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2006年12月28日 (木)

レゼンデバレー(第6章)- スタートローテーションのトレンド

レゼンデバレーの締めくくりとして、まず最初に、今回の連載にコメントを頂いた方々に、レスが極めて遅くなってしまったことをお詫びいたします。話題のノロウイルスかどうかは不明ですが、珍しく悪寒を伴う発熱と腹部症状に見舞われて寝込んだ時期もあったりして、そのような形になってしまいました。申し訳ありません。

さて、世界バレー男子の総括も兼ねて、開幕前に「宿題にする」と公言していた、「どのローテーションからスタートするのが現在の戦術でのトレンドか?」について、まとめてみたいと思う。

ブラジル男子ナショナルチームの戦術で、今大会の直前に開かれていたワールドリーグの時と大きく変わったものとして、スタートローテーションがある。以前の投稿で書いたとおり、アテネオリンピック当時のブラジルの弱点として、オポジットに配されたアンドレが前衛レフトのローテーションで、レセプションが崩れた場合に「左利き」のアンドレがレフトから2段トスを打たなければならないという点が挙げられた。恐らくそのために、ワールドリーグでのブラジルは、アンドレが前衛レフトのレセプションフォーメーションが一番最後に回ってくるように、スタートローテーションを決めている(即ち、自チームのレセプションからスタートするセットであろうが、サーブからスタートするセットであろうが、常にアンドレが前衛センターからスタートする)ようだった。ところが今大会のブラジルは、自チームのレセプションからスタートするセットではアンドレが前衛ライトのローテーションでスタートし、サーブからスタートするセットでは一つ回してアンドレが後衛ライト(即ちファーストサーバー)のローテーションでスタートするケースが多かった。

アメリカ型分業システムが定着して以来、スタートローテーションと言えば、オポジットに配されるスーパーエースが前衛レフトのローテーションから始まるのが長らく常識であった。オポジットの対角であるセッターは、比較的低身長であることも多く、そのセッターが前衛にいるのはブロック面で不利であるとともに、チームで圧倒的に攻撃力のあるスーパーエースが出来るだけ前衛でプレーする機会が多い方が有利であるからだ。女子バレーはもちろん現在がこの段階であり、今年のVリーグのパイオニア対久光の決勝戦第2戦途中から、久光が(セリンジャー監督の作戦によって)チームで圧倒的に攻撃力のあるケニア選手を前衛センターからスタートさせざるを得なくなったことが、勝敗を分けるターニングポイントだったことは、以前の投稿で書いたとおりである。ところが、現在の男子バレーの世界では、セッターは大抵190cm台の身長であり、2mある長身のセッターというのも全く珍しくなくなった。さらに、各アタッカーの攻撃力・技術レベルの向上により、バックアタックは前衛での攻撃に比べても全く遜色のない「当たり前の」攻撃となった。そのため、たとえ1セット毎のローテーションの回る回数が少ないラリーポイント制の下であっても、スーパーエースが前衛であるローテーションを最大限にしようという意図は、あまり見られなくなってきており、実際以前に比べて「2枚替え」の戦術も明らかに少なくなった。

これもブログ開設当初に既に書いたことだが、スタートローテーションに関する戦術としては、自チームがレセプションからスタートするセットとサーブからスタートするセットで、スタートローテーションを変えない戦術と一つ回す戦術があり、前者は自チームの弱点となるローテーションに関心が高い場合に選択される。ワールドリーグ当時のブラジルは、前述の通り常にアンドレが前衛センターからのスタートであり、即ち前者の戦術を採っていたわけだが、今大会では後者を採っていた。これは、レゼンデ監督自身が「弱点」と考えていたであろう、アンドレが前衛レフトのレセプションフォーメーションが、今大会では特に「弱点」とは考えなくなったということを意味しているはずだ。確かに今大会では、前衛レフトの位置でアンドレが控えのアンデルソンに交代する場面はほとんど見受けられなかった。恐らくそれに大きく寄与しているのが、これまで書いてきたような高速立体的3Dバレーの完成度の高さ(特に、アンドレが前衛レフトの際に前衛ライトに位置する表レフトのジバが、高速ライト平行を安定して打てることが大きい)であることは間違いない。どんな場面でも確率高く、高速立体的3Dバレーを繰り出せるために、左利きのアンドレにレフトの2段トスを上げる必要がほとんどないわけである。しかし、後者を採るとして、ファーストサーバーがアンドレとなるスタートローテーションを敷いていた理由までは、残念ながらわからなかった。

というわけで、「現在の男子バレーの戦術のトレンド」としてスタートローテーションを語ることは、残念ながら出来ない。しかし、少なくとも「スーパーエースが前衛レフトからスタート」するのがトレンドでなくなってきていることは、ブラジル以外のチームを見ていても明らかである。来年のワールドカップに向け、継続して注目していきたいと思う。

では、頭を切り換えて、年明けからはV・プレミアリーグモードに突入する!

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