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2007年10月28日 (日)

『日本女子バレーコンプリートガイド』

美雁さんが「ふふふ」と勿体ぶって書いていただけのことはあります。




『中西美雁の日々是排球』より引用

今回校了した本は(えーと、そうです。本を作ってたんです。女子バレーの)、割と異色な内容かな…。まあ構成や台割りなんかは私の担当ではないので、ワールドとナンバープラスとかバーサスなんかの中間て感じでしょうか。



「割と異色な内容」と彼女が書いているところに、相当に期待をして待ってましたが、実際期待に違わぬ内容になっていました。

内容が結構濃いので、まだざぁーーとしか読んでいませんが、それでも充分に伝わってくる「異色な内容」とは、、、

・全日本女子の現在の問題点が、「客観的」かつ「(日本バレーボール狂会側でなく)バレーファン一般の視点」に立って的確に指摘されており、ワールドカップで「メダルが狙える」などという煽りが一切見られないこと
(18人の登録メンバー中で、レセプションに参加できるウイングスパイカーが不足していて、高橋・木村両選手の交代要員が事実上菅山選手しかいない、とはっきり明言しており、「12人全員で戦い、連戦の中で特定の選手に疲労を蓄積させない采配が重要になる」とまで書かれている)

・裏も取らずに適当に(若しくは、日本バレーボール狂会及びマスコミにとって都合良いように)事実と異なる海外チームの事情を書いている様子はないこと
『月バレ』でのカジースキに関する例の一件はともかく、先日発売された『がんばれ! 全日本女子バレー vol.9』に堂々と書かれていた「ブラジルは主力のジャケリネをワールドグランプリでは温存」といった、大概のバレーファンなら騙されないバカげた嘘は、少なくともないようだった)

・V・プレミアリーグの各チームの特徴が、的確な「戦術面からの」分析を織り交ぜて記述されていること
(武富士やパイオニアのブロックシステムがバンチ・リードブロックシステムであることは勿論、デンソーのそれが「ネットからやや離れた位置に構えて」行うシステムであることまで記載されていた)


などで、彼女が本当に書きたいと思っているものに近いものが出来上がったんだろうな、と思わせるものでした。

同じく『中西美雁の日々是排球』より引用

メディア的には挫折とそれをバネにした復活って、美味しいネタですからね。
海外修行とか。人より若くしてデビューとか。
自分はそういう「メディアの文法」的な無難な文章じゃない、掘り下げたもの、対象となる選手やチームに、ある意味戦いを挑むようなものが書きたいと思ってるわけですが。
戦いを挑むって言うとすぐ誤解されがちなんですが、根拠のないバッシングと批判は違うと思うんですよね。
根拠のないバッシングと、根拠のないよいしょって、根っこが同じの双子の兄弟だと思ってるんで。

通り一遍のきれい事でない、掘り下げるようなドキュメンタリーって選手やチームだけじゃなくて読者にもそっぽを向かれる覚悟とエネルギーはいるし、、、、現況、発表する場がないんですよ、ぶっちゃけ。

バレーファンとしては、今回の雑誌出版を引き受けてくれたJTBさんには感謝しないといけませんね。
ぶっちゃけ、このブログを普段から読んで下さっている皆さんには、この雑誌を宣伝する意味はないように思います。だって、普段からこのマニアックな(爆)ブログを、飽きずに読んで頂いているような方なら、別にこの雑誌を読んで新たに得られるものが多いとは正直思えませんから。でも、それでも是非買って頂きたいし、周りにも是非宣伝して頂きたいのです。なぜなら、「こういう視点で書かれた雑誌こそが売れるのだ」と、出版業界に気づいてもらいたいから。

バレーにもミーハーファンだけでなく、マスコミの情報操作に決して操られないコアなファンが相当数存在する・・・そのことが明らかとなれば、日本バレーボール狂会にとって都合の良いことだけを書き立てるライター達も苦しい立場に置かれるようになるはずです。情報操作に長けた、日本バレーボール狂会トップに君臨する勢力も力を失うはず・・・その一心で宣伝します、『日本女子バレーコンプリートガイド』。

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コメント

ぜひ読んでみたい一冊です。勇気ある挑戦に頭が下がります。

食えなければ意味がない、というのはフリーライターの宿命ですよね。でも、よいしょ(あるいはアンチ)に走らないと「食えない」のか。日本人のリテラシーってそこまで低いわけないよね、って思いたい。

せめて自分が好きだと思えることぐらいは”目利き”でありたいですよね。

投稿: rio | 2007年10月28日 (日) 10時38分

早速読みました。いくつかのミスや誤植はありましたが、全体的にはとても意欲的かつこれまでにはなかったタイプの本だと思います。全日本の監督や実力への妙なヨイショや「メダル確実」といった煽りはありませんし(管理人様ご指摘の点のほかにも「大型化が実現できず一貫した戦略がない」「高橋の平行とセンターのブロードに頼りがち」「二段トスを打ち切る力とブロック力の不足」など、見ていればわかってもマスコミがきちんと指摘してこなかったことがしっかり書かれていましたから)、Vの各チームがどういうチームかをしっかり解説している本というのは、過去になかったんじゃないでしょうか。
毎年出る「チームの顔」は、選手の個人データやプライベートの断片は見られても、そのチームがどんなスタイルのチームで、長所弱点はどこなのかについてはほぼスルーされていますし。

ただ、情けなくもなりました。選手にはむしろ失礼な褒め殺しや過大評価なしに、全日本とVリーグを一緒に紹介してリーグの認知度を上げるような本は、本来協会が旗を振って出す性質のものじゃないですかね?
それを一人を中心にした何人かのライターさんと、スポーツに強いとはお世辞にも言えない旅メインの出版社がやってくれたわけですから。
今後こういった角度からの本がまた出ることを心から希望します。

投稿: まる | 2007年10月28日 (日) 22時58分

>rioさん

こんにちは。ひょっとして、買って頂けました?(笑)
Amazonアソシエイトで、この『コンプリートガイド』が、過去紹介したどの雑誌よりも圧倒的に注文が入ってるんですよ〜。ちょっとうれしい悲鳴かも(って言ったって、還元最低額にもぜーんぜん達してませんけどね)。


>まるさん

初めまして!コメントありがとうございます。

>むしろ失礼な褒め殺しや過大評価なしに、全日本とVリーグを一緒に紹介してリーグの認知度を上げるような本は、本来協会が旗を振って出す性質のものじゃないですかね?

仰るとおりで、本来はそうあるべきですよね。でも、結局協会も「全日本の人気」に過剰なまでに頼りすぎなのが問題の本質かもしれません。毎週届く「Vリーグ・メールマガジン」も「Vリーグ・・・」なのに話題はもっぱら全日本の話題が中心で、Vリーグ関連の話題は、「そんなのメールマガジンに載せなくたって知ってるよ・・・」という話題しか書いてありません。「Vリーグ・メールマガジン」なんてものに登録している人間が、どんなに世の中的に「偏った」人間なのか? どんな人が読者なのか? 全然考えていませんね。協会にとっては「バレーボールファン=無知でただ一途に全日本を応援してくれるファン」なのでしょう。「全日本の人気」が全てである以上、「全日本」への期待や希望を失いかねない内容は協会的には御法度なんでしょう・・・。

でも、少しずつではありますが、状況も変わりつつあるかなと思っています。『コンプリートガイド』は勿論、そのあと出た『Number PLUS 〜全日本女子バレー完全読本〜』でも、「男子バレーから見た女子バレー」というタイトルで、久光の真鍋監督・東レ男子の小林コーチが、全日本女子というか、日本の女子バレー界の「戦術上の」問題点を語っているコーナーがありました。書かれたライターの方はどうやらブログをご覧のようで「自身のブログで男子バレーの視点から全日本女子の戦いを分析し、反響を呼んでいる」と小林コーチのことを紹介されてます(小林さんのブログ『排球参謀』でも紹介されてます)。ブログの力って、かなり大きいですよね。ワールドカップも始まりましたし、私も頑張って更新しますし、是非とも「真のバレーファン=戦術を見ることのできる冷静なファン」であることを世の中にアピールしていきたいと思います。

投稿: T.w | 2007年11月 3日 (土) 13時23分

こんにちは。本日届いたので、さっそく隅から隅まで一読しました。次は隅から隅まで熟読します(笑)。

レビューをブログに掲載しました。結果に批判の割合が多くなってしまいましたが(栗原の記事に関しては、編集者と取材者の立場で難しいところもあったんだろうな、と想像しております)、よい雑誌であることにかわりはありません。

この装丁、内容で1050円はお買い得でした!

投稿: rio | 2007年11月 5日 (月) 23時29分

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