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2007年11月17日 (土)

(ワールドカップ2007女子)ポーランド - セルビア(その2)

第1セット序盤、ポーランドの両サイドの「高くて早い」高速平行に対して、セルビアのブロック陣は案の定ついていけず、常に追いかける形で14-17と3点のビハインド。さらに、ここでロスネルのライト攻撃にやはりブロックが1枚にされてしまって、強打が決まったかと思った瞬間、ブラコチェビッチがファインディグで何とかエンドラインコート外へ上げ、それをモルナルが諦めずに追いかけて繋ぐ粘りを見せ、最後はニコリッチがストレート側へのブロックアウトを取って、セルビアに流れが来る。直後にモルナルがサービスエースで16-17と1点差。ニコリッチのスパイクサーブでレセプションを乱し、ポドレッツがネットにかけて遂に20-20の同点。ここから一進一退の攻防で、ジェケビッチの速攻で先にポーランドがセットポイントを握るも、ニコリッチがまた冷静にストレート側へのブロックアウトを取って24-24のジュース。ポーランドはスコボロニスカのライト平行に頼り、案の定セルビアのブロックはバラバラになったが、スコボロニスカがコースを切りすぎてスパイクアウトで、25-24。最後はニコリッチがまたまた冷静に今度はエンドライン奥へのワンタッチを取って、26-24。セルビアが1セットを逆転で先取。ニコリッチのセット終盤に見せた冷静なプレーが光った。すっかり、世界選手権(世界バレー)銅メダルの風格が漂ってきた。

勢いに乗ったセルビア。一方、メダル争いからは完全に脱落し、前日は日本に不甲斐なく逆転負けを喫して、モチベーションを保てないポーランドが第2セットのスタート早々にミスを連発し、いきなりの5-0でポーランドのタイムアウト。直後もニコリッチが決めて6-0。スコボロニスカは完全に集中力が切れ、高速ライト平行について来れていないセルビアのバラバラな1枚ブロックにまともにぶつけて9-3。13-7とリードされて、ポーランドベンチは前衛に上がってきたロスネルに代えてグリンカを投入。14-10から彼女がニコリッチのハイセットに対してブロック参加して3枚ブロックが完成し、ジェケビッチが見事にシャット。逆に彼女自身は相手の3枚ブロックを打ち抜いて、ポーランドが追い上げ体勢に入る。しかし、スコボロニスカが高速ライト平行・ライトバックアタックと立て続けに相手のレフトブロッカーに止められ、追いつけそうで追いつけない。が、グリンカがブロックを決めて遂に20-20の同点へ。さらに、第1セットにはほとんど決まっていたニコリッチをジェケビッチが見事にシャットして、21-23。これでポーランドの選手達にスコボロニスカ1人を除いて気力・集中力が戻ってきた。最後はポドレッツがフェイントを決めて、23-25。第1セット同様、逆転で今度はポーランドが取り返す。

第3セットは第2セットの全く逆で、勢いに乗ったポーランドが走る。いきなり5-0のリードを取り、そのまま25-12で連取。スタメンは、第2セットの流れを呼ぶきっかけとなったグリンカがロスネルに代わって入っている。第2セットで集中力がキレてしまっていたスコボロニスカには、全くトスも上がらず、何もしていないかの如くだったが、このセットに関しては、両チームのシステムブロック力の差がもろに出た形だった。

この流れで、一気に走れないのがポーランドの勝負弱さか? 第4セット、4-3からセルビアが久々のブロックをグリンカに見舞って、5-3とセルビアが主導権を握り、モルナルのスパイクサーブでポーランドのレセプションを乱して、ツィタコビッチがジェケビッチの速攻をシャットし、10-5。さらにモルナルのサービスエースで、11-5。スコボロニスカが久々に豪快にパイプを決めるが、直後にまた弱気なスパイクをツィタコビッチに止められ、13-6。ブラコチェビッチの強烈なスパイクサーブが前衛レフトのポドレッツを襲って、スコボロニスカに頼れないサドレクとしては残り選択肢はグリンカのバックアタックしかなく、そうなればセルビアのブロック陣でも間に合う・・・ツェタコビッチが遅れながらに空中で間に合ってシャット、19-12。最後はニコリッチが豪快に決めて、25-19。
ポーランドのセッターのサドレクに、センターの速攻を使う余裕が気持ちの余裕があれば・・・何回も書いている気がするが、サドレクはトスアップの技術は上手だが、トス回しが下手だ。第3セットの完勝の流れを考えれば、センターの速攻を序盤から使えば、セルビアのブロック陣はガタガタになったはずなのに。少しレセプションを乱されると途端に両サイド一辺倒となるトス回しが、システムブロック力に難のあるセルビアに付け入る隙を与えてしまった。

そして第5セット、ツェタコビッチのブロードをポドレッツがまともにシャットし、ポーランドが主導権を握る。機嫌を良くしたポドレッツが連続してスパイクを決め、4-1。大黒柱のニコリッチがスパイクミスを犯し、6-2。ブラコチェビッチがスコボロニスカにシャットされて7-2と、ほぼ勝負あった。終盤セルビアは必死の3枚ブロックを多用するが、スコボロニスカ・ポドレッツが連続して3枚ブロックを打ち破り、最後はニコリッチへのライト平行トスがトスミスとなって15-10。やはり、最後はブロック力の差で、ヨーロッパ勢対決はポーランドに軍配が上がった。

セルビアのブロックシステムの稚拙さは、昨年と比してもさほど修正されてはいなかった。今年もブラジルに子供扱いされるだろう姿が、目の前に浮かんだ。

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コメント

こんばんは。今回のW杯から「なるほど」と、勉強しながら拝見させていただいています。

バレーボールはよく見てます(といっても国際大会だけですが・・・)。W杯2007女子の全日程も終了しましたね。日本は最低の7位とニュースではやってますが、実質の世界ランクは現状でも10位辺りのはず。。北京が恐ろしい。

イタリアと平均身長4cmしか違わないのに、この力の差はなんで?とは思ってました。日本のコートはいつもバタバタ慌てているようにみえるし、なんか必然的に点を取ってる気がしないんですよね。得点に偶然の作用が大きいような、こうすれば点を取れる、勝てるという確固たるシステムがないような・・・。
個々の選手の差だけじゃなくて「なんか根本的に違うんじゃないか?」と。「もし今の日本の目指す理想のバレー?が完璧になったとして、それでも世界には勝てないんじゃないか?」と感じていましたが、その疑問が氷解しました。日本が上位チームとどこが違うのかがよく分かりました。川合・中田と交代して欲しいです(笑)


毎回ROMばかりで申し訳ないと思い、感謝を込めてコメントさせていただきました。お忙しいと思いますので、お返事は結構ですよ。
今後とも勉強させてください(^。^)

投稿: たろう | 2007年11月17日 (土) 03時42分

>たろうさん

初めまして! コメントありがとうございます。

もしよろしければ、是非私の質問に(時間をかけてもいいので)答えて頂けないでしょうか?

バレーを見るのは国際大会だけでらっしゃるとのことですので、全日本だけをご覧になってらっしゃるということですよね?(別にそれが悪いという意味で書いてるわけではないですので、気を悪くしないでくださいね)ということは、恐らくは地上波でのバレーの国際大会を見ているバレーファンの圧倒的多数をたろうさんは代表してらっしゃると思うのです。だからこそ、たろうさんの率直なご意見を伺いたいです。

今の地上波のバレー放送をどう思われますか?

このブログにコメントを頂いている方々は、かなりコアなバレーファンの方が多いので、地上波の放送がどうであろうと文句を言いながらも仕方なく、というか半ばあきらめつつ見ているというのが現状だと思うのです。テレビ局にとって視聴者として「想定」しているのは、そういうコアなファンではなく、たろうさんのように国際大会しか見ないようなファンだろうと思うので、だからこそ、たろうさんにお伺いしたいです。

全日本が「メダルが狙える」かのような誤解を招かせる報道を懸命に行い、世界の各国の試合の様子は全く流さない。試合中も戦術に関するコメントはほとんどなし。全日本を否定するようなコメントは厳禁。まぁ実際、それで騙されているファンがいっぱいいるから、テレビ局は毎年毎年同じことを繰り返すんでしょうけど。

どういう中継に生まれ変われば、全日本バレーだけじゃなくて、バレーそのものが好きになる、面白いと思えるようになると思われますか?

是非、ご意見をお願いします。

投稿: T.w | 2007年11月25日 (日) 16時17分

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