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2007年12月 1日 (土)

ワールドカップ2007(女子)最終総括(その2)

(当直業務の合間に・・・な、なんと! 当直室が停電してるやないか!? という思わぬトラブルにも負けず、アップします)

続いてブラジル。銀メダルを獲得してなお、ギマラエス監督の更迭という話が沸き起こっているとのことだが、それもわからなくもない。自他共に実力世界No.1と認めていながら3大大会の優勝を未だに達成できないことに、それだけブラジル国内での苛立ちも大きいのであろう。しかも、ロシア・中国が参加しない今大会では、優勝は間違いないと思われていたはずだし、それだけをブラジルチームスタッフ・選手ともに狙って来日したであろうから。

今大会でブラジルが喫した2敗については、既にレポしたとおり、いずれも両センター(ファビアナ・バレウスカ)の速攻が相手ブロッカー陣に潰されて、お家芸である高速立体的3Dバレーが展開できずに両サイド一辺倒のトス回しとなって、ウイングスパイカー陣が相手チームのブロックのプレッシャーに負けて、悉くスパイクミスを連発した形だった。これに関しては、今大会のブラジルが昨年の世界バレーとは違って、スタメンを固定して戦っていたことが災いしたかもしれない。

昨年の世界バレーでロシアに決勝で敗れた要因として、私は当時のブラジルが「サッサのチームになってしまっていること」を挙げた。

世界バレー(女子)最終総括(その1)

今大会のブラジルは、サッサよりも上背のあるパウラが完全復帰を果たし、しかも現在の女子バレー界で恐らくは最高レベルの「高くて早い」レフト平行をマスターしており、遂にサッサが「スーパーサブに回れる」状況を作り上げることが出来ており、序盤戦を見て私はブラジルの優勝は間違いないだろうと思った。ギマラエス監督自身も「サッサをスーパーサブに回せる」ことで、これが現状でのベストのスタメンだと強く確信を持ったからこそ、昨年の世界バレーとはうってかわって、スタメンを固定して戦ったのだろう。しかし結果的には、こぞって20歳代前半の今大会のブラジルのウイングスパイカー陣(パウラ・ジャケリネ・シェイラ)には、百戦錬磨のイタリア・アメリカのベテラン選手達に敵うだけの「キャリア」が絶対的に不足していたようだ。ジャケリネについてはサッサが「スーパーサブ」として度々登場したが、シェイラに代われる選手が今大会はブラジルのメンバー12人にはいなかった・・・。これまでならレナタやマリがいたはずだし、フォフォンに代われるカロウもいたはずだが、今大会のブラジルの12人からはそろって外れていた。彼女たちの体調の問題なのか、それともギマラエス監督の北京本番を見据えた戦略なのか? はたまたただ単なる「余裕」だったのか?! そこまでは私にはわからない。イタリアが大事な最終3連戦を前に正セッターのロビアンコが故障し、代わって出場したフェレッティが(何度かトスミスはあったものの)卒なくプレーして全勝優勝に貢献した様子や、アメリカが今大会直前に正セッターのオーモーサントスがやはり故障して、前半戦特に控えセッターのバーグがずっとトスを上げ続けて、全勝街道を走り続けた様子と、今大会のブラジルは対照的であった。

しかし、またまた優勝を逃したブラジルではあったが、やはり着実に進化を見せていた。初戦のポーランド戦で書いたとおり、パウラのレフト平行は男子のそれにほぼ近づいており、恐らく来年の北京本番では、ジャケリネは当然、ひょっとすればマリあたりも同じくらいに「早い」平行をマスターしてくるに違いない。サーブも進化しており、今大会の勝ちゲームは大抵、試合序盤からシェイラ・ファビアナ・パウラ・ジャケリネのサーブで相手のレセプションを崩しまくっているケースがほとんどだったし、ピンチサーバーで出場することも多かったサッサも、これまで通りの強力なスパイクサーブを見せてくれていた。やはり総合的に見ると、現在の女子バレー界の勢力地図において、ロシア・ブラジルが頭一つ抜けていることを状況はまだ変わっていないと私は思う。

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