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2006年11月10日 (金)

(世界バレーPool F)中国 - ブラジル

第1セット、ブラジルはオランダ戦と同じスターティングメンバーで、表レフトにマリ・裏レフトにジャケリネと本来の配列に戻した形。それなら当然、中国はスタートからサーブでマリを徹底狙い。序盤は何とかしのぐが、レセプションの精神的負担がスパイクやブロックなどのプレーに影響して、彼女が後衛の時にパイプが使えない上に、彼女が前衛の時に組織リードブロックが崩れ始める。そこを狙い澄ましたかのように、ライト側から劉亜男・周蘇紅の元祖ダブルブロードがブラジルコートに突き刺さる。これが決まり始めれば、楊昊のレフト平行と対角レフトの王一梅のパイプ攻撃へのマークは当然甘くなり、18歳の王一梅が決めまくって勢いに乗って、手をつけられない状態! 中国が1セットを先取。

第2セットスタート早々、勢いに乗った王一梅の強烈なスパイクサーブが、マリを容赦なく襲ってサービスエースを決められたところで、ブラジルはたまらずマリをサッサに交代させる。するとすかさず今度は狙いをジャケリネに変えてくる中国の抜け目のなさ。 サッサの力で何とかブラジルも食らいつこうとするが、流れがなかなか変わらない。たまらずブラジルはカロリネに代えてファビアナを投入、さらにシェイラをレナタに代えるも気持ちの焦りが終盤のサーブミス連続に繋がり、中国が2セットを連取。

いよいよ追い込まれたギマラエス監督は、ベストメンバーのスタメンに戻す。即ち、レフトにサッサ(表)・ジャケリネ(裏)、センターにヴァレウスカ(表)・ファビアナ(裏)、セッターにフォフォン、オポジットにシェイラの配列。やはりファビアナが入ると違う、、、彼女の高くて早い速攻が面白いように決まり、そうなると途端に中国のブロック陣がガタガタにされ、ブラジルのお家芸の両サイド・速攻・パイプを絡めた3D立体バレーが展開され始める。カロリネもいい選手だと思うが、現代バレーにおいてセンターの選手に要求されるプレーがいかに「高くて早い速攻」(ブロード攻撃ではなく)であるかを、まざまざと見せつけられた形だ! 第3・第4セットをブラジルが取り返す。

迎えた第5セット。両チームとも勝利への執念から一進一退の攻防が続く中、終盤になって中国は18歳の王一梅に若さが出て、連続ミス。ところが今度は逆にブラジルもジャケリネ・シェイラとミスを連発し、相当ブラジルも追いつめられている、、、。緊迫のジュースの攻防の末、最後はファビアナが「高くて早い」速攻を決めたのに続いて、王一梅をシャットしてゲームセット。

中国はこれでベスト4進出の道が断たれた形だが、結果的には王一梅・徐雲麗の10代コンビをフルにスタメンで使って世界選手権を戦い切るというのは、今後北京に向けてのチーム強化の一環としては、一定の収穫と言えるだろう。

一方、優勝候補のブラジルは、フルセットに持ち込まれる試合は1次リーグのオランダ戦に続いて2試合目だが、その2試合とも「本当のベストメンバー」をスタメンで使わずに戦って、ギリギリまで追い込まれて「本当のベストメンバー」に戻して(オランダ戦はファビアナは使わなかったが)からは、きっちりと勝利をもぎ取っているという印象である。ドイツ戦に勝てばベスト4進出は決定するが、果たしてドイツ戦はどんなスタメンで来るのか? せっかく大阪なので、また何とか生で見てみたいと思っている。

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コメント

こんにちは

いつも読み応えのあるレポありがとうございます。
私はスカパーが見られないので、大変楽しみにしています。

やはりブラジルといえども、すべてはレセプションですか・・・。個人的にはマリのファンなので少々複雑なのですが、彼女はOPには入らないんでしょうかね。シェイラ>マリということですか。

それと欧米チームの攻撃をみていると、管理人さんのご指摘通り、明らかにMBのブロードが減って速攻中心になっていますよね。その代わりにライトからOPのバックアタックというパターンかな(男子っぽい!)。

正直言って日本の荒木や杉山のブロードを見るたびにヒヤヒヤしてます(特に杉山)。でも、竹下は杉山のブロードが好きみたいで、結構重要な場面で使うんですよね・・・。

では、今後ともディープな解説が読めることを楽しみにしています。

投稿: ディーラー | 2006年11月10日 (金) 06時01分

こんにちは
いつも更新を楽しみにしています
私はバレーに関しては完全に「観る側」なので、このサイトで色々と勉強させていただいてます。

センターの速攻のことに触れられていましたが、そこで教えていただきたいのですが、なぜにここ数年の全日本のセンターはブロード一辺倒なのでしょうか?(笑)
ずっと謎です(セッターの低さとバックアタックの少なさからかな?と自分なりには思ってますが・・)

ワールドグランプリの時点ではクイック主体だった荒木選手までもが世界選手権ではブロード、ブロード・・

よろしくお願いします

投稿: sk | 2006年11月10日 (金) 19時33分

>ディーラーさん

実を言うと、今回はかなり体力的に無理をしていて、、、仕事から帰って食事をしながら一気にスカパーのビデオを見て、そしてすぐにレポをアップするというサイクルでやっているので、すごい寝不足状態です、はい。だから正直あんまり細かい部分までは見れてないかもしれません、、、。ただ、明日(正確には今日)からは、また会場で観戦予定なので、細かいところまで見られるよう頑張ります(2次リーグ2日間のビデオ観戦で、各チームのフォーメーションはある程度頭に入りましたから)。

因みに、マリも頑張っていますよ! 彼女の弱点は技術どうこうよりも(アテネ本番がそうだったように)精神的な弱さだと思うんです。ギマラエス監督はもともとオポジットで、ある意味「気楽に打てる」スーパーエースの役割をさせていた彼女を、さらに一段上を目指せるプレーヤーに育てるために、敢えて「ミスの許されない」レフトへコンバートして育てているのではないか? と個人的には思っています。レセプションも難なくこなせて、精神的にも頼れる真のスーパーエースに彼女が進化すれば、ブラジルにとっては鬼に金棒でしょう。

投稿: T.w | 2006年11月11日 (土) 01時29分

>skさん

初めまして。

「ここ数年」と言いますか、実はもうかれこれ10年近くも、全日本のセンター陣はブロード攻撃の一辺倒になっているかと思います。一言で端的に説明するならば「レフトの上背のないプレーヤーの早い平行の決定率を高めるため」ということになるかと思います。センターがブロード攻撃、すなわちライト側に回って、相手のセンターブロッカーをライト側へ引きつけておいて、レフトへ早い平行を繰り出せば、日本の上背のないレフトプレーヤーの攻撃でも決定率が上がるだろう、という狙いです。

ワールドグランプリと比べて今回の全日本で特にブロード攻撃が多いのかどうかは、私個人的にはよく分かりませんが、もし多いのだとすると、それには今回は「小山選手のパイプ攻撃(バックセンターからのバックアタック)」を決めさせるためという意味合いもあるかと思います。今の全日本に、きちんとリードブロックを敷いてくるチームのセンタープレーヤーがズタズタにされるような「高くて早い」速攻を打てる選手がいるとは思えませんので、それよりはブロード攻撃でライト側を意識させておいて、中央からパイプで攻めようとしているのではないでしょうか。

実際問題として、最近の日本のセンタープレーヤー達は、ブロードは打てても、ろくにまともな速攻は打てないという選手が多いように思います。トスもろくに上げられない、というのは、以前から何回も投稿済みですよね。

投稿: T.w | 2006年11月11日 (土) 02時26分

お忙しい中さっそくのご回答ありがとうございます。

投稿: sk | 2006年11月11日 (土) 08時22分

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