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2009年4月17日 (金)

2008/09 シーズン・男子決勝(東レ - 堺)(その2)

ジュースの攻防に入って、両チームともオポジットの助っ人外国人選手にセットが集まるのはある程度仕方ない状況となったが、そうであるからこそ尚更、両チームのセッターの差が明確に出てしまった。

24-25の堺のセットポイントで、迎えたサーバーは伊藤選手。彼は、自チームのライト側からスパイクサーブを打った直後、そのまま後衛ライトの守備に位置し、代わりに同じく後衛にいたエンダキ選手が後衛レフトの守備位置に入った。堺のブロック陣は狙い通りにワンタッチを取り、トランジションで後衛レフトに位置していたエンダキ選手へのハイセットを上げ、1本目はコースを抜くも田辺選手のディグで繋がれ、さらにラリーが続いて、再びトランジションで朝長選手は後衛レフトに位置していたエンダキ選手へのハイセットを上げたが、彼がそれをネットに引っかけてしまい、25-25。セット序盤からずっと、レフト攻撃の際に東レの万全の3枚ブロックでプレッシャーをかけられ続けたエンダキ選手には、もはやこの場面で3枚ブロックをぶち破るだけのパワーは残っていなかった。一方東レは、26-26の場面で、堺のレセプションが少しネットから離れたためにリードで対応したが、それで見事に篠田選手が大道選手の速攻からワンタッチを取り、トランジションで阿部選手は前衛ライトのボヨビッチ選手のC1攻撃を選択。一見すると、どちらのチームも助っ人外国人選手に頼っているだけに思えるかもしれないが、東レのブロック陣がデディケート気味であるにも関わらず、エンダキ選手にレフト側から攻撃させた堺に対して、阿部選手は篠田選手にマッチアップする堺のセンター・大道選手が、速攻に全く対応できていないことを冷静に判断した上で、ボヨビッチ選手のC1を使えば堺のブロッカーが間違いなく1枚になることに恐らく確信を持っていたと思う。堺のレシーブ陣が渾身のファインディグで繋ぐも、阿部選手はこれでもかこれでもかと、3本立て続けてC1攻撃を使い、実際それは堺のブロックに擦りもせず、27-26と東レが初めてのセットポイントを奪う。直後は米山選手のサーブミスで再び27-27の同点となるが、直後ボヨビッチが決めて2度目のセットポイントを奪うと、最後は長いラリーでネットから離れた位置から阿部選手が富松選手のBクイック(31攻撃)を選択。これに堺のブロック陣はノーマークとなってしまって、29-27。東レが1セットを先取する。

結果的に、堺が試合開始当初にブロック戦略として意図した、ボヨビッチ選手のC1攻撃を封じることはほとんど達成されず、逆にセット序盤で立て続けに篠田選手の速攻でやられた印象が最後まで尾を引いて、ボヨビッチ選手のC1・センター陣の速攻のどちらもマークしきれず「二兎を追う者は一兎をも得ず」状態となってしまったと言える第1セットだった。


第2セットに入ると、堺は第1セットのデータを踏まえ、配置はスプレッドのままにマークを篠田選手の速攻に切り替え、セット序盤からセンターブロッカーがコミットで対応し始めた。序盤の一進一退の攻防の後、9-9の場面で初めて、篠田選手の速攻が堺のブロックの手にまともに当たるが、惜しくもブロックアウトとなって10-9。直後に東レの連続ブロックポイントが出て12-9となり、このセットも東レに流れが傾く。14-10となって、ボヨビッチ選手のスパイクサーブが後衛レフトの北島選手を襲い、レセプションが乱されたが、その状況で朝長選手は、恐らくベンチの指示を受けて、東レのブロックシステムを逆手に取るべく、敢えて伊藤選手の速攻を選択したが、後衛レフトの北島選手がレセプション後でパイプ攻撃に切り込めない状況を確認したセンターブロッカーの富松選手が、リードで見事に間に合ってシャットし、15-10。一方、堺のセンターブロッカーがコミットで対応し始めたのを見逃さなかった阿部選手は、堺のセンターブロッカーがBクイック(31攻撃)にコミットしたのを目で確認し、さらにC1攻撃に対する堺のレフトブロッカーの対応がやはりマンツーマン・コミットのままであるのを頭に入れた上で、セカンドテクニカルタイムアウト直後から、立て続けてツー攻撃を仕掛けた。いわば、現在の世界の最先端のバレー戦術である「両サイドのファーストテンポ攻撃を見せておいて、相手ブロッカー陣をスプレッドで構えさせたうえで、中央からのファーストテンポ・パイプ攻撃を決め球として使う」という戦術の中で、「ファーストテンポ・パイプ攻撃」と同等の攻撃選択肢として「ツー攻撃」を選択した形であり、阿部選手としては間違いなくノーマークで決まると確信を持ってツー攻撃を行ったはずだ。21-17で回ってきたボヨビッチ選手のスパイクサーブが、再び後衛レフトの北島選手を襲って彼のパイプ攻撃への切り込みを遅らせ、そして富松選手が再び伊藤選手の速攻を1枚でシャットするという、14-10の場面のVTRのようなラリーで22-17。最後は、伊藤選手のスパイクサーブが第1セット同様に途中交代で入った後衛レフトの越谷選手を襲い、彼のパイプ攻撃はなくなったが、それを踏まえてまたまた篠田選手の速攻にコミットした大道選手を嘲笑うかのように、阿部選手のツー攻撃が堺コートに突き刺さって、25-20。東レが2セットを連取する。

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