの問題にされてしまいがちな点です。確かにB級レベルではそういうことも多いかもしれませんが、V・プレミアレベルになってくれば、大抵はそれはアタッカーのフォームの問題ではなく(決して栗原選手含め、アタッカーのフォームに問題が全くない、と言っているつもりはありませんので悪しからず)、セットの軌道に問題があって、アタッカーが本来の持ち味を発揮できていないことが多いと思います。

投稿: T.w | 2010年2月 2日 (火) 20時33分

栗原がアタックをする時の手の当たり方はほとんどのプレーヤーと違うと思います。

ですから逆に手の全体にボールを当ててパン!と音を出して叩くような打ち方や細かなコース打ちを彼女はできないと思います。そういう癖だと。

ですから誰もマネできないし、する必要がない。

オリビアさんがどこかで書いていたと思いますが、彼女は強打しすぎて「手首周辺が痛い」と書いています。ソレがトップの打ち方だとは私は思いませんし、セットの軌道だとも思えません。

投稿: bubi | 2010年2月 3日 (水) 15時58分

T.w 様『へりくつバレーボール』
読ませて頂きましたと言うよりは見させて頂きました。^^;
>ゼロ・ポジション
パスカル選手のゼロ・ポジションでのボールヒット写真
(綺麗?インパクトのある)を見ました。
右肩が上がり左肩が下がっている状態が理想の形に
近いのですね。頭の位置、顎の向きを含めて。
トスの角度、コースにもよるのでしょうが写真のような
フォームで栗原選手がスパイクができればいいですよね。
実際には「スナップ」とボールヒットについて』にある
ジルソン選手の連続写真、ボールヒット時の手の角度を
除けば。栗原選手のフォームはこっちに近い?
ジルソン選手のスパイクは凄いらしいのに。

「スナップ」とボールヒットについて』
写真、図真を見させて頂きました。^^;
私の思っていたイメージに近かったです。
>指でボールを押しコントロールをするものじゃないのですか?
私が言いたかったのは手首を背屈してから掌屈してほしいわけじゃないのです。説明が下手ですみません。
1ページ目のスナップのないスパイクの図にある、指が
ボールの上に覆ってなくても図のボールヒットの角度、
手首の角度で”腕を下に振り切れば”良いと思っています。
ボールの上を指で覆って(ボールに触っても触らなくても腕を下に振れば指に当たると思うけど)腕を下に振り切って
打った方が良いとは思っていますが^^;
私の言いたかった栗原選手のスパイク時のボールヒットの
手の写真、図がありました。
「ジャンプフローター(無回転)サーブ」これです。
手根部だけをボールに当てるような時もあり。
この打ち方でスパイクを狙ったところに打つのは
難しいですよね。
本当にこのままでいいんでしょうか。

私は栗原選手はもっともっと凄い選手になれる、
ならなければいけない選手だと思っています。
イタリアにストレートで勝った試合の第2セット、自分で
サーブレシーブをして大きなストライドで助走して
レフトから打点の高い、ボールを上から叩くスパイク
(スナップぽいけど)
これを見たとき「やっときた」となぜか思ったのを
覚えています。

長々と失礼しました。

投稿: | 2010年2月 5日 (金) 01時10分

>bitterSweetさん

お久しぶりです。
(その2)の方も楽しんで頂けたでしょうか?

今シーズンは、あと観戦できそうな試合は、姫路と神戸の2連戦しかなさそうですが、精一杯応援して、その模様はしっかりお届けするつもりです。天童での試合前に、連敗が止められて、しかもチームが一つになった感じが実感できて、本当に期待していいように思いますよ。

投稿: T.w | 2010年2月 5日 (金) 23時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/105977/47446511

この記事へのトラックバック一覧です: 祝・連敗脱出!(パイオニア - シーガルズ)(その1):

« コヨミちゃんで行こう!(久光製薬 - パイオニア) | トップページ | 祝・連敗脱出(パイオニア - シーガルズ)(その2) »