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2007年11月 5日 (月)

(ワールドカップ2007女子)ブラジル - キューバ(その2)

第3セット、1セットをとった余裕からか? キューバのトス回しがキューバ本来のライト攻撃中心となり始め、7-5とリード。が、それにきっちりブラジルのブロック陣は対応。ファビアナが中央からの時間差をシャットして7-7と追いつき、直後に相手から返ってきたボールをフォフォンが直接ファビアナへ速攻を上げて、それが見事にキューバコートへ突き刺さり、ブラジルが会場のブラジルコールとともに一気に乗ってしまう。キューバのサーブの際には会場からブーイングが木霊し、まだそういった雰囲気になれていないケニアが弱気なプレーでのスパイクミスを連発して10-15。このセットは彼女へトスが上げられなくなり、仕方なく頼ったライト攻撃をジャケリネがシャットして14-22。バロスの強烈なスパイクサーブでブラジルのレセプションを乱し、もらったダイレクトボールをケニアが打ち込むもそれすらブラジルに拾われてシェイラが決め返して16-23。セットポイントの場面で、ギマラエス監督はサーブのいいファビアナに代えてサッサをピンチサーバーで投入し、その期待に応えて見事にサービスエース! このままブラジルが一気にいってしまうのか?

第4セット、優位に立ったブラジルが両サイドの高速平行でキューバブロック陣を翻弄してリードするも、キューバが執念のファインディグを連発! サントスのノータッチエースで7-7と追いつき、中盤でこの試合初めてファビアナのクイックをシャットして11-9とリード。さらに続けてカリーヨがファビアナのBクイックに遅れながらリードで見事にシャットして13-10。第3セット中盤から弱気なプレーとなっていたケニアも、そのリードで落ち着きを取り戻す。ブラジルが両サイドから繰り出す攻撃を必死に繋いで繋いで・・・最後にバレウスカのブロードをルイザが1枚出シャットして16-13。ブラジルがキューバの執拗な繋ぎにしびれを切らして、シェイラがスパイクミス。完全に落ち着きを取り戻したケニアのスパイクが炸裂して24-18。最後も長いラリーから、ブラジルがキューバに繋ぎ負ける形で25-19・・・こんな試合展開、誰が予想しただろうか?

第5セット、一進一退の緊迫の攻防から抜け出したのはブラジル。8-6とリードしてチェンジコートした直後、ジャケリネの強力なスパイクサーブで連続得点を稼いで10-6。ラミレスがライトから決めて流れを断ち切るも、直後に自身がサーブミス。ケニアが再び弱気となってスパイクミスを犯し、12-7。サントスがライトから決めるも、直後にケニアが今度はサーブミス。続いてカリーヨも「入れにいって」サーブミスでブラジルのマッチポイント。最後はジャケリネがフェイントを落として15-11。ブラジルは優勝を決めたかのような喜びよう。

やはり終わってみれば期待通りの死闘だった。フルセットの勝敗を分けたのは、勝負所の緊張した場面で渾身のスパイクサーブが打てるかどうか? という、これまで何度も書いてきた、ラリーポイント制の下での戦いにおいて最も要求される側面だった。これまで見せたことのないような執念のディグが素晴らしかったが、本来高さとパワーが持ち味のチームカラーでありながら、ファイナルセット中盤以降に途端に「力を抜いて、入れにいって」サーブミスを連発してしまったキューバ・・・かつてワールドカップ4連覇を果たした強豪が、ここ最近すっかりメダル争いから遠ざかってしまったその理由が、露呈したような形の幕切れだった。

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コメント

 渡り鳥さんが計測されたセットアップからスパイクヒットまでの時間を読ませていただき、おかげでビデオを見ていても「トス→アタック」のところに意識が行きました。時間は計れませんけれど、さすがですね。あれを見てから全日本のを見ると、コンマ何秒かの差がもうじれったくて。
 もうひとつ、ブラジルのウィングアタッカーは、スパイクのインパクトの瞬間はアゴを引いて相手ブロッカーを視野に入れているように見えました(あれが当たり前なのかも知れませんが)。対して、全日本のウィングアタッカーはインパクトの瞬間はまだアゴが上がっていて、相手ブロッカーを視野に入れるのが遅いように見えます。
 高橋みゆき選手だけは別で、下から目線で横から入ってくるトスと相手ブロックを同時に視野に入れているように見えます。はなから高さを度外視して?コンパクトなスイングで低くて速いトスを打っているようなので(この二人と心中なんですね)。
 全日本のウィングアタッカーがインパクトの瞬間にアゴを上げているのは、あの山なりの高いトスの影響もあるように思います。トスの質とか軌道はアタッカーの視野や視線にも影響するんじゃないでしょうか。スパイク決定というのはアタッカーとセッターの共同作業なんだなぁ、と、あらためて。

投稿: one of No.33 | 2007年11月 6日 (火) 21時18分

山なりの高いトスですね。
特に自チームでは早いトスが打てているのにナショナルチームでは高いトスになってしまっている選手を見ると、やりきれないものがあるでしょうね。

原因は、攻めの組み立て・組み合わせのなさなのではと思います。栗原で2枚になるケースでたまに木村のライトバックがあっても、それでブロックが分断されることがない。栗原がライトバックを打つケースも同じですね。高橋がレフトにいても、それにバックアタックがかみ合っていなくて、それぞれ『単品で勝負している』感じです。

セルビア戦を見直してみましたが、竹下の問題ではないと思いました。

22-18でレフトから杉山・高橋・木村の場面:セッターの後ろ側に2枚絡んでレフト平行・・・セッターの1枚ブロックにしたのにぶち込む。組み立ても悪くないですね、これは。

その後、ジャンプサーブでカットした木村が転び、カットはレフト方向にずれているのに、杉山はBに入り、高橋のレフトに上がり、ワンタッチで切り替えされました。
バックアタックという選択肢があったのに上げなかったのなら「ムキになって高橋に」かもしれませんが、栗原は助走に入っていません。カットから外れているのにです。また、バックアタックでブロックが分断できていれば、速攻も使えたかもしれませんね。

サービスエースを取られた次のプレーは、佐野がAカットし、杉山C木村前セミの絡みで、Cに2枚ブロック跳ばれ、ワンタッチで切り返され・・・でした。セッターの近くにブロッカーが2枚しっかり待っていました。

その後ジャンプサーブでカットがレフトにずれるもCより長い(ライトよりの)攻撃をせず、バックアタックも絡まず、レフト平行でシャット。相手ブロックは自コート右半分だけ守ればいいのでかなり楽ですね。
それでも1.5枚だったんですけどね。ライトブロックにぶち込みました。

最後の杉山のCも、レフトは栗原なのでブロックは2枚杉山へ。跳んだのはレフト1枚でしたが、完全にコミットできますよね。ワンタッチを取られてバックアタックを決められ終了でした。

ライトへ走るブロードを使っても高橋へのトスくらい速くないと意味がないので、栗原は高いトスの方が確率が高くなるという考え方でしょうかね?

竹下のトスミスと思ったのはTTOの後17-12でカットが少しネットから離れたときに栗原へのトスがネットに近く、ミスさせてしまったものだけでした。問題は、組み立てがほとんどなくこの人に決めてもらいたいというだけのトスになっていることではないかと思います。

投稿: T | 2007年11月 7日 (水) 01時05分

昨日のイタリア戦は、バックアタックもリズムがあって、前衛の攻撃と咬み合っている感じでした。木村選手のバックアタックも結構さまになっていたと思います。

それでも決まりませんでしたが、使い続ければ相手を崩してラリーを優位に進めるくらいはできるようになるでしょう。そうすれば、ブロックの分断につながります。まだまだですが、来年に向けて明るい材料ですね。

昨日は動きは悪くなかった。それでもあれだけ一方的になるというのが現状でしょう。今後の試合で何か光を見つけていけないと、世界のトップテンから相手にされなくなりそうです。

監督の描くビジョンにはまりそうな選手を役割毎に数人招集して戦っていき、そのシステムの中で最高のパフォーマンスを発揮してくれるようになった選手を選ぶというのが代表なのではないかと思いますが(そういう意味では国内リーグのベストプレーヤーでなくてもよい)、大きな勘違いなのでしょうか?

昨年は栗原選手のところにはまる選手を一人育てるチャンスでした。それで世界大会で成績も残せたのに、もったいない話です。今後の大山選手の使われ方が見物です。

投稿: T | 2007年11月 8日 (木) 13時15分

>Tさん

毎度です!

>監督の描くビジョンにはまりそうな選手を役割毎に数人招集して戦っていき、そのシステムの中で最高のパフォーマンスを発揮してくれるようになった選手を選ぶというのが代表なのではないかと思いますが

仰るとおりだと思います。だからこそ、今年「こそ」はその「監督の描くビジョン」が「必ず存在する」と、発表されたメンバーをみて「信じて」いましたが、見事に騙されました・・・。組織的ブロックをするために久光・パイオニアのセンター陣ごっそり+杉山選手を選んだと思っていたのに、結局組織的バンチ・リードブロックに「全日本チーム全体として」真剣に取り組むのではなく、ただ単に組織的バンチ・リードブロックを普段から所属チームで練習して慣れている選手を選んできて、その「個人技」に期待しただけ、でしたね。荒木選手にしても、結局全日本にいってもぜーーんぜんリードブロックは上達せず(ブロックシャットを決めているのは、コミットで跳んだときと、遅れて跳びに行って「ネットから離れている」状態のために、相手アタッカーが「ブロックが見えずに」ぶつけてしまっているケースばかり)。彼女の場合は、所属チームに戻ってもブロックは上達が期待できそうにないし・・・。

投稿: T.w | 2007年11月18日 (日) 23時37分

>ただ単に組織的バンチ・リードブロックを普段から所属チームで練習して慣れている選手を選んできて、その「個人技」に期待しただけ

納得です。
一時期、セッターがファーストレシーブをしたときフォワードセンターがトスアップするパターンを採用しようとしていたみたいでしたけどね。それをやめたのに人材だけ残しておいて不思議でした。

>遅れて跳びに行って「ネットから離れている」状態のために、

本当に離れていますよね。あれは認識がないのか、体幹の使い方が下手なだけなのか、疑問でした。

投稿: T | 2007年11月18日 (日) 23時58分

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