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2006年11月24日 (金)

世界バレー(女子)最終総括(その3)

この勢力地図の中で日本がどの位置に入るのか、、、? 日本で開催される大会の「異様な雰囲気」での試合会場の下では、第3グループに入るだろうが、海外のアウェーの試合会場の下では、正直第4グループと言わざるを得ない。今大会の6位という成績は、確かに大会前の大方の予想を覆すものであり、また最近の世界選手権での日本の成績から見ても、好成績と言えるだろう。しかしながら、落ち着いて見直せば、今大会で全日本が勝ったコスタリカ・ケニア・韓国・ポーランド・トルコ・セルビア・オランダは、ケニアと韓国を除いてすべて、最近オリンピックに出場すら出来ていない国々である。一方で、オリンピック常連国である、キューバ・イタリア・中国には全て完敗した。結局やはり、今の戦術では世界のトップチームには全く通用しない、という現実を見せつけられた形だ。179cmのサッサに頼らないバレーをしようと努めるブラジル・178cmのブロムに頼らないバレーをしようと努めるオランダ、、、それと現在の全日本はあまりにも好対照だ。

かつて名プレーヤーと名を馳せ、アトランタオリンピック出場の立役者であった佐伯美香選手が、「自分がいると、全日本の将来にとって、ためにならない」とビーチバレーに転向したのが1997年。それ以降も全日本女子は、ずっと同じ過ちを繰り返し続けている、、、佐伯選手のあとは大懸(現・成田)郁久美選手、そして現在は、、、。確かに彼女たちは素晴らしい「個人技」を持っている。それ自体は世界に通用するものかもしれない。ただ、時代は着実に前へ進んでいる。「個人技の総力の結集」よりも「システマティックな戦術」の方が勝っていることを、世界のバレーは証明している。いつまで「個人技」に頼り続けたら気が済むのだろうか? そして、その「個人技の結集」を「組織バレー」と勘違いし続けるのであろうか? 9年前にそれに気づいて、自ら行動を起こした佐伯選手。彼女の叫びは無情にも日本のバレー界には響かなかったようだ。

しかも、今大会での全日本の置かれた状況が、1999年のワールドカップ時に非常に似てきている気がするのは私だけだろうか? あの時も24連敗していた中国に勝つなどの「奇跡的勝利」を重ねて6位、それも韓国・中国とセット率争いでの6位であり、星勘定では4位相当の結果であり、誰もが翌年のシドニーオリンピックの出場を信じて疑わない結果であったが、翌年起こった出来事は皆さんのご承知の通りである。あの時の二の舞になることだけは避けてもらいたいと思うのだが、、、どうだろうか? ただ、1999年の時と違うのは、ネット上でのファンの意見である。あの当時、全日本女子の戦術に対して批判的だったのは少数派だったと思うが、今大会は決してそうでもないようだ。これは着実に「にわかファンでない」バレーファンが増えてきたことを示していると言っていいであろうし、それに当サイト・ブログが一定の役割を果たせているのならば、非常にうれしい限りだ。むしろ今後訴えかけていかなければならない対象は、バレーを「見るファン」ではなく、バレーを「やるファン」及び、現プレーヤー・コーチ陣かもしれないと、最近つくづく感じ始めている。特にコーチ陣(もちろん、全日本レベルの話ではなく、中高生含めたB級レベルの話である)の意識を何としても変えなければならない。上背のない選手達が、長身チーム相手に拾って繋いで、最終的に小さなエースが決める、、、確かにそれは柔道の「柔よく剛を制す」の精神に通ずる如く、日本人の心に響くのかもしれないが、実際に世界のトップレベルのバレーを見てもらえば、元プレーヤーであるはずのコーチ陣が、そんな図式は今では通用しないことぐらい、「見るファン」よりも早く気づくはずだ。問題は、世界のトップレベルのバレーを簡単には見られない、現在の地上波の状況にあるのかもしれない、、、。

最後の最後に、(決勝戦のあとに行われた、、、)中国対日本のスカパー放送を見た。実況・解説はそれぞれ下田恒幸アナとゼッターランド・ヨーコさんの黄金コンビ! 試合の内容がどうのこうのではなく、素晴らしい中継だった! 全日本以外の試合を是非とも見て欲しいと幾度となく呼びかけている当サイト・ブログであるが、全日本以外の試合はスカパーで見ていても、全日本の試合は地上波で見てらっしゃる方も多いと思うが、後日再放送されるであろう、中国対日本の試合も是非見てもらいたいと思う。それを見て頂ければ、私が言いたいことはわかるはずだ。実況・解説のお二人が全てを代弁してくれていた!

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コメント

こんばんは
いつも楽しく見させていただいています。
それにしても、3決のセルモン、イタリア戦はどういうことでしょうね?
スコアを見ると、セルモンのブロックは相変わらずたいしたことなさそうで、それなのにイタリアのスパイクミスが23点。レセプションもイタリア54%セルモン34%なのに・・・。

投稿: T | 2006年11月25日 (土) 00時37分

> T さん

初めまして。「へりくつバレーボール」からいらっしゃっていただいたのでしょうか。ありがとうございます。

3位決定戦も一応録画で見たんですが、イタリアのあまりのふがいなさに途中で見る気が失せました。別にセルビアに「自滅させられた」わけでも何でもなく、勝手に自分たちで自滅的なミスを連発して、次々と選手を代えるも最後まで結局モチベーションが保てず、、、。やはり前日の準決勝で、ロシア相手にあまりの力の差を見せつけられたことに、精神的ショックも相当大きかったのだと思います。「大会2連覇」だけを見て大会に臨んでいたでしょうから。

イタリアにとってはある意味、全日本の対戦相手に「選ばれた」ことで、1次・2次ラウンドは格下相手ばかりと戦って、楽々と準決勝に勝ち上がれましたが、それがかえって仇になったかもしれません。ロシアに力の差を見せつけられたことで、如何に自分たちの入ったグループがレベルが低かったかを、イヤと言うほど思い知らされたでしょうから。確かに Pool F に入っていたら、準決勝に勝ち上がるのすら難しかったでしょうけど、逆にオランダのように1戦1戦死闘をくぐり抜けて、力をつけていくことも出来たかもしれませんし。

投稿: T.w | 2006年11月25日 (土) 21時22分

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 いやー、ここまでやってしまったか。竹下MVP…。ファンを馬鹿にするのもいい加減にしてほしい。「ほうら、あなたたちの竹下さんがMVPですよ~うれしいでしょう?」とでも言いたげな露骨な選考。どんなスポーツでも、MVPは優勝したチームの中の最優秀選手に贈るのが常識だろう。6位の日本からMVPを出すということは、「日本は最優秀選手を抱えながら優勝できなかった」あるいは「(たまたま)優勝したチームを含む上位チームにはたいした選手がいなかった」という非常にネガティブなメッセージを意味する。他国の選手にしてみれ... [続きを読む]

受信: 2006年11月24日 (金) 05時22分

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