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2009年9月21日 (月)

「バンチリード」・・・言葉だけが一人歩き・・・(その3)

『area71』より引用


 日本語でのバレーボール専門用語の貧弱さ、 状態を説明しきれないことにもどかしく思われることはありませんか?


 そして、外来語をさもあらんと使っているコーチの方々をみて私は、何だか“ルー大柴”や“長嶋茂雄”のように感じてしまう私は失礼でしょうか?


開設以来ずっと、難しい英語の専門用語を振りかざしまくってきた当ブログだが、決して「専門用語を押しつける」つもりは毛頭ない。ただの1ファンでしかない私でも、日本のバレー界にとって何か出来ることはないか? と考えたときに、バレーの戦術に関わる用語の意味するところを深く掘り下げて考えていくことによって、日本のバレーボールの進むべき道が見えてくる可能性があるのではないか? と思っているのだ。


『日本(だけではないが)のサッカーについて私も言いたい』より引用


もう一つつまらないというか「どうでもいいですよ」と言いたくなることですが、先日のVプレミアの決勝で植田監督の解説でやや気になったことがあります。

これについては他の方も言及してらっしゃいますが、「今は外国ではサーブ・レシーブとは言いません、レセプションと言います」という言葉です。

自分はバレーの専門家ではなくど素人ですし、第一こういう言い方はあまり好きではないので、自分もそういうことは言いたくないのですが、たとえば下の三つのリンクなどを見ていただければ少なくとも「今は外国ではサーブ・レシーブとは言わない」というのは間違いであるということはわかっていただけると思います。



確かに「外国ではレセプションと言う」のは事実であるが、それをファンや指導者・プレーヤーに強要したところで、何も産まれないと思う。本質は、日本で「レシーブ」という言葉(概念)が、守備に関わるプレー「全て」を意味するのに対して、海外(少なくともアメリカ)では、"receive"(あるいはその名詞形である "reception")が、相手のサーブを「レシーブする」こと「のみ」を意味するという点だ。つまり、"receive"(レシーブ)であっても "reception"(レセプション)であっても、それは文法的に「動詞」である "receive" と「名詞」である "reception" の違いしかなく、実際的にはどちらを使おうが誤解も何も生じないのだ。従って、むしろファンや指導者・プレーヤーに伝えるべき点は「今は外国ではスパイク・レシーブとは言いません、ディグと言います」という事実であろう。恐らく海外では、いわゆる「サーブレシーブ」とそれ以外の守備に関わるプレー・・・特に「スパイクレシーブ」を、別々の概念として捉えているのだろうと推測できる。言語学的に解釈すれば恐らく、サーブ "serve"(名詞形は "service")と対をなすものが "receive/reception" であって、スパイク "spike" と "receive/reception" は対をなさないから、ということになるのであろうが、そんな理解では英語圏の文化理解には繋がっても、バレーボールというスポーツにおいて、ファンや指導者・プレーヤーに役に立つ解釈法ではないだろう。これは私個人の勝手な解釈だが、きちんとセッターへ返して「当たり前」と考えられるプレーこそが "receive/reception" であって、「スパイクレシーブ」のように「はじかれて当たり前」で、真上にさえ上げれば「OK」、きちんとセッターへ返せば「出来過ぎ」と考えられるプレーは "receive/reception" ではないから、という捉え方をすればどうだろう? そのようなものの考え方・捉え方をすれば、きちんとセッターへ返せば「出来過ぎ」と考えられるディグを、如何にして「当たり前」に近づけるか? という点がチーム強化のための重要な鍵となる、という発想に繋がるのではないだろうか? 「奇跡的な」ディグへのはかない希望などきっぱり捨て去って、組織的なブロックシステムとディグの連携を図ることで「当たり前に」ディグを上げる確率を高めるという、海外勢のチーム強化方針に直結していくのではないだろうか?


他にも例えば、「リバウンドを取る」というプレー表現があるが、現在の日本ではこの言葉を聞いた人は十中八九、「アタッカーが敢えて強打をせずに、相手チームのブロッカーの手に緩くボールを当てて、自チームのコート内へボールが返ってくるようにする」プレーを思い浮かべるであろう。つまり、日本では「リバウンド」という言葉(用語)は「アタッカー目線」の言葉として使われていると言える。しかし、バレーの国際大会における技術集計システムである "VIS"(Volleyball Information System)で定められたスコアリングシステムを見ていると、ブロックの記録の中に "rebound" という言葉(用語)が登場する。そこから「リバウンド "rebound"」という言葉(用語)は、恐らく本来は「ブロックに当たった後にラリーが継続すること」という意味で「しか」ないのであろうことが推測できる。ひょっとすると海外では「リバウンド "rebound" を取る」という表現は、日本とはまるで逆に、「ブロッカーが相手チームのアタッカーの繰り出した強打に対してワンタッチを取る」という「ブロッカー目線」の言葉として使われている可能性もありうるだろう。いや、たとえ海外でそういう意味で使われていなかったとしても、私個人としては(その2)で書いた「バンチ・リードブロックシステムが目指すところは、ワンタッチを確実に取って直後のトランジションでの攻撃で得点を取りに行くことだ」という意識付けのためにも、是非とも「リバウンドを取る」という表現を「ブロッカー目線」の言葉に変えたいと思い始めている。以前『"コンビバレー"という言葉は消し去ろう!』というエントリーを書いたが、それもまさに意図するところは同じであって、言葉(用語)はそれとして客観的な意味があるだろうが、それをどう使っていくか? あるいは如何に使わないようにするか? あるいは変えていくか? それによって、バレー界の底辺からでも、トップレベルの進む道を誘導していける可能性があると思うのだ。


そのために、せっかく急増している戦術を語れるファンの皆様と、是非有意義に議論が出来たら素晴らしいと思っている。以下に、これまで紹介していなかった、新しい「戦術を語る」ブログを紹介しておきたい。


・参考記事(その1):『Stay Foolish』VISについてまとめてみる
・参考記事(その2):『歩観n普及』ポジションの名前

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コメント

トラックバックありがとうございます。
古い記事なので、当時の心情と若干違いがあり、削除しようかと思いましたが、一度発言した責任があるので限定に修正して残しました。


バレーは、特に戦術にかかわる部分、個々の技術が戦略にどうかかわるのかを掘り下げた書物が無いと思います。

そういった部分から認知を広げることも大事なことだと思いますので、T.wさんには期待しています。

投稿: area71 | 2009年9月22日 (火) 03時01分

アメリカでは、サーブを返球することをサーブレシーブ(レセプションでも通用しますが通常使用しません)。
スパイクを返球?することをディグ。
ダウンボールおよびフリーボールを返球することをパスと呼んでいます。

オーバーハンドパス、アンダーハンドパスという表現はあまり使いません。全てパスと表現するのが基本です。オーバーヘッドパス、フォアアームパスや、オーバーハンドパス、アンダーハンドパスでも理解は出来るようです。

ちなみにローテーションの呼び名もセッター位置で表現するS1~S2ではなく、日本と同様R1~R6となっています。

ちなみに、ポジションはOH(アウトサイドヒッター)OPP(オポジット)S(セッター)MB(ミドルブロッカー)L(リベロ)となっています。

USA情報でした。

投稿: こんばんは | 2009年9月22日 (火) 15時00分

>area71さん

引用したかった内容は、area71さんのブログの他の記事中にもあったと記憶するのですが、探しきれず(苦笑)結果的にその記事にトラックバックしてしまいました。限定記事になっていたのは気づきませんでした、スミマセン。


>バレーは、特に戦術にかかわる部分、個々の技術が戦略にどうかかわるのかを掘り下げた書物が無い

確かにそう思います。
私一人で何かができるわけではないですが、地道にやっていきたいと思います。トップレベルの指導者が普段何を考えているのか、海外の状況など、また色々学ばせて下さい。

投稿: T.w | 2009年9月26日 (土) 22時36分

>こんばんはさん、初めまして。

USA情報、ありがとうございます!
記事中では触れませんでしたが、ご指摘の「パス」も重要で絶対必要な用語だと個人的に思っています。セッターあるいは、自チームの誰かに向かって正確にボールを返すプレーが「パス」ですよね。日本で「レシーブ」の一言で括られている守備に関わるプレーを、戦略的技術の観点から分けて考えていく必要があると思います。

投稿: T.w | 2009年9月26日 (土) 23時19分

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