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2007年11月25日 (日)

(ワールドカップ2007女子)イタリア - アメリカ

前日に日本をあっさりと一蹴して2大会連続でのメダル獲得を決め、アテネ行きの切符という今大会の最大の目標を達成したアメリカは、この日ハニーフに代えてオポジットに若いブースを入れてスタートしてきた。このあたりは、海外勢はしたたか。今大会男子のオーストラリアが、大黒柱のハワード抜きでやってきたのと相通じるところがある・・・やはり各大会毎に「明確」かつ「現実的な(=身の丈にあった)」目標を設定して戦うべきだ。全日本男女、いや日本バレー狂会は、そういうところをよくよく考え直すべきだ。

第1セット、序盤は一進一退の攻防。中盤からイタリアは徹底してグラスにサーブを集める。この日は上述の通りにオポジットがハニーフでないため、アメリカは4枚レセプションを敷いておらず、グラスが後衛の場面では彼女はレセプションで精一杯・・・勿論パイプ攻撃には参加できず、ブースのバックアタックもまだチーム内での信用が薄いのか、全く使おうという様子が見られず、結果的にアメリカの攻撃パターンは前衛レフトの平行とセンタープレーヤーのブロードというワンパターンへ追い込まれる。その状況でイタリアは日本戦同様のブロックシステムを敷き、バウンがそのプレッシャーに負けて彼女にしては珍しい連続スパイクミスを犯して、16-14とイタリアがリードしてセカンドテクニカルタイムアウト。セッターのバーグがツーアタックを決めて、イヤな流れを断ち切り16-15。17-16からフェレッティはアゲロのレフトへのハイセットに頼り、それを彼女が超インナーへたたき込んで、18-16。ローガン・トムが珍しい繋ぎのミスを犯して、19-16。バーグはスコットの速攻に頼るも、それをイタリアに拾われてラリーに持ち込まれ、次はローガン・トムのパイプに頼るもトスが合わず、20-16。終盤バルボリーニ監督はいつも通りにフェレッティにピンチブロッカーのグイッジを投入、それがまたまたバウンのスパイクミスを誘って、24-19とイタリアがセットポイント。最後は、ジョーリがフェイントを決めて25-20。イタリアが1セットを先取。セット中盤以降、イタリアの戦略に追い込まれて、アメリカがミスで自滅した形。

第2セット、アメリカはブロックマークに潰されたバウンを、ブラジル戦で活躍したジョインズに代えてスタート。このセットも序盤から徹底してサーブでグラスが狙われ、ジョインズもデルコーレにシャットされて4-2とイタリアがリード。頼みのローガン・トムのパイプもバラッザ・ピッチニーニ2枚がきっちり揃って、バラッザがシャットし、8-5。ブースのライトからのバックアタックがほとんど見られないことで、このセットはイタリアのブロック陣はデディケート気味。カルドゥロのスーパーレシーブで繋いだボールに、アメリカがしびれを切らしてスパイクミスで、13-7。ここでアメリカは開き直ったのか、若いブース・グラスにトスを集めて、この試合初めてグラスがパイプを見せ、イタリアブロック陣は1枚にされて、13-10。アゲロをローガン・トムが止めて、13-11とアメリカが追い上げるも、続くラリーではきっちりアゲロが決め返して、14-11。ここで郎平監督はブースをオーモーサントスに、バーグをナマニへ代える2枚替えを見せて、何とか流れを変えようとするが、ジョインズの速攻にジョーリが1枚でリードでつかれて、彼女が弱気にミス。結局アメリカはセンター線が決まらない。こうなると中央からの攻撃はローガン・トムのパイプしかなく、連続でオーモーサントスが使うも、イタリアもわかっていてきっちりディグで繋がれてしまう。ラリーになれば、若いフェレッティはアゲロに頼るトス回しとなるも、アゲロはきっちり2枚ブロックをはじき飛ばして、21-15。このセットはこれで勝負あり。バラッザが2枚きっちりブロックを跳ばれたのをあざ笑うかのようにフェイントで決めて、24-18。最後もジョインズの速攻をジョーリがきっちり1枚でワンタッチを取り、トランジションでデルコーレがフェイントを決めて、25-18。

第3セット、アメリカは再びバウンを戻し、セッターはオーモーサントスでスタート。1-1からジョーリのブロード2連続で、3-1。アゲロのサービスエースで4-1と、このセットもイタリアペース。しかし、ローガン・トムがジョーリをシャットし、さらにブースのサービスエースで、4-4の同点。セット中盤からは、前セットでイタリアのブロック陣がデディケート気味となっていたのをオーモーサントスはきちんとコート外から確認していたのか、これまでほとんどなかったブースのライトからのバックアタックを多用して、7-8とアメリカがリードしてファーストテクニカルタイムアウト。これで、アメリカの攻撃システムが機能し始めるが、アメリカはサーブミスを連発して流れを掴みきれずにイタリアに逆転を許してしまう。アゲロのライトからのバックアタックを連続でシャットして15-14と追い上げて、ようやくアメリカに流れが来る。バラッザの速攻をリベロのデービスがきっちりコースに入ってファインディグを上げ、ラリーからブースが決めて17-17と追いつき、デルコーレにブロックでプレッシャーをかけてミスを誘い、17-18と逆転する。直後またグラスがサーブミスで同点とされると、郎平監督はそのグラスをシコラに代えて守備固め。ローガン・トムが技ありの軟打を決めて、19-20。ブースに連続してライトからのバックアタックを使うも、デディケートでもきっちりイタリアの2枚ブロックが空中で間に合い、コースを抜いてきたところをカルドゥロがファインディグを連発。ジョーリが決めて一進一退。21-21からバルボリーニ監督はフェレッティをグイッジに代えるいつもの戦略にでて、そこでまたまたバウンがプレッシャーに負けてスパイクミス(この試合何回目?)で、22-21。ジョーリがサービスエースで23-21と、イタリアが王手をかけるが、アメリカはスコットが頑張り、23-23と同点。ここでアゲロがライトからのバックアタックを決めて、24-23とイタリアがマッチポイントを握ると、アメリカはローガン・トムのパイプに頼り、それがイタリアのタッチネットを誘って、24-24とジュースへ突入。フェレッティはアゲロのレフトのハイセットに頼り、勿論アメリカもわかっていて3枚ブロックが揃い、アゲロのスパイクミスを誘って、24-25とアメリカがセットポイント。フェレッティは3本連続でアゲロのレフトへのハイセットに託すも決まらず、トランジションでローガン・トムのパイプを使って、イタリアのブロック陣はノーマークとなるも、気負ったローガン・トムがスパイクミスで、25-25。この1本が大きかった・・・グラスとスコットが交錯して26-25とイタリアにセットポイントが来て、最後はブースをバラッザがシャットして、27-25。

イタリアの見事な全勝優勝! に終わった今大会だった。昨年の世界バレーでは予選ラウンドでの戦いぶりは(レベルの高いPool B/C・Pool Fにイタリアが入らなかったので)ほとんど見ておらず、準決勝でのロシア戦で不甲斐ない戦いぶりを見せた印象ばかりが強く、かなりのダメ出しを書いたが(個人的にはカッチャトーリに始まり、現在はロビアンコとイタリアの歴代セッターのヴィジュアルに陶酔しているのだが(爆))、期待通りに巻き返して来てくれてうれしい限りだ。日本も含めて各チームについては、このあと総括で述べる。

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コメント

T.w さん、こんにちは。
海外の試合内容のレポートは、観ることの出来ない自分にとって、とっても助かります。
ワールドカップ2007女子の日本最終戦、
VSブラジルは多治見選手がスタメンでしたね。ぜひ、 T.w さんに、日本VSブラジルのレポートなどもしていただけたら、うれしいです。

ワールドカップでの内容で、世間では柳本監督に対しての不信感なども出ているようですね。(今更?という感じもしますが・・・) 
T.w さんが、もし全日本の監督を託されましたら、最終予選までにどのようなチームを作り上げますか?物凄く興味があります。

投稿: 8753 | 2007年11月29日 (木) 09時53分

>8753さん

こんにちは。ブラジル戦はビデオには撮ってあります(あちゃこがスタメンと聞いて(笑))。が、まだ見てません(苦笑)。

>T.w さんが、もし全日本の監督を託されましたら

そんな、大それたことは考えられませんよー(笑)。
むしろ、全日本相手にどう戦うか? なら考えやすいですね(爆)。多分、吉田敏明監督も今年のV・プレミアでは考えていると思うのですが・・・それもあって、今年はオポジットに入れる長身の外国人選手をとったのかなぁと。ライト側のブロックを高くして(セッターも若干ジャンプ力も落ちてきた内田役子(元)選手から若いユミ(171cm)に代わりますし)、例えば日本のバレーでありがちな、センターのライト側へのワンレッグ攻撃と比較的低身長なレフトの選手の高速レフト平行のコンビネーションに対して、ライトブロッカーがマンツーマンでバンチからはリリースされて相手レフト平行をマークし、ストレートを打たせないようにして、クロスをリベロのガッツに拾わせる。一方ワンレッグ攻撃に対しては、バンチで2枚で対応し、クロスに打ってこられる or フェイントされたボールをライト側のレシーバーのセッターが拾って、それを前衛センターかレフト側のレシーバーのリベロのガッツがライトへトスを上げる。センターがワンレッグ攻撃を行った場合、相手チームにトランジションで攻撃を繰り出された場合、センターが相手のライト側の攻撃に対してブロックを跳ぶのは困難なので、徹底してライト側から攻撃を仕掛ける・・・。今年のパイオニアのブロックシステムは、バンチ・リードに加えて、このような形が見られるのでは? と勝手に想像してます。

投稿: T.w | 2007年12月 7日 (金) 00時17分

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