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2007年4月 6日 (金)

今シーズンの4強

昨年に続いて、4強に残ったチームについてまとめてみたいと思う。

結局、何だかんだ言ってもシーズン開幕当初から注目して、細かくこの場でコメントしてきたチーム(久光製薬・JT・武富士)が残る結果となったわけだが、まず久光製薬から、シーズン当初の戦いぶりと終盤の戦いぶりに変化が出て来ているのか? を中心にまとめてみたい。

今シーズンの久光はリベロの佐野選手・オポジットの成田選手・レフトの狩野選手を軸として、昨シーズン以上の堅いレセプションを展開する一方で、ケニア選手よりミスが少なく早い攻撃の出来るフェヘイラ選手・そして久光「本来の」センター線(先野・大村両選手)を中心とする攻撃を繰り出し、攻守とも一見「死角のない」ように見える程の堅実なバレーを展開できるという点が、何よりもの強みであった。
しかし、これまで何度も書いてきたとおり、一見無いように見えた「死角」として、昨シーズンあれほど決定力のあったトランジションでの攻撃が、今シーズンは明らかに低下している点が挙げられた。シーズン中盤までは、大黒柱の先野選手のずば抜けた個人能力により、何度も苦しいトランジションの場面を凌いで勝利を重ねてきたが、その「死角」を克服する打開策のないまま第3レグに入り、大黒柱の彼女にアクシデントが生じると、助っ人のフェヘイラ選手一人に頼らざるを得なくなった。第2レグから狩野選手に代わって落合選手がスタメンで出る試合が増え始め、真鍋監督としてもバンチ・リードブロックシステムとそれに連動するトランジションでの攻撃システムに難があることを悟ったのか? と思いきや、先野選手の故障が影響してか? リーグ終盤には結局また狩野選手をスタメンに戻してしまった、、、。先野選手が復帰してからの久光の戦いぶりは目にすることが出来なかったわけだが、昨シーズンの決勝戦を見ていても、失礼ながら真鍋監督に短期間での修正能力が高いという印象はないだけに(それは本格的な監督業を始めてまだ2年目故、仕方がないことであろう)、これだけの大きな致命的欠陥の打開策が果たして決勝ラウンドまでに見いだせるだろうか? それが最大の鍵であろう。

続いてJT。このチームについても何度も書いてきたとおり、寺廻体制2シーズン目となりようやく、寺廻監督が目指すバレースタイルが選手達に浸透したらしく、特にバンチ・リードブロックシステムとそれに連動するトランジションでの攻撃システムを重点的に練習してきたのが手に取るようにわかり、従来からあるこのチームの欠点としての、トランジションでの繋ぎの不安定さ(=両センターのセットアップ能力)が目立たなくなった。更なる欠点として挙げられるレセプションの不安定さを繕うために、本来センタープレーヤーながらも器用でレセプションをこなせる高木選手をチームの軸に据えるというチーム方針が、彼女をキャプテンに指名したことからも明確に見られた。シーズン当初は試合によっての波が激しく、チームの軸に据えられた高木選手が「いっぱいいっぱい」といった印象だったが、第2レグのシーガルズ戦で完敗した次の試合から寺廻監督は両レフトの表裏を入れ替え、谷口選手を表レフト・高木選手を裏レフトに据えると、結果的にはその後パイオニアに1敗した以外は全勝でリーグを駆け抜けた。波が激しく4強入りが微妙な頃は、ケニー選手の卓越した身体能力に頼り切るトス回しであったものが、連勝で勢いづいて一気に4強入りを現実のものに近づけた後は、トス回しにも余裕が出てセンターの打数が増えて、戦いぶりに安定感が出た。勢いからみれば、10連勝のままファイナルラウンドに突入出来るJTは、他のチームよりも優位な立場にあると言えるだろう。
しかし、昨シーズン7連勝でファイナルラウンドに突入した久光製薬は優勝を逃している。勢いだけでは勝てないのが、決勝の舞台というものだろう。同じ土俵に戻って戦う今シーズンのファイナルラウンドでは、やはりそのチームの「本質」が如実に露呈する。今シーズンのJTの「本質」は上述の通り、高木選手を軸にしつつケニー選手の個人技に頼る、というものだ。それで果たして勝ちきれるのか? それが鍵であろう。

さらには武富士。このチームについてもこれまで何回も書いてきたように、シーズン開幕当初から最適な「配列」を決めかねている印象だったわけだが、最終的にはやはり昨シーズンの4強入りの原動力となった吉澤選手の高速レフト平行に頼るべく、彼女を当初のオポジットからレフトに戻し、(記憶する限り)何年もずっとスタメンから外れることがなかった(と思われる)足立選手がピンチサーバーに回る形で落ち着いたようだ。第3レグに入ってこの「配列」にして以来、それまで「上位チーム相手でも下位チーム相手でも」フルセットの戦いばかりだったものが、少なくとも下位チーム相手には「完勝」できるようになった。
しかし昨シーズン、ハニーフ選手をセンターブロッカーに据えることで機能したバンチ・リードブロックシステムは、今シーズンはリーグを通じてみても今ひとつの印象だったと言わざるを得ないだろう。やはりエステス選手に往年のプレーを求めるのは酷だったようで、レセプション・スパイク・ブロック全てを100%の力で行うのは無理なようだ。そのためどうしても、ブロックに関しては疎かにならざるを得ず、結果的には石原監督の目指す組織的なバレーは、昨シーズンと比しても完成度は低いまま決勝ラウンドを向かえることとなりそうだ。しかしそれでもここまで勝ち星を重ねてこられたのは、幾度のフルセットを悉くものにしたことが如実に表している通り、ベンチワーク・采配の巧さの賜物と言えるだろう。特にサーブ戦術は、昨シーズン同様に武富士に勝利を呼び込むために欠かせない要素であり(昨シーズン勝ち越した久光製薬相手に今シーズンは全く歯が立たなかったのは、今シーズンの堅い久光のレセプションを崩しきれずにラリーに持ち込めなかったためではないか? と想像する)武富士としてはそれに賭けるしかないかもしれない。

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