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2008年4月21日 (月)

申し訳ございません・・・

3月に一度、「コメントレスも止まったまま、またメール頂いた方にもまだ返信できておりません」と謝っておきながら、結局その後も1ヶ月ほど、ほぼ同じ状況でした。大変申し訳ございません。

本当に、少しずつ遅れを取り戻していきたいと思います。

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2008年4月 3日 (木)

今年の東レ(その2)

結果的に、今シーズンの東レのチームブロック数はセット平均2.74で3位。昨シーズンは2.09で9位であったことを考えると、随分と進歩したと言って良い。が、実はその半数以上を荒木選手とベタニア選手の2人で稼いでいる。単に「2人で」稼いでいる、と言ってしまえば、例えばパイオニアも両センターのユウとアサコで確かにチームブロック総数の半数以上を稼いでいるので、別に珍しいことではないだろうが、(その1)で書いた今シーズンの東レの配列においては、裏センターの荒木選手と表レフトのベタニア選手というのは、実は「隣り合う2人」なのだ。ブロックというのは前衛のプレーヤーのみに許されているプレーであるので、全部で6つあるローテーションのうちで、この「隣り合う2人」がともに前衛である2つのローテーションで、ブロック決定の出現頻度が異常に高いという、ローテーション上の「不均等」が生じているはずだ(もちろん、スタートローテーションの関係で、この2人がともに前衛のローテーションの出現頻度自体が多いという点も考慮すべきだが)。

例えばこの2人とセッターの中道選手の3人が前衛のローテーションでは、ライトブロッカーの中道選手だけがネットから離れて構えて相手チームのレフト攻撃のみにコミットし、荒木・ベタニア両選手が2人だけでバンチ・リードを行っている。3人で行う通常のバンチ・リードシステムに比べて、レフトブロッカーであるベタニア選手は、さらにセンターより構えており、その分だけ直後のトランジションでの攻撃への参加が難しくなるはずなのだが、ベタニア選手の並はずれた攻撃力がそれを十二分に補っている。そのため、このローテーションでは、ブロック決定本数も多いし、たとえブロック決定とならなくても、トランジションでの(ベタニア選手の)決定率も高いために、相当にブレイク率が高いはずだ。159cmのセッターが前衛で本来は苦しいはずのこのローテーションでも、確実に点数を稼ぐことが出来る点が、今シーズンの東レの一番の強みと言って良いだろう。

しかし、リーグ当初の菅野監督の構想としては、上述のようなローテーション上の「不均等」を恐らく避けたかったのだろうと推測する。177cmとそれなりに上背のあるオポジットの芝田選手に、敢えて159cmしかない中道選手と同じようなブロックの跳び方をさせ、表センターとして冨田選手を起用したのは、昨シーズンでスパイク賞を獲得した西脇選手の攻撃力を捨ててまで、冨田選手のブロック能力、はっきり言えばバンチ・リードを行えるだけの能力を選択した、ということだと思う。冨田選手と「隣り合う」木村選手との2人でも、荒木・ベタニア両選手同様に「2人でバンチ・リード」をさせて、ライトブロッカーは中道選手・対角の芝田選手どちらであっても、ゾーン・コミットを採る、、、このブロックシステムに合わせて、守備体型を配置する「ブロックとディグの連携」を図ろうとしていたはずだ。

結果的には恐らく、トランジションでの攻撃での決定力がなかったために、冨田選手よりもライト側へのワンレッグ攻撃での決定力のある西脇選手に代えざるを得なくなったのだろう、、、リーグ序盤はベタニア選手が合流していなかったため、冨田・木村両選手が前衛の場面では、この2人がバンチ・リードブロックで跳んだ直後のトランジションでの攻撃は、表レフトでその場面は後衛に位置する向井選手のパイプ攻撃しか選択肢がなかったはずであるから。だが、結果的には冨田選手を西脇選手に代えて、西脇・木村両選手が前衛の場面ではある意味「開き直って」マンツーマン・コミットに切り替えたことが、木村選手のブロック決定本数の増加(昨シーズンセット平均0.23・今シーズンセット平均0.37)にも繋がったし、何より彼女のトランジションの場面での攻撃という面での負担軽減にも繋がったと言って良いだろう。災い転じて・・・といったところか?


では、今シーズンの東レには死角はないのだろうか? 遂に念願のV・プレミアリーグ初制覇を成し遂げることになるだろうか?

確かに荒木選手のブロック賞は素晴らしいと思う。が、これまでも折に触れて書いているように、彼女は的を絞った場合(即ち、相手チームのトスが上がる場所が明らかな場合)には186cmの高さを活かしたブロック力を発揮する一方で、リードブロックで跳んだ時のネットからの体の離れ方が尋常でない。実際、彼女は有効なワンタッチを取るケースが非常に少ない。バンチ・リードをやっていると言っても、完成度は久光・パイオニアのセンター陣とは比べものにならない。それは今シーズンも何ら変わっていない。

実は、パイオニアのアサコも、昔からしばしば(疲れてくると?)両サイドの攻撃に対するブロックで体がネットから離れ気味になる悪い癖がある。が、しかし彼女が東レのセンター陣と違うところは、ネットから離れ気味になると、手の出し方を「キルブロック」から「ソフトブロック」にきちんと切り替えるところだ。だから、体がネットから離れていてもしばしば有効なワンタッチを取ることが出来る。

要するに、今シーズンの東レでのブロックシステムの要は、middle blockerではなく、実はベタニア選手なのだ。今シーズンで東レが最後に敗戦を喫した2レグの久光戦に、東レの弱点が隠れていると思う、、、ベタニア選手がレフトブロッカーであるために、どうしてもライト側からの攻撃を仕掛けづらいというのが東レと対戦するチームの正直な印象であろうが、敢えてライト側からの攻撃を積極的に仕掛けることで、相手チームとしては道が開けると思う。必ずしも強打は必要なく、軟攻でも構わない。この日の久光の勝因はそこにあった。

結局ブロックシステムを「2人バンチ・リード」の一つに統一できなかった今シーズンの東レは、結局のところは本当の意味での「ブロックとディグの連携」を図ることは難しかったはずだ。だから実際、デンソーやパイオニアが(さらにJTも当初)やろうとしていた、セッターがファーストタッチを行った場面でのトランジションの戦術(リベロを中心とする、後衛ライトを守る選手がトスアップを行う戦術)は、東レでは見受けらない。ライトから軟攻を仕掛けられた直後のトランジションでは、誰がトスを上げるのかが曖昧であり、それをたとえセッターの中道選手が上げることになっても、かなりの高確率でレフトへのハイセットかベタニア選手へのパイプにトスが上がっている。この点を突いていけば、東レの攻撃を非常に単調なパターンに持ち込むことが可能であろう。果たして、ライトにスーパーエースを配するデンソーが、決勝でどのような戦いを挑むであろうか? 注目してみたいと思う。

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2008年4月 1日 (火)

今年の東レ(その1)

さて、お待たせの(誰も待ってないって?)今シーズンの東レの戦術分析に入りたいと思う。

『チームの顔』で菅野監督は、こう語っている。

前回(のリーグは)ブロックの成績が非常に悪かったので、今シーズンは特にブロックとレシーブに力を入れてやってきました。・・・(中略)・・・ブロックを含むディフェンスが鍵を握るという意味では、センター陣の役割は大きいと思います。

確かに、昨シーズンまでの東レのブロックの問題点は、過去に何度か書いてきたとおり「組織化されていない」点に尽きる。これについては『日本女子バレーコンプリートガイド』の中でも「若さ以上の問題点は組織化の遅れだ」と評されている。上述の菅野監督のインタビュー記事からは「ブロックとディグの連携を強化してきた」という風に受け取れるだけに、それならば当然、ブロックの組織化が図られているはずだと考えるのが自然であろう。その意味で、今シーズン東レのブロックシステムがどのように生まれ変わっているのか?・・・この点にリーグ開幕当初から私は注目していた。

ところが蓋を開けてみると、昨シーズンからセッターに転向した大山未希選手に代わって、今シーズンは159cmの中道選手が正セッターの座に着いた。これについては正直、驚きを隠せなかった。「ブロックの組織化」という命題に159cmのセッターはどう考えても障害となると思われるからだ。では実際、今シーズンの東レのブロックシステムは如何なるものだったのか?


ブロックシステムの分析に入る前に、書いておかなければならないことがある。今シーズンの東レは、昨シーズンとは配列を大きく変えてきた。現在の全日本女子の主力でもある木村・荒木の両選手を昨シーズンの表レフト・表センターから、今シーズンは裏レフト・裏センターへと変えたのだ。代わりに表レフトを開幕時は向井選手が、表センターを冨田選手が務めていた。

今シーズンの東レには昨シーズンからの引退選手が一人もいなかった。昨シーズンから戦力が全く変わらないという、ある意味恵まれた状況の中で、サマーリーグや国体といった若手主体で臨むチームが多い大会にあっても、全日本選手の2人(木村・荒木両選手)を除いたベストメンバーで戦っていたところからも伺えるように、今リーグのためのチーム強化を昨シーズン終了後から1年間をかけて、一貫して図っていたという印象が強い。その意味で、スタメンの配列についても、恐らく菅野監督は木村・荒木両選手及び、新外国人助っ人のベタニア選手の合流を見越しつつ、ベストの配列をリーグ開幕より遥か前から構想を練っていたに違いない。結果的に木村・荒木両選手を裏レフト・裏センターに配する配列を選択した根拠に、上述の「ブロックの組織化」「ブロックとディグの連携」があったのだろうと推測する。

結論から言うと、昨シーズン中途半端にやろうとしてバラバラになっていたバンチ・リードブロックシステムは、今シーズンは採っていないと言ってしまって良いだろう。ライトブロッカーとなるセッターの中道選手と対角の芝田選手は、基本的にゾーン・コミットで、2人とも「デンソー方式」でネットから離れ気味に構えて相手チームのレフト攻撃に対抗している。一方、残りのレフトブロッカー・センターブロッカー2枚は、ベタニア選手が前衛にいればバンチ・リード、木村選手が前衛にいればマンツーマン・コミットに切り替わるという複雑な方式となっているように見える。しかし、リーグ開幕当初には表センターとして、昨シーズンのスパイク賞を獲得した西脇選手に代えて冨田選手をスタメンで使おうとしていたことから、レフト・センターの2枚のブロッカーはバンチ・リードを採りたかったのではないかと想像する。

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