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2006年11月23日 (木)

世界バレー(女子)最終総括(その1)

何とか間に合った、、、これで、あさってからの男子2次ラウンドに専念できそうだ!
(男子に関しては、スカパーの1次ラウンド放送予定は、はっきり言って意味不明、、、。見たい試合が全く放送されておらず、全試合放送予定の2次ラウンドからいよいよ「男子バレーモード」に入る予定。)

優勝したロシアには、純粋におめでとうと言いたい。レゼンデ監督がブラジル女子ナショナルチームの監督に就任して以来、ずっとブラジル女子を応援してきた私ではあるが、リューバを女子バレー史上最高のプレーヤーだと1999年のワールドカップの頃から評価し続けていたこともあって、彼女の復帰により今回(準決勝のイタリア戦・決勝のブラジル戦で書いたとおり)これまでには見られなかった戦いぶりで飾った優勝には、感慨深いものを感じる。特に決勝戦でカプラーラ監督が見せた、スタートローテーションのチェンジ、、、長年ロシアの監督を務めたカルポリ監督も、時に的確なローテーションチェンジを見せたが、それは大抵の場合、自チームでその日に調子のいい選手に託すために繰り出されているだけのことだった。今大会の決勝戦第3セットのスタートローテーションチェンジは、相手の攻守の要であるサッサを潰してブラジルに自分たちのバレーをさせないため、さらには、ロシアにとっての攻守の要であるリューバが前衛センターの場面でのレセプションフォーメーションを最後に回すことで、「女子型(オポジット=ユーティリティプレーヤー型)」となる弱点を回避するためであったと思われる。そしてそれは見事に的中し、ブラジルに傾きかけていた試合の流れを、一転ロシアに引き寄せ、最終的にロシア本来のスタイルである、「力と力の真っ向勝負」に持ち込んだ。また、Pool F での試合では全く対抗できなかったファビアナの速攻に対しても、第3セットあたりからワンタッチを取れるように試合を通じてきっちり修正してきた。それもこれも、やはりリューバがいるからこそ、柔軟に対応できることであった。カプラーラ監督は、決勝戦の後のインタビューで「MVPはソコロワ以外にはあり得ない」とはっきりと語っている。彼女もまだ28歳で(考えてみると、Vリーグに来ていた頃って、20歳前後だったんだ!?)、まだまだ現役を続けられそうであり、彼女がいる限りはロシアが優勝争いに絡み続けるのは間違いないだろう。あと彼女に託された大きな課題は、アタッカーとしてセッターを如何に育てられるか? であろう。現在の正セッターのアクロワが、コーチのキリロワさんの域に近づいたならば、ロシアの黄金時代がやってくるのは間違いない。

一方のブラジルは、結果的には「無冠の帝王」状態を続けることとなってしまった。予選ラウンドの戦いぶりからずっと見続けてきた私としては、(オランダ戦で書いたとおり)ギマラエス監督の頭の中に恐らくあったであろう「サッサのチームになってはいけない」という思いが、決勝の最後の勝敗を分ける大事な場面での選択を間違えさせた気がしてならない。決勝戦の第5セット、スタートからサッサを使っていれば、恐らくは違った結果が待っていたのではないか? という気がする。

しかし、ギマラエス監督が本当に狙っているのは「目先の勝利」なのではなく、あくまで「北京オリンピックでの金メダル」であろうから、内容を度外視して今大会での優勝を狙うよりも、将来を見据えた場合に間違いなく弱点となりうる179cmのサッサに頼らない戦い方をする、という「明確な意図」が見えた今大会にあって、ロシアにフルセットの大熱戦の末に敗れた準優勝は、北京オリンピックでの金メダルという大目標に向かう上で、着実な結果は残した形だと思われる。サッサが「スーパーサブ」として控えに回ったときが、ブラジルに本当に栄冠が訪れる瞬間ではないだろうか?

今大会の結果は、現在の女子バレー界の勢力地図において、ロシア・ブラジルが頭一つ抜けていることを世界に知らしめるものだったが、それに続く第2グループとしては、中国・セルビア(セルビア・モンテネグロ)・イタリア、さらに第3グループとして、キューバ・オランダ・ドイツ・アメリカ、それ以外の各国が第4グループで団子状態を形成しているとみて良さそうだ。団子状態の中の1チームだと思われていたセルビア・モンテネグロが、一気に第2グループへ躍進、同じくオランダ・ドイツが第3グループへと着実に階段を上ってきたことが、今大会の戦いぶりで明らかとなった。

セルビア・モンテネグロの大躍進が物語るように、第4グループと第2グループとの間の差はさほど大きなものではない。まさに「戦国時代到来」といって過言でないと思う。そして、その決して大きくはない「差」というのは、ブロックシステムに代表される、「組織プレー」の完成度にあると思う。第3グループに上ってきたオランダ・ドイツの今大会の戦いぶりは、それを物語る良い例であり、実際ドイツの若い21歳のフュールストは今大会のブロック賞を獲得するという、データにも表れる結果を残した。また、この両チームはこれまでのヨーロッパスタイルの「豪快なエースはいるが、緻密さには欠ける」バレーではなく、アジアスタイルのバレーの「良いところ」を積極的に採り入れてきていた。

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