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2006年11月 3日 (金)

(世界バレーPool C)ブラジル - オランダ(その2)

第4セットからは、(恐らく仕方なく)普段のスターティングメンバーに戻したブラジル。即ちレフトにサッサ・ジャケリネ、セッターにフォフォン、しかもジャケリネを元の裏レフトに戻した。そうなると第1セット同様の展開に戻ってしまい、何事もなかったかのように第4・第5セットはブラジルの圧勝。今日ではっきりした。今のブラジルは「サッサのチーム」だ。彼女がもともとの表レフトに固定されると、残念ながらオランダのサーブ陣のつけいる隙はなくなった。ギマラエス監督としては「サッサのチームになってしまう」ことを恐れているのだろう。もちろん彼女に上背がない(179cm)ことも影響しているだろうが、彼女に頼らずに勝てるチームにすることが、恐らくは至上命題である「オリンピックの金メダル」のために必要不可欠な条件と考えているように思う。確かに彼が「ブラジル女子史上で最強チームだった」と見なしている「(レゼンデ監督時代の)1996年のアトランタオリンピック出場チーム」は、本当に誰がどう代わって出てきても、同じ力を発揮できるチームだった。今でもはっきり覚えている、、、同じく「女子バレー史上最強だった」と言っても過言でない(当時の)キューバとフルセットの死闘を演じて、残念ながら敗れてしまった、モチベーションが下がりかねない状況のもとで、試合展開上スターティングメンバーのほとんど全員を入れ替えざるを得ない状況に追い込まれつつ、それでもロシアを下して銅メダルを獲得した!

オランダとしては、ものにした第2・第3セットは完璧な戦術を展開できたと言ってよかった。ベンチの指示通りのバレーが出来れば、メダル争いを展開できるところまで着実に力をつけてきたのは間違いない。特におとついのアメリカ戦で目についたリベロのヤネカ(公式パンフレットにより名前を確認!)の安定感が、その基盤にあるのは間違いない(現在レセプション部門でダントツのトップに躍り出た)。事実、本日優勝候補のブラジルを相手に、彼女はコートの約半分をレセプションの守備範囲としてフォーメーションをとり、それでもなおブラジルは彼女のいない、すなわちコートの狭い範囲をひたすら狙ってサーブを打っていた。
また、これもアメリカ戦ですでに指摘したとおり、スーパーエースのフリールが非常に器用に、ラリー中に2段トスを上げていた。どうも戦術としてはセリンジャー(息子)監督は、日本式の従来のスタイルのいいところを、ヨーロッパスタイルの上背のある選手達に積極的に教えているようだ。それを191cmもあるフリールが、着実に吸収しつつある。2年後のオリンピックに向け、今後が非常に楽しみだ。

ただ、課題はまだまだ多い。もう少しセッターの技量が必要だ。それと、セット終盤の競り合いの中で、本当の意味で頼れる選手がいない、、、。恐らくこれまではフランシーがその役目だったのだろうが。パワーもテクニックもチームでダントツのブロムに一番の信頼があるようだが、如何せんオランダチームの中で178cmしかない彼女に頼らざるを得ない状況では苦しい。もちろんそれを承知だからこそ、セリンジャー(息子)監督は彼女をスタメンには起用しないのだろう。各セットの20点以降の競り合いの中で、セッターが信頼してトスを集められる真のスーパーエースに、フリールが成長することを願う。

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コメント

オランダvsブラジルは本当に面白い試合でした。
世界のバレーのレベルは本当に日々進歩していますね。
「アジアのチームは北・南米、欧米のチームより守備がいい」なんていうのは、もうすっかり過去のものになってしまいました。

オランダは北京に向けて、ナショナルチームのメンバーを自国リーグの一つのチームに集めて強化しています。
北京では、台風の目になるんじゃないかと今から期待してしまいます。

投稿: マツ | 2006年11月 3日 (金) 23時49分

こんばんは。

私もオランダチーム応援してます。
アビさんが監督で、フランシーもいるということはもちろんですが、アシスタントコーチが佐藤さん(元日立・オレンジのコーチ)ですから。
マツさんのおっしゃることにも同感です。日本はレシーブ・ティグが良い、というのは幻想ですね。なのにカーチ・キライを講師に呼ぼうとした前田健案をつぶした協会、、、。
なんだかなー。

投稿: 渡り鳥 | 2006年11月 4日 (土) 00時36分

>マツさん

オランダは「台風の目」どころではなく、北京では本当に優勝候補に名乗りを上げてくるかもしれませんよ! 個人的にはフリールのラリー中の動きがとても気になっています。あれは完全に「ツーセッター」の動きをしています(解説の高橋有紀子さんも、試合開始早々に「ツーセッターですかねぇ?」って間違えて言ってました、、、)。オレンジ時代に黒鷲で優勝したとき、満永(元)選手とゼッターランド(元)選手でツーセッターを見事にやってみせたセリンジャー親子ですから、あり得ない話じゃないなと思っています。(因みに、後でビデオで気づいたんですが、神戸会場に満永さんも来てたんですね。バッチリとテレビカメラに写ってました。)ロシア戦でもネット際の攻防だけは決して引けを取っていなかったオランダチームが、日本式のバレーの「いいところだけ」を取り入れたら、いいチームができあがりそうで、楽しみです。そこに、完全復活のフランシーが加われば!(願望)

投稿: T.w | 2006年11月11日 (土) 00時58分

>渡り鳥さん

そうなんですね〜、実はずっと気になってたんです、セリンジャー(息子)監督の横に座ってるあの日本人は誰なんだろう?って。すごく気になっていたことなんで、タイムリーに教えてもらえて、すごくうれしいです! まぁ多分ダイエー関連の人なんだろうとは思っていたんですが、もともと日立系の方なんですね(それで、会場にいた島崎さんとも仲良さそうにしてらっしゃったんだと至極納得、因みに彼女は大阪会場の方にも観戦に行ってたようで、思いっきり「オランダ応援隊!」になりきっている姿がこれまたバッチリとスカパーのカメラに写っていました、、、)。今回のオランダの戦いぶりを見ていて、どの試合もすごく的確に相手の弱点をついてきているなぁと感心しているんですが、ひょっとすると彼のアナリスト的な役割が大きく影響しているのかもしれませんね。

投稿: T.w | 2006年11月11日 (土) 01時04分

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