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2007年5月13日 (日)

黒鷲旗女子決勝〜JT-久光製薬(その2)

そしてJTの王手のかかった第3セット、両チームの間を細かく流れが行ったり来たりしつつ、やはり接戦のまま向かえたセット終盤。ここでJTは、それまであれだけ高木選手で流れを作っていたにもかかわらず、この大事な場面ではやはりケニー・谷口両大黒柱に頼ってしまった。それを見透かしていたというべきか? いくら高木選手に決められても終始ケニー・谷口両選手にブロックマークを集めていた久光にとっては、格好のカモとなってしまった。ケニー選手のパイプを先野選手がシャットし、24-22とこの試合初めてのセットポイントを握り、最後は谷口選手の高速レフト平行がミスとなり、25-23で久光が1セットを取り返す。

第4セットに入り、遂に王者の久光に勢いが出始め、橋本選手のスパイクサーブでJTのレセプションを乱し、16-12と中盤でJTを引き離しにかかる。が、JTも簡単には引き下がらない。谷口選手が連続で決めて追い上げ体制へ入り、ピンチブロッカーで竹下選手に代わって出た久保選手が見事にケニー選手へパイプのトス上げて、21-20の1点差。橋本選手の見事なサービスエースで24-22と久光にセットポイントを奪われるも、先野選手を3枚ブロックで宝来選手がシャットして24-24のジュースへ。直後にピンチサーバーの小酒選手のサーブで成田選手のレセプションを乱して24-25と逆にJTがマッチポイント。しかし、小酒選手がサーブミスで再び25-25のジュースとなり、その場面で竹下選手は久光ブロック陣の裏をかこうとしたのか? トランジションで谷口・ケニー両選手ではなく宝来選手にセンターオープンを上げて、久光の3枚ブロックに見舞われる結果となる。直後は当然宝来選手にはトスは上げられず、谷口選手に頼るもそれは見え見えでフェヘイラ選手にシャットされて27-25。V・プレミア決勝に続いて、この両チームの戦いはフルセットに持ち込まれる。

そして運命の第5セット。5-5の同点からケニー選手のサービスエースが出てJTがリード。そのサービスエースもそうだったが、JTに試合開始当初から執拗にサーブで狙われ続けて、遂にしびれを切らしたのか狩野美雪選手がミスを連続して犯して7-8とJTの1点リードでチェンジコート。高木選手のサーブミスで同点となり、直後にこの日4本のサービスエースを決めていた橋本選手のサーブにJTのレセプションが乱されたが、再び狩野美雪選手がミスを犯してしまい、久光は勢いに乗れない。逆にJTは位田選手をピンチサーバーとして投入し、トランジションでケニー選手がきっちり決めて11-12。直後も位田選手のサーブで久光のレセプションを崩し、フェヘイラ選手の強打を菅山選手が見事なディグで繋いでケニー選手に託したが、それを大村選手が見事にシャットして12-12。成田選手のサーブでレセプションを乱して、トランジションでフェヘイラ選手が強打を決めて13-12。絶体絶命の場面でJTは当然ケニー選手に頼るも、狩野美雪選手が見事なファインレシーブをみせ、それが直接JTコートサイドラインぎりぎりに落ちるラッキーポイントで14-12と久光のマッチポイント。フェヘイラ選手のスパイクミスで14-13となるも、直後に彼女が決め直して15-13。2セットダウンからの大逆転で、久光製薬の黒鷲旗2連覇となった。

どのセットも最後の最後まで勝負がどちらに転ぶかわからない、素晴らしい決勝戦であった。JTがV・プレミアリーグ王者である久光を、ここまで追いつめることが出来た要因としては、やはり高木選手の成長が挙げられるだろうが、実は谷口選手のレセプションの安定ぶりも見逃すことは出来ない。これまでJTと言えば、「強いときと弱いときの差が非常に激しい」チームであり、その重大な要因として、レセプションの不安定さ・トランジションでの繋ぎの脆さがあった。後者についてはこれまで度々書いているとおりであり、寺廻監督が恐らく昨年のシーズンオフから最も力を入れて強化した部分であろうが、前者についてもV・プレミアリーグ終盤から非常に安定した。V・プレミアリーグのファイナルラウンドからこの日の黒鷲旗決勝まで、大事な試合でこれだけ谷口選手が安定したレセプションをみせるとは正直(失礼ながら)予想外だった。
しかし、それらをもってしても、久光を倒すことはやはり出来なかった。1セット目以外が最少得点差であり、その意味で「男子バレーの領域」と言える今年の黒鷲旗決勝戦の勝敗を分けた「紙一重の差」は、チームとしての勝ちパターンの数の差にあると言えるだろう。いくら高木選手が活躍しようとも、今シーズンのJTというチームは、相手チームがどうあれ「ケニー・谷口両選手が決めて勝つ」というパターンでしか勝てないのである。それを見抜いて、2セットを連取される絶体絶命の状況に追い込まれても、ブロックシステムを変えなかった久光の戦略は見事であった。

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