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2009年1月15日 (木)

やっぱWライトでしょ!?(パイオニア - NEC)(その2)

第1セットは、NECのセンター陣の攻撃にある程度プレッシャーをかけることに成功していたパイオニアのブロック陣だったが、代わりに鍵となったフェイント攻撃を含めレフト平行にやられていた。第2セットに入り、パイオニアはライトブロッカーをリリース(release)させ、レフト平行へ対応を始めた。セット序盤、それにより徐々にワンタッチを取り始め、長いラリーが続くようになるが、ハニーフのライトからのバックアタックがフォフィーニャ選手にシャットされ4-6と劣勢になると、直後はユキのトスミスで4-7となって、パイオニアがタイムアウト。ここからハニーフ・メグが連続で決め、6-7と追い上げると、フォフィーニャ選手をユウが遂に捕まえて同点。メグがハイセットを打ち切って、8-7と逆転してファーストテクニカルタイムアウト。ここから一進一退の攻防が続き、10-9から松崎選手のライト攻撃をハニーフがプレッシャーをかけてミスを誘い、11-9とパイオニアに流れが傾きかけるが、直後のラリーでハニーフの強打が僅かにエンドラインを割って、勢いが止まる。再び一進一退の攻防が続くが、NECのレフト攻撃がほとんど一発で決まらなくなり、13-12からハニーフがセカンドテンポ・パイプ攻撃を豪快に決めて14-12と、再びパイオニアに流れが傾きかける。ここで、フォフィーニャ選手のレフトからの攻撃をまたワンタッチを取って繋ぐが、トランジションでユキがトスミスし、またまた流れを逃すパイオニア。結局また一進一退が続いて、16-15でセカンドタイムアウト。お互いにこのセットは流れを掴みきれず、セット終盤の攻防へ。18-17からNECのセッター・秋山選手が、パイオニアのブロック陣がデディケートなのを確認して、ツー攻撃をレフトブロッカーだったハニーフ選手の斜め後方へ見事に落として、18-18。これでNECに一気に流れが傾き、パイオニアに連続でミスが続いて、結局5連続失点で18-22。マミが鮮やかに決めて19-22とし、吉田監督は前衛のユキをレオに代える第1セット同様の戦略に出て、前衛ブロッカーはレフトにレオ・センターにアサコ・ライトにハニーフ。直後に松崎選手のミスで20-22となって、もう1点取ればまた再びチャンスが訪れるかもという場面で、狙い通りに松崎選手のAクイックをワンタッチで繋いだが、この直後のトランジションがこの試合を象徴するプレーで決した。この場面でワンタッチでコート中央付近に上がったボールを、後衛ライトのマミもレフトのガッツもどちらでも取れる位置だったが、結局マミはセットアップに気が取られて足が止まり、ガッツがファーストタッチ。ボールはネット際に上がり、前衛両サイドのレオとハニーフ・後衛センターのメグの3人がスパイク助走に入ったが、前衛センターのアサコとマミがお見合いしてどちらもセットアップにいけずに、ボールはネット際にポトリ、、、。このセットもこれで完全に決まってしまった。

結局、トランジションの戦術において、昨シーズンどおりの後衛レフト or 前衛センターのセットアップを採るのか、今シーズンのようにマミのセットアップを採るのか? この点について、マミ自身はもちろん、周りの選手達も躊躇しているように伺える。マミ自身もまだ自信が持てないし、周りの選手もマミを完全に信用しきれていない。第3セットに入り、2-7の劣勢からマミに代わってコヨミが出場した途端に、ユキはNECのレフトからのフェイントに対して突如として躊躇なく突っ込んでいく姿で、私はそれを確信した。コヨミが入ると、後衛ライトのユキがファーストタッチを行っても、後衛レフトだろうと、前衛ライトにいるコヨミだろうと、はたまた前衛センターだろうと、誰でもが自然とセットアップに向かって身体が動くのだ。それに対して、マミが入っていると、周りの選手みんながプレーをする前に一旦「どこにマミがいるから・・・」と考えてからでないと、身体が動き出さない。マミはよく頑張っていると思うし、愛着も相当にある選手ではあるけれども、今シーズンこれまでの戦術スタイルは、今シーズンが初のスタメン定着となったマミには少し荷が重すぎると思う。マミをスタメンとして育てるのならば、今シーズンは"Wライト"に徹して、トランジションでのセットアップは後衛レフト(及び前衛センター)の選手が行う戦術でいくべきだろう。開幕当初は"Wライト"ではマミが、レフト攻撃及びレフトブロッカーを務める必要の出てくる点を懸念したが、天皇杯・皇后杯の東レ戦の第1セットでは、むしろレフトブロッカーとしての方が、ブロックもよく手が出ているように見えた(実際1セットで2本もブロックシャットを決めていた)し、ハイセットもそつなく打ちこなしていた。吉田監督としては、コヨミを出来ればセッターに育てたい、と考えているがゆえに、マミをユーティリティタイプのオポジットとして独り立ちさせておきたいのだろうが、今の状況ではコヨミがスタメンを奪ってしまう可能性の方が高くなってきたと言えよう。

ただ一つ、この試合で光が見えたのは、久々に公式戦で見られたユミのセットアップだ!
一方のNECは、遂にと言うべきか? フォフィーニャ選手が本格的にレセプションフォーメーションに参加するようになった。もともと久光にいた頃から「フォフィーニャ(選手)って、レセプションやらせたら絶対出来るよな・・・」と思っていたが、案の定だった。内田選手がサーブで狙われる負担が相当にこれで減るであろう。この形ならば、さほど大崩れはないだろうし、それなりに勝ち星は重ねる可能性を感じた。

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コメント

こんばんは。
今日(実質昨日)、デンソー戦のTV観戦で今シーズン、動いているパイオニアを初めて見ました。
一番印象に残ったのは、2枚代えで小濱さん(やっと出てきた!)と冨永さんが出てきたときの方が、6人の動きがとてもスムーズに見え、かつハニーフも栗原も良いスパイクを放っていたことです。何にせよ小濱さんがコートに戻ってきたのは一ファンとして非常に喜ばしく思います。
全般的にはパイオニアのバレーは非常にシンプルに見えましたね。サーブで崩して、ワンタッチとって(あるいはブロックで決める)、(ハニーフか栗原の)ハイセットで決める、みたいな。私の印象間違いかもしれませんが、ハニーフや栗原に上がるトスを見て、久しぶりに高い高いトスを見たように思いました。最近は女子でもあんなに高いトスは見なくなったなぁ、と思っていたので不思議な感覚でした。ただ、二人ともその方が打ちやすそうに見えますね。

デンソーは勝手に転んでしまったかな。パイオニアがいつものように?あまり崩れないから、先に辛抱できなくなった感じです。ただ、、、横山の具合は心配だなぁ。大事無ければいいが。

今後の小濱さんの活躍に期待したいと思います。

ちなみに第1試合のJT-武富士戦。
竹下はやっぱり大した選手だな、と改めて思いました。

以上です。

投稿: o-kun | 2009年1月18日 (日) 02時40分

>o-kunさん

コメントありがとうございます。
私もようやく戻ってきてくれたユミの姿に、思わず涙ぐみそう(大げさ?!)でした。1セット目も3セット目も、ユミが出て逆転してものにしましたよね! 昨シーズンはユミがスタメンで、途中でユキに代えられて勝った試合が目立ってしまいましたが、この試合はユミで勝った! と言って過言じゃないと思います。

6人がスムーズに動いているのは、2枚替えでユミ・コヨミが出てきた場合というより、要するにマミの代わりにコヨミが出た場合なんです。コヨミは何というか・・・ミスも確かにするのですが、要は〝はずれの〟プレーを絶対にしないんです。一つ一つのどんなプレーも常に丁寧なんですよね。だからといって、決して器用貧乏という印象もしません。木村沙織選手と違って、スパイクなんかも(丁寧だけれども)きちんと全力で打つ。しかも、ブロックが上手い。正直驚きました。


>全般的にはパイオニアのバレーは非常にシンプルに見えましたね。
>久しぶりに高い高いトスを見たように思いました。
>デンソーは勝手に転んでしまったかな。

この点については私の印象は少し違いますので、後日あらためて記事にしたいと思います。少なくとも、この試合については、デンソーは勝手に転んだということはなく、パイオニアのブロックシステムがきちんと機能した結果だと思います。

投稿: T.w | 2009年1月21日 (水) 23時38分

こんばんは。
コメントありがとうございます。

高いトスの部分はTWさんからの解説が必ずあると信じていました(笑)。期待してます。
デンソーが勝手に転んだと思ったのは、横山がいなくなってからなんです。彼女が怪我しなければ、4セット目はあのままデンソーがとって、フルセットでデンソーが勝つんだと思ってました。TWさんのご意見では、横山が怪我していなくても、あのままパイオニアが勝っていたというご認識でしょうか?ともかく解説期待します。

ちなみに冨永さんはいい選手ですよね。
今後に期待です。

以上

投稿: o-kun | 2009年1月22日 (木) 00時45分

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