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2007年11月 3日 (土)

(ワールドカップ2007女子)ブラジル - ポーランド

ブラジルはジャケリネが復帰! 故意のドーピングではなかったとの判断で、温情措置が採られた模様。そうなるとスタメンはレフトにジャケリネ・パウラ、センターにバレウスカ・ファビアナ、オポジットにシェイラ、セッターがフォフォン、リベロがファビと"万全の"メンバー。一方のポーランドは、今大会直前にセッターのシリバが現役復帰しており、そしていきなり開幕スタメンで出て来た。

第1セット、序盤の攻防からまずブラジルがファビアナのサーブでポーランドのレセプションを乱し、5-2と流れを掴む。さらにシェイラのサーブでもポーランドのレセプションを乱して、一気に8-3とリードしてテクニカルタイムアウト。そのタイムアウトあけ直後にもシェイラがノータッチエースを決めて、早速ブラジルはお祭りムード。ポーランドは仕方なく、グリンカに頼って何とかムードを切り替えようとするが、彼女の強打をリベロのファビがファインディグで繋いで、それをシェイラがパイプで決めてしまう。どうやらポーランドのブロック陣はスプレッドになっている・・・どおりでパイプが炸裂するわけだと思いきや、スプレッドなのに今度はジャケリネのレフト平行について行けない・・・当然ファビアナの速攻にも1枚しかブロックにつけず、弄ばれているよう・・・。困ったポーランドは後衛の場面でレセプションを崩されたグリンカを下げざるを得ない展開で、代わった選手も早速狙われてサービスエースを取られる始末で16-8。またまたファビアナのサーブで崩され、浮き足だったポーランドは現役復帰した大ベテランであるはずのシリバがドリブルを犯してしまう。直後はレフトへトスミスを犯し、サドレクへと交代。セッターが交代しても、流れは全く変わらずまたまたファビアナにサービスエースを取られて、気づけば22-9と一方的な展開。最後はパウラが決めて25-12。このセットで勝負あった、といっても過言ではない。

後で見直すとポーランドのブロック陣が試合開始早々からスプレッドになってしまっていた時点で、「ブラジルには勝てない」と言っているようなもの。スプレッドになっていても、それでもパウラ・ジャケリネの高速レフト平行について行けず・・・それじゃぁスプレッドにしている意味がない、ってことで勝てるわけがない。

第2セット序盤も5-3とブラジルリードで、再びポーランドのセッターシリバがベテランらしからぬトスミスでブラジルのポイント・・・と思ったら、なぜかポーランドのポイントと主審がジャッジ。明らかなジャッジミスでブラジルが猛抗議して試合一時中断・・・と思っていたら、主審が審判台から降りてきて・・・どうやら体調不良のようで、前代未聞の試合途中での主審交代劇。で、交代した途端、やはり判定はブラジルのポイントへと覆り、気づけばこのセットも14-6。ロスネルと交代したポドレッツが活躍して終盤ポーランドが追い上げたものの、最後は1セット目に続いて、パウラが高速レフト平行をポーランドコートへたたき込んで25-20。

第3セット、ポーランドは2セット目好調だったポドレッツを入れ、またセッターをシリバからサドレクへ代えてのスタート。シリバの現役復帰はある意味注目だったが、この試合に限ると足を引っ張った感が否めず仕方ない交代。1・2セットに比べれば点数的には競ったものの、結局ブラジルは一度もリードを許すことなく、最後はバレウスカが決めて25-22と、ブラジルのストレート勝ちに終わった。

ブラジルとしては、初の3大大会制覇へ向け、完璧なスタートを切ったと言えるだろう。昨年の世界バレーでは、結局のところ「サッサのチーム」だったことが金メダルを逃す最大要因になってしまったわけだが、特にこの試合では、出産明けのパウラが"完全復活"しており、ジャケリネと2人揃えば、もう179cm「しかない」サッサに頼る必要は全くないところだろう。

それにしても、世界の女子バレー界の戦術は、やはり予想通りに男子の後を確実に追いかけている・・・パウラのレフト平行は、フォフォンのトスアップから何秒でスパイクヒットしているだろうか・・・アテネオリンピック当時の世界一の高速レフト平行、楊昊へのトスより全然「早い」! しかも彼女のパイプは男子でいうところの「高速パイプ攻撃」の領域に足を踏み入れている(「Aクイックとネットから少し離れたバックセミ」といったコンビが見られた・・・「高速パイプ攻撃」についてはこちらを参照のこと)。だが、これは決してブラジルだけに当てはまることではなく、ポーランドのウイングスパイカー陣にも概して言えることで、グリンカやポドレッツと言った「大砲」アタッカー陣までもが、「高くて早い」レフト平行トスを当たり前のように打ちこなしていた。試合内容は一方的であったために、期待したほどには楽しめない試合だったが、そういう観点から見ると、去年のワールドグランプリの頃に「近い将来に」と予想したとおりの、両サイドの高速平行バレーが当たり前の時代が、世界の女子バレー界で目前に迫っていることを、否応がなしに見せつけられたような試合だった。

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コメント

こんにちは。

>パウラのレフト平行は、フォフォンのトスアップから何秒でスパイクヒットしているだろうか

頼まれてもいないのに、という気もいたしましたがコマ送りにて調べました。

レフト平行
パウラ   0.87~0.90″
ジャケリネ 0.99″
ルイザ   0.99″

ロングB(?)
パウラ   0.78″

これからも試合のレポ楽しみにしております。

投稿: 渡り鳥 | 2007年11月 5日 (月) 11時52分

>渡り鳥さん

ひょっとして、私の無言のプレッシャー感じて頂けました?(笑)

やはりパウラがブラジルの中でも一人抜きんでているようですね。私の感覚は正しかったようです(まるで、4年前のブラジル男子のジオバーニが今のパウラにはダブって見えます)。多分、ロングB(?)って書いてらっしゃるのが、私が書いている高速レフト平行だと思います。

因みに、キューバもやっぱり「早い」ですね。キューバのレフト攻撃の方が日本の「はやい」攻撃よりも「はやい」! ショッキングな真実です。

投稿: T.w | 2007年11月 9日 (金) 00時01分

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