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2009年6月 2日 (火)

黒鷲旗雑感(その3)

(その2)では、世界のトップレベルの戦術の方向性から、完全に取り残されそうになっている日本の女子バレー界に対する嘆きを書いた。

一方、最近の男子バレー界は、着実に世界のトップレベルの戦術を吸収している。以前は「吸収している」と言いつつも、下手をすれば10年近くというような「時差」がありつつ「追いかけている」状況だったが、ここ数年はその「時差」はかなり短くなってきている気がする。その「時差」短縮に貢献しているのは間違いなく、大学チーム勢の戦いぶりにあると思う。例えば、セッターがファーストタッチを行った場面でのセットアップをリベロがオーバーハンドパスを用いて行うという戦術は、数年前に黒鷲で準優勝を果たした東海大学が見せて以来、すっかり当たり前の戦術として日本の男子バレー界に広く浸透した。

現在の世界のトップレベルのバレーにおいて最も大事なキーワードの一つは「脱・スーパーエース」である。大学バレーに詳しいこちらのサイトで拝見する文字が頭の中をよぎり・・・(逆参照のようだが(苦笑))


『/ja あやつる YmrDhalmel』より引用


あかんまたわからなくなってきた。レセプションに入るのもオポジットっつーんだっけ、セッターの対角であれば(語義的にはそうなのだろうけど)。

・・・(中略)・・・

「オポジット≠スーパーエース」やろ?と思ったり、じゃあ2005当時の全日本が「オポジットを置かず」と言ってたのはなんだろうと思ったり。


実は最近、所謂「スーパーエース」を見ていないような気がしてて。


最近の男子大学バレーの世界には「所謂『スーパーエース』はいない」という文字を拝見していた私としては、これの意味するところは「脱・スーパーエース」であると、即ち、最近の男子大学バレー界では、オポジットに配される選手がライト側からファーストテンポ攻撃(C1攻撃)を見せるというバレーが展開されているのだろう、と勝手に思い込んでいた。今年の黒鷲では、それがどの程度のものか確認できるだろうという淡い期待を抱いていた・・・。


しかし、実際に私の目に飛び込んできた姿は、思い描いているものとは残念ながら、かけ離れていた。確かに「所謂『スーパーエース』はいな」かった・・・点取り屋がオポジットには配されていなかった。しかし、そこには「脱・スーパーエース」の概念も存在しなかった・・・オポジットに配された選手は決して、ファーストテンポの攻撃を繰り出してはいなかったのだ。実際大学チーム勢は、相手チームに悉くディケートブロックを敷かれていた。点取り屋がライト側に位置せず、しかもファーストテンポ攻撃も繰り出されないとするなら、相手ブロック陣がデディケートするのは至極当然のことである。

最初に書いたように、セッターがファーストタッチを行った場面でのセットアップをリベロがオーバーハンドパスを用いて行うという戦術を、日本の男子バレー界に浸透・定着させた男子大学バレー界において、ライトからの攻撃が軽視されているとは考え難い。なぜならレゼンデバレー(第7章)で書いたとおり、本質的にこの戦術は「脱・スーパーエース」と不可分の戦術・・・攻撃の「左右対称性」を維持するための戦術であるからだ。レフト・ライト双方向から「左右対称」に攻撃を繰り出すにしても、「ファーストテンポ攻撃」でないのなら、セットアップするのは前衛のmiddle blockerで構わないはずだ。リベロがセットアップする必要が生じたのは、レフト・ライト双方向から「ファーストテンポ攻撃」を繰り出すためである。


と考えると、「所謂『スーパーエース』はいない」という現在の男子大学バレー界において、「脱・スーパーエース」の概念が存在しないとすればそれは即ち、「世界のトップレベルの戦術を採用しながら」も残念ながら決定的な「人材不足」がそこには存在するのではないか、、、それがそのままV・プレミアチームに平行移動して、従来の「スーパーエース」であろうと今シーズンのボヨビッチ選手のような選手であろうと、結局"オポジット"というパーツには外国人選手が納まる、、、それは、以前書いたこちらの記事に繋がっていく問題なのではないか? と危惧せずにはおれない、今年の黒鷲旗だった。

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昨日の「龍神NIPPON」絡みのテレビニュースは、可能な限りスルーしたかった。古田フィーチャリングを見る度に、あの入替戦時の状態が頭をよぎる。その後、どうだい?などと思いながら、何故かおなまえパネルを手に悦に入っている監督を見ながら、なんという悪夢だろうと天を... [続きを読む]

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