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2007年11月 6日 (火)

(ワールドカップ2007女子)ポーランド - アメリカ

ポーランドは初戦のブラジル戦で、セッターのシリバが若干期待はずれだったこともあり、2戦目からはずっとサドレクがスタメンで出場している。彼女は今年のワールドグランプリで初めて見た(認識した?)が、特にバックトスの上げ方が巧いと個人的に思う。また、ブラジル戦活躍したポドレッツがスタメンで出場し、レフトにポドレッツ・グリンカ、センターにリクトラス・ジェケビッチ、セッターにサドレク、リベロにゼニク。一方、アメリカは何と言ってもローガン・トムの代表復帰に尽きる。これで、昨年の世界バレーとは違って、20点以降の終盤にスコットに頼り切ったトス回しをする必要もなくなるだろう。

第1セットは中盤まで一進一退の攻防で、点差が全く離れない。アメリカはオポジットのハニーフがレセプションに参加しており、4枚レセプションシステムを敷いている。サーブは昨年の世界バレーの頃と同様に、あまりスパイクサーブは使わずに、フローターサーブで相手チームのレセプションフォーメーション上での弱点をきっちりついてくる戦略を採り、このセットはポーランドの後衛レフトを狙ってパイプ攻撃をなくして、ブロックのマークを絞ろうとしている。それをボニッタ監督もわかってか、両レフトのグリンカ・ポドレッツが後衛に回ってくるとそれぞれサビカ・ロスネルに代えて守備固めを図る。さすがはボニッタ。19-19の同点からスコボロニスカのスパイクサーブがネットにかかり、20-19とアメリカ1点リードの場面で、郎平監督が動いて2枚替え。サーバーで入ったオーモーサントスが放ったボールが、ポーランドコートの後衛レフトの角ぎりぎりに見事にオンザラインで、21-19とアメリカが一歩抜け出す。直後は前衛レフトのグリンカへ緩いサーブを打って彼女の攻撃をなくし、ポーランドはスコボロニスカのライトからのバックアタックを繰り出したが、それをローガン・トムが見事にシャットして、このセットの流れをアメリカが掴む。最後は2枚替えで入っていたブースがライトから決めて、25-21。アメリカが先取する。

第2セットも序盤は一進一退の展開。ここからポーランドがリクトラスのサーブでアメリカの攻守の要のレセプションを連続で乱して、8-5とリードしてテクニカルタイムアウト。直後にローガン・トムの対角レフトに入っているナマニのレフト平行をサドレクが1枚でシャットして、9-5。これを見た郎平監督は、すぐにナマニをグラスへと代える・・・やはり今年も「もう一枚のレフト」で苦しむアメリカなのか・・・。これでポーランドが主導権をにぎったかと思われたが、アメリカもセッターのバーグのノータッチエースで9-8と追い上げる。ポドレッツが高速ライト平行を決めて、11-9。直後に自身のサーブでアメリカのレセプションを乱して、ジェケビッチがダイレクトで決め、12-9。さらにジェケビッチがスコットとのネット上での押し合いに勝ち、13-9。追い込まれたアメリカはハニーフがスパイクミスを犯して14-9。ラリーからのハイセットをグリンカが目の覚めるようなスパイクを打ち込んで、15-9。ポーランドが勢いづく。アメリカは2枚替えで立て直そうと図るが、ローガン・トムをリクトラスが1枚でシャットして18-11。ここから、途中出場のグラスが徹底的にサーブで狙われてアメリカは連続失点。たまらず郎平監督はグラスを再びナマニへ戻さざるを得ず、気づけば22-11とダブルスコア。最後はポドレッツが豪快に決めて、25-12。うーん、やはりアメリカは「レフトのもう一枚」が足りないようだ。

第3セットに入り、ポーランドのデータが集まってきたのか? 両サイドの高速平行に対してアメリカのブロックが必ず2枚で間に合うようになり、8-4とリードしてテクニカルタイムアウト。粘り強くワンタッチを取り、トランジションでスコットが連続して決めて10-5。しかし、ポーランドも負けてはいない。グリンカが後衛の場面での守備固めで入ったサビカがファインディグを連発してチームの士気を高めると、ジェケビッチがナマニをシャットして追い上げ開始。15-12とアメリカ3点リードの場面で郎平監督が動いて2枚替え。しかし、その代わって入ったブースをサドレクが連続で止めて15-15。ローガン・トムに頼るも、3枚ブロックでワンタッチを取られてファインディグで繋がれ、再びブースが今度はリクトラスにシャットされて、15-16とポーランドが逆転! この場面でアメリカの危機を救ったのはスコット。グリンカの高速レフト平行に遅れながらに着いていって、流れながらのブロックで見事にシャットして、ポーランドに流れを掴ませない。そのままセット終盤まで一進一退の攻防へ突入。両チームともにブロックがスプレッドになっている状況で、両サイドに頼り続けるポーランドと、適宜スコットの速攻を絡めるアメリカのトス回しが対照的。ローガン・トムのサーブミスで最初にセットポイントを掴んだのはポーランド。ここでナマニが意地で決めてジュース。ポーランドはポドレッツが、アメリカはやはりスコットが決めて25-25。ここでバーグのスパイクサーブがポーランドのレセプションを乱して、26-25とアメリカがセットポイント。最後はナマニがまたまた意地で決めて27-25。このセット終盤は、第2セットの屈辱を見事にナマミが晴らした形となった。ポーランドは、終盤に一度でもセンターの速攻を使っていれば・・・第1セットのアメリカのサーブが徹底して裏レフト狙いだったことで、パイプが使えない、引いては中央からの攻撃は使えない、というイメージになったのだろうか? スコットが完全に両サイドマークで動いていただけに、悔やまれるところだろう。

第4セット、やはり一進一退の攻防から、第3セット終盤の活躍で気をよくしたナマニが、ポーランドの3枚ブロックのインナーを打ち抜く見事なスパイクで8-6と一歩リード。しかし、ポーランドはリクトラスのサーブでアメリカのレセプションを乱して4連続ポイントで8-10と逆転。この場面でもナマニがハイセットを苦しい体勢で決めて、9-10。このセットはポーランドのブロックは、前セットでのスコットの打数を受けてかバンチに戻っている。それでもバウンが「高くて早い」Aクイックをものの見事に決めて13-14。ここでローガン・トムが連続で決め、15-14とアメリカが再逆転。スコボロニスカのバックアタックがライン踏み越し(ペネトレーション)で16-14。ナマニがまたまた決めて18-15。ローガン・トムの強烈なスパイクサーブでポドレッツのレセプションを乱し、もらったチャンスボールをバウンが再び「高くて早い」Cクイックを決めて、流れは完全にアメリカに傾く。ここからポーランドはミスを連発。サドレクがキレたように両サイドへ無茶なトスを上げて、最後はドリブルを犯してシリバへと代えられてしまう。これで勝負あり。最後もポーランドのミスで25-17。

勝負所の第3セット終盤、両チームともにブロック陣型がスプレッドになっているところでのトス回しが勝敗を分けた。サドレクは上手だが、まだその辺の駆け引きは出来ないようだ。第4セット終盤にキレて、強引な両サイドへのトスを上げる姿はどこか、同日セルビアに敗れたチームの正セッターと重なる気がしたのは私だけだろうか?!

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コメント

こんにちは。

詳細なレポありがとうございます。
自分は、去年CSフジを解約してしまったため、日本チーム以外の試合を見ることができないので、大変楽しみにしています。

しかし、今回の日本チームは何だかわくわくしないですね。佐々木というスーパーサブがいないだけなのにこんなに違うんですかね。
スタメン選手の調子が悪くても選手交代ができないチームなんて・・・
まったくなんざんしょ。

おまけに世界最小セッターを抱えるチームに2枚換えというオプションすらないとは・・・
4年前は一応、辻先発というゲームが2試合ぐらいあったと思うのですが・・・

なんだか、グチばかりになってしまいましたが、今後も渾身のレポを楽しみにしています。

投稿: ディーラー | 2007年11月 6日 (火) 23時27分

タイ戦で、一応2枚換えはありましたが、河合選手のサーブで終わりました。サーブ権が向こうへ行ったらどうしていたでしょうね?

投稿: T | 2007年11月 7日 (水) 01時09分

ディーラーさんのご意見を拝見して、私も佐々木選手の偉大さがわかりました。セルビア戦の最後の手詰まりの状況で(この辺はTさんの詳細な分析がありますが)、セッターがテンパッてしまっていたとしてベンチに出来ることはメンバーチェンジしかない。しかし、今の控えには代える選手がいない。

もし、佐々木選手がいたら栗原選手の所でも高橋選手の所でも代えられたと思います。佐々木選手はそれを意気に感じてがんばるタイプでしたし。柳本監督の選手の人選も疑問があります。何か、いっぱいセンタープレーヤーを揃えていますが、使うのはワンポイントブロック。ここ一発、流れを変えようという時に使える選手は選んでいないですよね。小山選手だったらまだ行けたでしょうが、大山選手では…。ウーン。

投稿: オリビア | 2007年11月 7日 (水) 13時21分

この場をお借りして。
どなたかブラジルーアメリカの録画ないでしょうか?見たいっ!

投稿: ナゾヒデ | 2007年11月 9日 (金) 01時29分

>ディーラーさん

こんばんわーー。

>去年CSフジを解約してしまったため

えぇぇぇぇ、そんなもったいない。確かに「バボChannel」なんかは見るに値しないほどの内容だし、あれですけど、せめて月ごとに契約変えられるわけだし、今からでも遅くないから再契約しませんか? 男子も始まってますし、女子も近いうちに再放送するはずですし、そうこうしているうちにV・プレミアも始まりますよー。

投稿: T.w | 2007年11月18日 (日) 23時46分

>オリビアさん

こんばんわ。無事、後藤さんから例のメーリングリストへのお誘いがありました。ざっと見ただけですが、確かに全然話が進んでないようですね・・・残念です。私もお役に立てるよう、微力ながら頑張りたいと思います。

>私も佐々木選手の偉大さがわかりました

何か、オリビアさんの口(コメント)から佐々木選手への褒め言葉が出るのは珍しいですね(笑)。
私は、本当は佐々木選手には全日本へ招集の声がかかっているのでは? と思っていたのですが(彼女の体調の問題で辞退しているのかと・・・)、今のままの全日本なら彼女には行って欲しくないです。

投稿: T.w | 2007年11月18日 (日) 23時54分

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