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2006年11月28日 (火)

情報操作?!

「NOBYの地球ひとっ飛び」に、Pool E に入った強豪国のある選手の、非常に「正直な」意見が書かれていた。

「本当に楽なプールに入った!世界1を決定する大会を戦っている気が全然しない!欧州選手権の方が断然レベルが高い!」

まぁ、そりゃぁそうだろう、、、ただ、気をつけてもらいたいと思うのは、女子のイタリアのように、決勝ラウンドで突然レベルの高い Pool F の死闘を勝ち抜いてきた強者と対決しなければならないことで、面食らってしまわないかということだが、よく考えたら明日(正確には今日)から2日間はさすがに Pool E でも毎日1試合ずつは死闘があるから、大丈夫かな?

先日の投稿で書いたとおり、別に男子に関して私は「非国民」であるつもりはないのだが、男子が始まってからのネット上のファンの色々な意見を見ていて、一つ思ったことを言っておきたい。
美雁さんがご自身のブログで書いてらっしゃったとおり、今大会前にマスコミで男子のことが全くと言っていいほど取り上げられなかったが、ひょっとすると日本バレー狂会(協会)の中枢にいつまでもしがみつく、お偉い方々の用意周到な「情報作戦」だったのではないか? などと勘ぐってしまう、、、。寺廻監督時代には、「西村・加藤・朝日」の3選手を中心に煽るだけ煽って、全日本男子に実力以上の結果を出さなければならない状況に追い込んだくせに、、、。男子のことを大会前に出来るだけ取り上げさせずに、いかにも「全日本男子は弱い」というイメージを持たせておけば、負けても誰も何にも言わないだろうし、運良く勝てば「なんだ、結構男子強いやん!」というポジティブなイメージを与える結果になるわけだ。上手く考えやがったな!

戦術を見る目をもった「コアなファン」は、同時に「目先の勝ち負けに一喜一憂しない」という能力をも併せ持つはずである。情報操作に長けた勢力に踊らされない、「真のバレーボールファン」が増えることを念じて止まない。

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2006年11月26日 (日)

カテゴリーに「用語集」を作りました

男子モードに入るにあたって、用語の統一を図る意味からも、カテゴリーに「バレーボール用語集」を設けてみました。

これまでの投稿でも私の使っている用語がその都度変わっていたり、併記して書いているようなものを、今後出来る限り、この「用語集」のカテゴリーに入れた投稿の中で説明したものに統一したいと思います。
また、特にブロックシステムの戦術に代表されるような、専門性の高いバレーボール用語についても、気づいた時に随時説明したいと思いますので、投稿の中にわからない「専門用語」が含まれていた場合には、「バレーボール用語集」のカテゴリーで探してみて下さい。

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2006年11月25日 (土)

べ、ベネズエラがいない、、、

さぁ、いよいよ男子モード。

早速朝からスカパーでの観戦生活だったが、ち、ちょっと待って、、、Pool F は確か、、、えーっ!? ベネズエラ1次ラウンドで敗退!? あ、あり得ない、、、。

やってくれたな、女子に続いて。ひょっとして、女子より酷いグループ分けかも(正直、男子はあまり気にして見ていなかった)。
Pool A: 日本、アルゼンチン、ポーランド、中国、エジプト、プエルトリコ
Pool B: ブラジル、フランス、ギリシャ、キューバ、オーストラリア、ドイツ
Pool C: イタリア、アメリカ、ベネズエラ、ブルガリア、イラン、チェコ
Pool D: セルビア・モンテネグロ、ロシア、韓国、カナダ、チュニジア、カザフスタン

明らかに Pool B と Pool C のレベルの高さが際だつじゃないか! 要するに Pool F にレベルの高い国が集まるように仕組まれているわけだ(女子と同じく)、、、これならベネズエラが敗退しても仕方がない(納得は出来ないが、、、)、ベネズエラが Pool A に入っていれば、ポーランド以外には恐らく楽勝だろうに。
しかも、Pool A に入った国は、用意周到に選ばれている、、、
・アルゼンチン:1999年ワールドカップで全日本が勝った相手
・中国:アジア勢の中で最近全日本が相性の良い相手
・エジプト:アフリカ勢の中で全日本が負けたことのない方(つまり、2003年ワールドカップで負けたチュニジアじゃない方)
さすがに、ポーランド1チームぐらいは入れざるを得なかったのだろうが、それにしても他の Pool に比して、ヨーロッパ勢が少ない(因みに Pool D もセルビア・モンテネグロとロシアの2チーム、Pool B と Pool C は3チームずつ入っている)。実にわかりやすい、、、。

先ほど、地上波の全日本男子の試合を見たが、如何せん朝からずっと、Pool F の試合を4試合も立て続けに見ていたもので、カナダのバレーのレベルの低さに、見る気が失せた(因みに私は、男子に関しては別に「非国民」であるつもりはないことを、断っておく)。後日また詳しくアップするが、Pool F のブルガリア・ブラジル・フランス・ドイツ・イタリアあたりとは、あまりにもレベルが違いすぎて、、、お話にならない。

女子同様、皆さんには是非 Pool F の方の試合を観戦することをお勧めする。

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2006年11月24日 (金)

世界バレー(女子)最終総括(その3)

この勢力地図の中で日本がどの位置に入るのか、、、? 日本で開催される大会の「異様な雰囲気」での試合会場の下では、第3グループに入るだろうが、海外のアウェーの試合会場の下では、正直第4グループと言わざるを得ない。今大会の6位という成績は、確かに大会前の大方の予想を覆すものであり、また最近の世界選手権での日本の成績から見ても、好成績と言えるだろう。しかしながら、落ち着いて見直せば、今大会で全日本が勝ったコスタリカ・ケニア・韓国・ポーランド・トルコ・セルビア・オランダは、ケニアと韓国を除いてすべて、最近オリンピックに出場すら出来ていない国々である。一方で、オリンピック常連国である、キューバ・イタリア・中国には全て完敗した。結局やはり、今の戦術では世界のトップチームには全く通用しない、という現実を見せつけられた形だ。179cmのサッサに頼らないバレーをしようと努めるブラジル・178cmのブロムに頼らないバレーをしようと努めるオランダ、、、それと現在の全日本はあまりにも好対照だ。

かつて名プレーヤーと名を馳せ、アトランタオリンピック出場の立役者であった佐伯美香選手が、「自分がいると、全日本の将来にとって、ためにならない」とビーチバレーに転向したのが1997年。それ以降も全日本女子は、ずっと同じ過ちを繰り返し続けている、、、佐伯選手のあとは大懸(現・成田)郁久美選手、そして現在は、、、。確かに彼女たちは素晴らしい「個人技」を持っている。それ自体は世界に通用するものかもしれない。ただ、時代は着実に前へ進んでいる。「個人技の総力の結集」よりも「システマティックな戦術」の方が勝っていることを、世界のバレーは証明している。いつまで「個人技」に頼り続けたら気が済むのだろうか? そして、その「個人技の結集」を「組織バレー」と勘違いし続けるのであろうか? 9年前にそれに気づいて、自ら行動を起こした佐伯選手。彼女の叫びは無情にも日本のバレー界には響かなかったようだ。

しかも、今大会での全日本の置かれた状況が、1999年のワールドカップ時に非常に似てきている気がするのは私だけだろうか? あの時も24連敗していた中国に勝つなどの「奇跡的勝利」を重ねて6位、それも韓国・中国とセット率争いでの6位であり、星勘定では4位相当の結果であり、誰もが翌年のシドニーオリンピックの出場を信じて疑わない結果であったが、翌年起こった出来事は皆さんのご承知の通りである。あの時の二の舞になることだけは避けてもらいたいと思うのだが、、、どうだろうか? ただ、1999年の時と違うのは、ネット上でのファンの意見である。あの当時、全日本女子の戦術に対して批判的だったのは少数派だったと思うが、今大会は決してそうでもないようだ。これは着実に「にわかファンでない」バレーファンが増えてきたことを示していると言っていいであろうし、それに当サイト・ブログが一定の役割を果たせているのならば、非常にうれしい限りだ。むしろ今後訴えかけていかなければならない対象は、バレーを「見るファン」ではなく、バレーを「やるファン」及び、現プレーヤー・コーチ陣かもしれないと、最近つくづく感じ始めている。特にコーチ陣(もちろん、全日本レベルの話ではなく、中高生含めたB級レベルの話である)の意識を何としても変えなければならない。上背のない選手達が、長身チーム相手に拾って繋いで、最終的に小さなエースが決める、、、確かにそれは柔道の「柔よく剛を制す」の精神に通ずる如く、日本人の心に響くのかもしれないが、実際に世界のトップレベルのバレーを見てもらえば、元プレーヤーであるはずのコーチ陣が、そんな図式は今では通用しないことぐらい、「見るファン」よりも早く気づくはずだ。問題は、世界のトップレベルのバレーを簡単には見られない、現在の地上波の状況にあるのかもしれない、、、。

最後の最後に、(決勝戦のあとに行われた、、、)中国対日本のスカパー放送を見た。実況・解説はそれぞれ下田恒幸アナとゼッターランド・ヨーコさんの黄金コンビ! 試合の内容がどうのこうのではなく、素晴らしい中継だった! 全日本以外の試合を是非とも見て欲しいと幾度となく呼びかけている当サイト・ブログであるが、全日本以外の試合はスカパーで見ていても、全日本の試合は地上波で見てらっしゃる方も多いと思うが、後日再放送されるであろう、中国対日本の試合も是非見てもらいたいと思う。それを見て頂ければ、私が言いたいことはわかるはずだ。実況・解説のお二人が全てを代弁してくれていた!

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世界バレー(女子)最終総括(その2)

オランダはセリンジャー(息子)監督の下、フリールのような強烈なスパイクサーブは残しつつも、その他のプレーヤーはフローターサーブやジャンピングフローターサーブなどで着実に相手のレセプションフォーメーション上の弱点を徹底的についてくる戦術を見せ、それによって相手の攻撃を着実にブロックでワンタッチを取った後は、従来の前衛センターが2段トスをあげる世界標準のスタイルを脱ぎ捨てて、オポジットのフリールがトスを上げにいくという戦術を見せた。もちろん、これにはオランダの現在の最大の弱点である、セッターの稚拙さを何とか補うために編み出されたものであろうと思われるのだが、、、。現役時代セッターとして、バルセロナオリンピックで銀メダルを獲得したセリンジャー監督が、手塩にかけて育てた優秀なセッターが現れるか、あるいはフリールともう一人のアタッカーで「2セッターシステム」を完成させたとき、オランダはさらに着実に階段を上ることになるであろう。また、大会の前半の試合では、ほとんどの試合で途中出場して、フル回転の活躍をしていた178cmのブロムを、大会後半にはアタッカーとしては出場させずに、それでいて中国から勝利をもぎ取ったことは、大会を通じてチーム力がアップしたことを何よりも雄弁に物語る事実であろう。

一方のドイツも、まずは3枚ブロックを多用する、バンチ・リードブロックシステムの完成度に目を奪われたが、よくよく見ていくと、両レフト・オポジット・リベロの4枚の誰もがレセプションをこなせる、アジアスタイルのバレーが従来見せていたようなスタイルを採り、非常に「堅実な」バレーを展開していた。堅実すぎて若干豪快さを失っていた印象も否めず、Pool F でのフルセットでの戦いを、あと一歩のところで相次いで落としてしまったことが、ベスト8入りを逃す結果に繋がってしまったが、実質的には第2グループに最も近いところに位置していると思われ、今後国際経験を積めば、間違いなく優勝争いに絡んでくる力を発揮するはずだ。

オランダ・ドイツに対して、大躍進を果たしたセルビア・モンテネグロは、過去の投稿で何回か書いたとおり、ブロックシステムが稚拙であった。しかしながら、逆に言えば、稚拙なブロックシステムながらに、第2グループまで躍進したセルビア・モンテネグロだけに、もしブロックシステムの強化が図られた場合、ロシア・ブラジルに追いつきうるだけの力を秘めていると言えるわけであり、その意味でも今後のセルビアには要注目である。

その他の第2グループの中国とイタリアは、明暗が分かれたように思う。中国は王一梅・徐雲麗の10代コンビを大会通じてフルで使い切り、特に王一梅はベストスコアラーランキングで3位に入る活躍を見せた。周蘇紅のコンディション不良が目立ち、彼女の途中交代が多かったこともあり、レフトの楊昊・王一梅に頼るバレーにならざるを得なかったことが、王一梅のスコアラーランキングでの順位を上げる結果に繋がったわけだが、昨年に比して楊昊はコンディションも戻りつつあり、これで周蘇紅が復調し、さらには趙蕊蕊までもが復活すれば、、、チームの底力アップとしては申し分ない形となる。その途中段階を着実に歩んでいる結果だったと言えるだろう。
一方のイタリアも、昨年のワールドグランプリなどでフィオリンやオルトラーニなどの若手を使って、チームの底力アップを図っていたが、結局今大会では彼女たちがスタメンで出ることはなく、ベテランのリニエーリ・ピッチニーニらが悉く潰された準決勝のロシア戦で、途中交代で出場するも、試合の流れを変えることは出来ずに完敗。3位決定戦でもセルビア・モンテネグロにいいところなく敗れて、メダルも逃した。中国とは違い、ベテラン中心のベストメンバーで臨んで、結果(=世界選手権2連覇)を求めていたはずだが、、、。確かに、大会直前にボニッタ監督が電撃解任されるという出来事はあったにせよ、グループ分けとしてはこの上なく恵まれていただけに、選手達のショックも大きいだろうと思われる。ロシアとの準決勝でも書いたが、戦術面でここ数年進化がほとんど見られないだけに、スタメンのメンバーもほとんど変わらない現状のままだと、セルビアだけでなく、他の新鋭国に抜かれていく可能性が高いだろう。これまで、ブラジルと並んで「女子バレーの戦術の男子バレー化」を引っ張ってきた国として、是非ともさらに「男子バレーに近づく」戦術を見せてもらいたいと、真に願うばかりだ。

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2006年11月23日 (木)

世界バレー(女子)最終総括(その1)

何とか間に合った、、、これで、あさってからの男子2次ラウンドに専念できそうだ!
(男子に関しては、スカパーの1次ラウンド放送予定は、はっきり言って意味不明、、、。見たい試合が全く放送されておらず、全試合放送予定の2次ラウンドからいよいよ「男子バレーモード」に入る予定。)

優勝したロシアには、純粋におめでとうと言いたい。レゼンデ監督がブラジル女子ナショナルチームの監督に就任して以来、ずっとブラジル女子を応援してきた私ではあるが、リューバを女子バレー史上最高のプレーヤーだと1999年のワールドカップの頃から評価し続けていたこともあって、彼女の復帰により今回(準決勝のイタリア戦・決勝のブラジル戦で書いたとおり)これまでには見られなかった戦いぶりで飾った優勝には、感慨深いものを感じる。特に決勝戦でカプラーラ監督が見せた、スタートローテーションのチェンジ、、、長年ロシアの監督を務めたカルポリ監督も、時に的確なローテーションチェンジを見せたが、それは大抵の場合、自チームでその日に調子のいい選手に託すために繰り出されているだけのことだった。今大会の決勝戦第3セットのスタートローテーションチェンジは、相手の攻守の要であるサッサを潰してブラジルに自分たちのバレーをさせないため、さらには、ロシアにとっての攻守の要であるリューバが前衛センターの場面でのレセプションフォーメーションを最後に回すことで、「女子型(オポジット=ユーティリティプレーヤー型)」となる弱点を回避するためであったと思われる。そしてそれは見事に的中し、ブラジルに傾きかけていた試合の流れを、一転ロシアに引き寄せ、最終的にロシア本来のスタイルである、「力と力の真っ向勝負」に持ち込んだ。また、Pool F での試合では全く対抗できなかったファビアナの速攻に対しても、第3セットあたりからワンタッチを取れるように試合を通じてきっちり修正してきた。それもこれも、やはりリューバがいるからこそ、柔軟に対応できることであった。カプラーラ監督は、決勝戦の後のインタビューで「MVPはソコロワ以外にはあり得ない」とはっきりと語っている。彼女もまだ28歳で(考えてみると、Vリーグに来ていた頃って、20歳前後だったんだ!?)、まだまだ現役を続けられそうであり、彼女がいる限りはロシアが優勝争いに絡み続けるのは間違いないだろう。あと彼女に託された大きな課題は、アタッカーとしてセッターを如何に育てられるか? であろう。現在の正セッターのアクロワが、コーチのキリロワさんの域に近づいたならば、ロシアの黄金時代がやってくるのは間違いない。

一方のブラジルは、結果的には「無冠の帝王」状態を続けることとなってしまった。予選ラウンドの戦いぶりからずっと見続けてきた私としては、(オランダ戦で書いたとおり)ギマラエス監督の頭の中に恐らくあったであろう「サッサのチームになってはいけない」という思いが、決勝の最後の勝敗を分ける大事な場面での選択を間違えさせた気がしてならない。決勝戦の第5セット、スタートからサッサを使っていれば、恐らくは違った結果が待っていたのではないか? という気がする。

しかし、ギマラエス監督が本当に狙っているのは「目先の勝利」なのではなく、あくまで「北京オリンピックでの金メダル」であろうから、内容を度外視して今大会での優勝を狙うよりも、将来を見据えた場合に間違いなく弱点となりうる179cmのサッサに頼らない戦い方をする、という「明確な意図」が見えた今大会にあって、ロシアにフルセットの大熱戦の末に敗れた準優勝は、北京オリンピックでの金メダルという大目標に向かう上で、着実な結果は残した形だと思われる。サッサが「スーパーサブ」として控えに回ったときが、ブラジルに本当に栄冠が訪れる瞬間ではないだろうか?

今大会の結果は、現在の女子バレー界の勢力地図において、ロシア・ブラジルが頭一つ抜けていることを世界に知らしめるものだったが、それに続く第2グループとしては、中国・セルビア(セルビア・モンテネグロ)・イタリア、さらに第3グループとして、キューバ・オランダ・ドイツ・アメリカ、それ以外の各国が第4グループで団子状態を形成しているとみて良さそうだ。団子状態の中の1チームだと思われていたセルビア・モンテネグロが、一気に第2グループへ躍進、同じくオランダ・ドイツが第3グループへと着実に階段を上ってきたことが、今大会の戦いぶりで明らかとなった。

セルビア・モンテネグロの大躍進が物語るように、第4グループと第2グループとの間の差はさほど大きなものではない。まさに「戦国時代到来」といって過言でないと思う。そして、その決して大きくはない「差」というのは、ブロックシステムに代表される、「組織プレー」の完成度にあると思う。第3グループに上ってきたオランダ・ドイツの今大会の戦いぶりは、それを物語る良い例であり、実際ドイツの若い21歳のフュールストは今大会のブロック賞を獲得するという、データにも表れる結果を残した。また、この両チームはこれまでのヨーロッパスタイルの「豪快なエースはいるが、緻密さには欠ける」バレーではなく、アジアスタイルのバレーの「良いところ」を積極的に採り入れてきていた。

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(世界バレー女子決勝)ロシア - ブラジル(その2)

第3セット、再びロシアのサーブからスタート。最初のサーバーはセンターのボロダコワであった。このスタートローテーションは、ブラジルの攻守の要であるサッサとガモワをマッチアップ(=相手チームの誰かに自チームの誰かを同じ位置からスタート)させる形であると同時に、例の前衛センターがオポジット・後衛センターがセッターのレセプションフォーメーションが、6つあるローテーションのうちで一番最後に回ってくるローテーションとなる形となる。
セット序盤でガモワが、相対するサッサをブロックの高さで圧倒して、ブラジルは再びサッサに代えてマリを投入せざるを得なくなり、マリが出てきたところですかさずゴーディナの強烈なスパイクサーブが彼女を襲って、一気にロシアペースの11-6。ローテーションが「ずれた」ことに気づいてギマラエス監督は、早くも2枚替え(フォフォンとレナタ・シェイラとカロウをそれぞれ交代)を行って表裏を入れ替え、何とか立て直そうとするものの、16-12とロシアがリードを保ったままテクニカルタイムアウト入り。再びゴーディナのサーブが回ってきて、レセプションを乱され、マリが連続スパイクミス、、、。何とかマリが苦し紛れのフェイントを決めて、直後にロシアの「女子型」レセプションフォーメーションが訪れるが、ロシアがローテーションを回したために、ブラジルのサーバーは、さほど強いサーブは打たないヴァレウスカ。それでもレセプションは乱される始末なのだが、その苦しい場面を、気合いが最高潮に達し始めたガモワがブラジルのブロック陣をぶち破って、一発でしのぐ。最後はブラジルの頼みのファビアナの速攻が、Pool F での戦いから通じても初めて? と思われるぐらいに、きれいに202cmのメルクロワにワンタッチを取られてしまい、またまたガモワに切り返しをされて25-18。

第4セット、ブラジルはスタメンからサッサをマリに代えてくる。ロシアのマッチアップの形は第3セット同様。しかし、ここからは両チームとも金メダルへ向けての執念をむき出しにし始め、気を抜いたプレーなど全く見られない展開。ここまで来たら戦術など関係ない、本当に「力と力の真っ向勝負」である。この形は本来ならばロシアの勝ちパターンであるはずだが、ブラジルも負けてはいない。セット終盤にガモワ・ゴーディナをブラジルブロック陣が連続でシャットして、22-17。珍しくゴーディナを下げてサフローノワを出すなど、ロシアベンチも必死。しかし、最後はマリがレセプションで乱されるも、それを自分でバックアタックを打って決めて25-20。遂に死闘はフルセットへと突入する。

第5セット、ロシアのサーブからスタートとなったが、第4セットが「力と力の真っ向勝負」となったことに象徴されるように、もう戦術など関係ないと、カプラーラ監督は元のスタートローテーションに戻してくる。一方のブラジルは第4セット同様、サッサをマリに代えたままのスタート。これは恐らくギマラエス監督の頭の中では、ロシアはローテーションを回したままでスタートしてくるだろう、という予想があったのではなかろうか? この判断が果たしてどう響くか?
序盤はロシアは当然のことながら大黒柱のリューバにトスを集めて、主導権を握ろうとする。一方のブラジルはお家芸のブロックとレシーブの連携で対抗。中盤からはロシアはガモワにトスを集め、ブラジルはシェイラで対抗。ガモワ対シェイラの「スーパーエース対決」の様相に。13-12とブラジル1点のリードの場面で、ロシアはリューバのサーブに回り、シェイラのスパイクがエンドラインを割って同点。シェイラが決まらなかったため、今度はジャケリネのレフト平行に頼るもロシアのブロック陣が見事にシャットして逆転で14-13とロシアのマッチポイント。最後は大黒柱のリューバの実質サービスエースで15-13! ロシアが16年ぶりの栄冠に輝き、またしてもブラジルは3大大会の金メダルを逃す結果となった。

結果的には、ローテーションを元に戻して「力勝負」に出たロシアのカプラーラ監督に対して、それを読めずにサッサを戻さなかったギマラエス監督のベンチワークの差が、勝敗を分けたか、、、? しかしゲームそのものは、本当に現在の女子バレー界で最高レベルの、見応えある試合だった。激戦だった Pool F を勝ち抜いてきた両チーム同士にふさわしい内容の決勝戦だった!

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(世界バレー女子決勝)ロシア - ブラジル(その1)

両チームともベストメンバーでのスタメン、当然である。

前日のイタリア戦に関して書いたとおり、今大会のロシアは攻守の要であるリューバがオポジットのポジションに配されている。以前「バックオーダーにおけるサーブカット(=レセプション)フォーメーション」と題して書いたとおり、レセプションの要となる選手がオポジットに配される場合、「女子型(オポジット=ユーティリティプレーヤー型)」のフォーメーションとなるため、前衛センターがオポジット、即ち後衛センターがセッターのローテーションにおいて、セッターがセットアップの位置までに移動するのに、時間を要するという「弱点」がある。それをブラジルがどうついてくるか? その点に注目していた。

第1セットはロシアのサーブからスタート。常にセッターがバックライトのローテーションからスタートするロシアに対して、ブラジルはセッターが前衛ライトからのローテーションでレセプションからのスタートを採る。そうすると、上述のロシアが「女子型」のレセプションフォーメーションとなる際に、ブラジルのサーバーはサッサとなる、、、これはギマラエス監督の「狙い」だろう。
問題のサッサのスパイクサーブでは、何とかリューバが苦しいトスを一発で切って、連続失点を許さない。一進一退のサイドアウトの攻防が続いて13-12でロシアが1点リード。そこで問題のサッサのスパイクサーブの次のローテーションである、ファビアナのサーブが回ってきて、そこで珍しくリューバのレセプションが乱される。その動揺はあっという間にロシアチーム全体に波及し、そこからはブラジルの一方的展開となり、15-25。

第2セットはブラジルのサーブからのスタート。予想通り、ブラジルはローテーションを一つ回してスタート。そうすれば、問題の「女子型」のレセプションフォーメーションにおいて、再びサッサのスパイクサーブが当たる。やはりギマラエス監督はそれを狙っているようだ。第1セットで攻守の要のリューバが崩されてしまったロシアチームの動揺は、第2セット序盤まで影響し、早速サッサの強烈なスパイクサーブでレセプションが崩されてガモワがスパイクをネットにかけてしまい1-3。ロシアのカプラーラ監督は早くも1回目のタイムアウトを使う。直後幸いにもサッサのスパイクサーブがミスとなり、ロシアとしては命拾い。9-11と2点差のまま何とか「しのいで」、再びサッサのスパイクサーブを迎えるが、再びここでサッサがサーブミスを犯し、ロシアとしては再び命拾い。2点差のまま中盤へ突入し、ここでロシアがシェイラ・ヴァレウスカを連続でシャットして15-15の同点に追いつく。そこからしばらくサイドアウトの攻防が続いて、このセット3度目のサッサのサーブ。ここはサーブミスはなかったが、何とかやはりリューバのライト攻撃でロシアが一発でサイドアウトを取り返す。21-21の同点で、この試合第1のポイントが訪れる、、、ロシアが前衛2枚の状況で、ブラジルのギマラエス監督は、前衛に上がってきた179cmのサッサを188cmのマリに交代させる。さらに前衛のフォフォンに代えて、ピンチブロッカーとしてカロリネを投入し、何とかブロックでロシアに対抗して、2セット連取したいという意気込みが前面に出た。しかしながら、その策が功を奏せず、逆にマリを出したことでレセプションが乱れて、サッサを戻す羽目に、、、。最後はシェイラのバックアタックがエンドラインを割って25-23でロシアが取り返す。

先に仕掛けて、それが功を奏さなかったブラジルベンチ。しかし、試合の流れは一貫してブラジルペースであり、何とかロシアが「しのいでいる」という印象だった。ところが第3セットに第2のポイントが訪れる。今度は、先にロシアベンチが仕掛ける。遂にスタートローテーションを回してきたのだ!

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2006年11月22日 (水)

(世界バレー女子準決勝)イタリア - ロシア

Pool F でのブラジル戦を、リューバ(ソコロワ・シャチコワ、、、どちらが旧姓でどちらが結婚後の姓かはこちらを参照)温存で戦ったロシアだっただけに、リューバが入ってどう戦いぶりが変わるのか? それに一番注目していた、準決勝のイタリア戦であった。

今大会のロシアは、直前のワールドグランプリとは異なり、リューバをオポジットに配して、ゴーディナとガモワでレフト対角を組んでいる(ワールドグランプリでは、ガモワをオポジットに、リューバをレフトに配していた)。ローテーション全体のバランスとしてはこの方が良いだろう。攻撃面でのプレータイプが近いゴーディナとガモワを対角に配して、ユーティリティープレーヤーであるリューバをオポジットに配する。即ちVリーグ(プレミアリーグ?!)女子の東レや久光製薬と同じような配列だ。(言うまでもなく)バックオーダーの配列に、表レフトのゴーディナとオポジットのリューバとリベロのクリュチコワの3枚でレセプションフォーメーションを敷く。裏レフトのガモワとオポジットのリューバが隣に並ぶため、2人が前衛の際にはガモワをライトブロック・リューバをレフトブロックにつかせることが可能、、、これは、センターのメルクロワとガモワの202cmコンビのブロック(!)を相手レフトに見せつけられることを意味する。もちろん、これにはレセプションと前衛ライトをこなせる能力を併せ持つ、ゴーディナの復帰があるからこそである。

一方のイタリアは、初戦のセルビア戦を落としたものの、その後は危なげなく8連勝。しかし、所詮は(セルビア同様に)全日本に有利に組まれたグループ分けのお陰で、かなり実力差のある格下ばかりと対戦していただけのこと。初めての格上との対決で真価が問われる。

第1セット、まずスタートローテーションを見て、少し疑問が、、、。どう見ても明らかに上背でロシアにかなわないイタリアとしては、172cmと両チームのスタメンの中でダントツに上背のない、セッターのロビアンコが前衛センターの位置からスタートするというのはどういう意図なのか? 相手(ロシア)チームの誰かと自チームの誰かを、戦略上の理由で同じ位置からスタート(=マッチアップ)させるためなのかもしれないが、、、にわかにはその意図が理解できなかった。
セット中盤まで、両チームともミスも少ない、緊迫した一進一退の攻防が続いて16-16。ここで、大黒柱のリューバがスパイクを決め、ロシアが1点を勝ち越すと、続いてゴーディナの強烈なスパイクサーブでイタリアのレセプションを乱して、ブロックでワンタッチを確実にとって、トランジションでやはりリューバが決めるパターンの繰り返しで一気に20-16と引き離す。そして極めつけに、イタリアの精神的柱でもあるレフトのリニエーリを、202cmブロックコンビが見事に連続シャット! イタリアはリニエーリを若手のオルトラーニに代えざるを得なくなる状況に追い込まれてしまい、このセットは勝負あり。25-19でロシアが先取。

第2セットが始まる前に、解説のゼッターランド・ヨーコさんも、上述のイタリアのスタートローテーションについて触れ、「どうも理由が分からない」と。実際、第2セットのスタートローテーションは、イタリアは第1セットからは3つ回して、オポジットのトグットが前衛センターの位置に変えてくる。ところがスタート早々、ローテーションを3つ回したために202cmブロックコンビに相対することとなった、リニエーリの対角レフトのピッチニーニも連続で完膚無きまでにシャットされ、今度はピッチニーニを若手のフィオリンに代えざるを得なくなる状況に追い込まれる。レフトの決定率が上がらない分を何とかカバーしようと、センターのパッジをグイッチに代えるなどして、ロシアのブロック陣を攪乱しようと足掻くも、全てが後手後手。通用するのは単発でのトグットのバックアタックのみ。25-16でロシアが圧倒。

第3セット、イタリアは今度はスタートローテーションは第1セットに戻した上で、リニエーリをフィオリンに代えてスタート。要は、202cmブロックコンビに立ち向かえるレフトがリニエーリでもピッチニーニでもないから、仕方なく別の選手、、、ということか? ベテラン2人で立ち向かえないブロックに、若手のフィオリンが打ち勝てるはずはなく、、、結局トスが上げられる場所はスーパーエースのトグットのみと、今度は彼女にブロックマークが付いて、最後は彼女が逃げてスパイクミス。25-20でロシアのストレート勝ちとなり、結局 Pool F に入ったチーム同士の決勝となる。

結局、イタリアのスタートローテーションは何だったのだろう?? 最後まで見て、何回かビデオを見直したが、結局マッシモ新監督の意図するところはわからず、、、。まぁ何を意図していたにせよ、この日のロシアには全く通用せず、何とも一方的な試合だった。今大会のイタリア、、、Pool E に入ったせいもあり、ほとんどチェックできていないが、この日の試合ぶりを見る限り、このままでは戦国時代に入りつつある、世界の女子バレー界から取り残される可能性がありそうだ。2003年のワールドカップから、戦術面がほとんど何も変わっていない(トグットが復帰しただけだ)。ウイングスパイカー陣が今の程度の決定力しかないのならば、もっと男子並みに両サイドの攻撃を高速化しなければ今後は厳しいだろうし、ブロック面でも例えばドイツのように、3枚ブロックを多用して相手にプレッシャーを与えるぐらいにならないと、ロシアのように圧倒的な高さのあるチームには、最終的には負けてしまう。世界各国がイタリア人監督を迎える時代となり、データバレーが急速に世界中に浸透しつつある現在の女子バレー界で、イタリアがこれまで維持していた地位を保つのは難しい状況を迎えそうだ。是非とも来年のワールドカップまでに、バレーファンとして、イタリアの巻き返しを期待したい。

一方のロシア、、、これ程までにリューバがコート上にいるといないとで、バレーが変わるものか?! 1999年のワールドカップの頃も、確かに彼女一人の力に頼っていたところは大きかったが、あくまでそれは「個人技」のレベルの問題だった。ところが、今のロシアでは、彼女がコートにいると、決して彼女が直接プレーをするしないに関わらず、「組織として」チームが回り始める。特にブロックが変わった。Pool F でのブラジル戦で書いたが、確かに以前のロシアのように「高さはあっても、各個人がバラバラ」というブロックから脱皮し、データバレーに基づいてサーブ戦術との連携及び、3人揃っての組織ブロックシステムを構築しようという「思い」は伝わってきていたが、それが結果として表れることは少なかったように思う。しかし、この日のイタリア戦では、それが見事に結果として表れた。現に上述の通り、イタリアは「何かを意図して」スタートローテーションを考えてきていたはずなのだろうが、結局それが何なのかもわからないままに、次々と相手チームの戦略を後手後手にさせ、最後はミスで自滅させた。力と力の真っ向勝負でなく、相手に自分たちのバレーをさせないことで、一方的勝利を手に入れた。ブラジルとの決勝戦が、本当の意味で楽しみになった瞬間だった。

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2006年11月21日 (火)

(世界バレー女子準決勝)ブラジル - セルビア・モンテネグロ

立ち上がりは、私のほぼ予想通りの展開となった。今大会のセルビアが攻撃面に比して、守備特にブロックシステムが稚拙であることをすでに述べたとおりであり、当然のことながらブラジルの3Dバレーに対応できる力は、残念ながら持っているはずもなかった、、、。

ファビアナの「高くて早い」速攻2連続に、セルビアのブロック陣は完全に「面食らった」様子で、ブロックはすぐさまズタズタにされた。浮き足だってジェンシロがスパイクミスをして0-3の時点で、早くも最初のタイムアウト。それでもセルビアの選手達は落ち着きを取り戻せず、直後もイェレナ(ニコリッチ)がスパイクミス。一方のブラジルはやりたい放題の攻撃をレフトからライトからセンターから、、、。あっという間に1-7。中盤スパソエビッチの強打で何とか対抗し始めるも、ブラジルにチャンスボールを返してしまうと、その時点でブロックにつくことすら半ば「諦めてしまっている」ような状態で9-16。一方のブラジルは、クルスマノビッチの速攻をヴァレウスカが「リードブロック」で見事にシャット。これだけブロックシステムに差があると、お話にならない、、、。終盤に入ってようやくセルビアの選手達が「開き直った」感じで、強いサーブや強いスパイクなどの「個人技」で対抗し始めると、ブロックも「一か八か」のマンツーマン・コミットブロックとなり、それをフォフォンが見逃すはずもなく、シェイラの中央での時間差攻撃がセルビアコートに突き刺さって勝負あり、25-17でブラジルがあっさり先取。

第2セットに入っても、力の差は歴然としたまま。何とかかんとか3枚ブロックに跳んだら、すかさずフェイントでコート中央に落とされる、、、8-3のブラジルリードで最初のテクニカルタイムアウト。10-4から、スパソエビッチのサーブでブラジルが崩され、3点差まで追い上げられるが、逆にフォフォンのサービスエースをきっかけにブラジルが7連続得点、たまらずセルビアはスーパーエースのジェンシロを下げざるを得ない状況。こうなるとトスは前衛レフトにしか上がらないのは誰の目にも明らかであり、、、イェレナがブラジルのブロック陣に潰される。実況の下田アナも「このセットを見る限り、やっているバレーは大人と子供です」とバッサリ。25-14でブラジルが連取。

このままあっさり終わってしまうのか? と思われた第3セット。しかし、この日は「異様な雰囲気」に「呑まれた」あの日のセルビアではなかった。スパソエビッチが序盤に「強烈な」スパイクサーブを打ち切り、中盤にはラリー中の2段トスを「強気に」打ち切ってチームの士気を高め、遂にこの試合初のリードを奪う。終盤の競り合いで、対角のイェレナにもその気合いが乗り移り、連続で2段トスを打ち切って、25-21でセルビアが取り返す。

第4セット、前セットで息を吹き返したセルビアが勢いに乗って序盤リードするも、イェレナをブラジルが3枚ブロックで封じ込めて逆転。19-16から今度はスパソエビッチを3枚ブロックでシャットして勝負あり。最後はイェレナ・ジェンシロが相次いでスパイクミスを犯して25-20。この瞬間、ブラジルのメダルが確定した。

第1・第2セットの一方的な試合展開から一転して、第3セット以降は白熱した攻防となったが、総じてやはり「大人と子供」の試合であった。「個人技の総力」によってある程度は対抗できても、「綿密にシステム化されたバレー」にはやはり勝てない、、、。一見すると見た目は違うのだが、全日本がブラジルに勝てないのと同じ図式を見せられたような試合だった。

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2006年11月19日 (日)

世界バレー(女子)MVP選出の真相

この件については、各方面から予想通りの大反響・非難轟々の嵐だが、昔からバレーを見続けている「変人」としては、「またか、、、」と思うだけのことだ。

しかも、この件がTBS主導で行われたこと、と思われる方も多いだろうが、昔からバレーを見続けている「変人」としては、むしろJVA日本バレー協会及び、そのJVAの資金に「おんぶに抱っこ」のFIVB主導だろうことはうすうす予想が付いた。

いつも閲覧させていただいている「Fair Judgement Blog」より引用
(いつも試合会場で、実は、あの(ラインズマンの)方が管理人さんかな? などと想像を勝手に膨らませております)

ただ、MVPを選出する際に、1位~4位チームからの選出を希望していたことだけが、TBSの唯一の救いかな(ってこれも完全に裏話じゃん!)。

ちなみに、竹下選手がMVPだと決めたのはFIVBであり、TBSは最初反対していたそうです(結局丸め込まれたようですが…)。
FIVBのアコスタ会長は、竹下選手を有能なプレーヤーとしてものすごく評価しているようです。だからこそ、今回のMVPとなったようですが…でも優勝したのはロシアですし、どう考えてもロシアからMVPが出るのが普通です(本当に記者投票したのか?って感じ)。

日本がある程度「そこそこの順位」に留まっていてくれるのが、FIVBとしては最も好都合なのだろう。だから日本で世界大会を開くのも大歓迎だし、率先して日本に有利なグループ分けや試合順変更を行う。それだけの優遇をしてもオリンピック出場が危ぶまれる事態になると、オリンピック最終予選までも日本で開催する配慮する、、、。そこまでしてもオリンピックに出られない程に、世界レベルから引き離されたのが全日本男子、、、。

しかし、全日本男子が(事実上)初めてオリンピック出場を逃した1996年から、丁度今年で「10年」を迎える、、、。男子バレーを約10年遅れて、着実に追いかけている現在の女子バレー界、、、即ち、私の言いたいことはわかりますよね? 皆さん。

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2006年11月15日 (水)

世界バレー(女子)決勝ラウンドを前に総括(その2)

確かにセルビアは初戦でイタリアに勝つなど、着実に力をつけてきているのは間違いなかったが、まだまだ所詮は「国際舞台になれていない」「ジュニア上がりの」チームだった。

バレースタイルは攻撃面は男子バレーそのものであり、「両サイドの平行(もしくはバックライトからのバックアタック)と前衛センターの速攻に、後衛レフトプレーヤーのパイプ攻撃を絡める」という基本スタイルの一辺倒である。これを「単純な(=レベルの低い)コンビネーションしかない」と評価するのは大きな間違いであり、このコンビネーションこそが「バンチ・リードブロックシステム」に対して最も有効なコンビネーションである。しかしながら、攻撃面に比して、守備面の稚拙さが際だった、、、現代バレーにおいて、守備の最前線は「ブロックシステム」である。このブロックシステムがまだまだお粗末だった。恐らくこれは「ジュニアからメンバーがほぼ固定して強化されてきている」ことが影響しているだろうと思う。現代バレーにおいて、最も成熟に時間がかかる要素が「ブロックシステム」だと思われるからだ。あのシステム化されていないブロックでは、恐らく Pool F に入っていたら、ベスト8入りすらも危うかっただろうと思われる。逆に言えば、今回 Pool F に入ったチームは、どこもブロックシステムのレベルが非常に高かった。従って、グループ分けが醜かった分、Pool F の戦いは見ている側からすれば、決勝ラウンドに匹敵するくらい楽しめる結果となった。

さらには、ドイツ対ブラジル戦のレポで書いたとおりだが、今のセルビアの選手達は今大会のような「国際舞台」にあまりにも経験がなさ過ぎであった。完璧な自分たちのバレーを展開して、2セット先取した全日本との対決。第3セットからリズムが狂い始めると、途端に「異様な会場の雰囲気」に完全に「呑まれて」しまった。全日本が逆転勝利を収めた鍵として、第3セット以降の全日本のレセプションの安定ぶりが挙げられるだろうが、あれは全日本のレセプションが素晴らしかったのではなかった。ただ単にセルビアチームのサーブが途端に弱くなっただけのことである。これまでも何回も書いてきたように、ラリーポイント制の下で、最も勝敗を左右する「20点以降の緊迫した競り合いの中でこそ、渾身のスパイクサーブを見せられるかどうか?」がそのチームの本当の実力である。Pool F のチームは、すべからくこういった力を持っていた(中国対オランダの第5セット、12-12の攻防でフリールのサーブが回ってきた時、私はオランダの勝利を確信した)。この点が残念ながら、今大会のセルビアには見られなかった。恐らくまだ準決勝に進出するレベルに達しているチームではないと思う。

しかし、試合後の会見でセルビアの監督や選手達が答えているように、あの日の全日本との試合を「あの異様な雰囲気の中で」体験できたことは、普段のヨーロッパ勢同士との対決の恐らく何十倍もの経験になったことであろう。

♪ 奇跡はき〜っと、偶然なんか・じゃ・ない ♪

全くその通りである。全日本が、日本で開催される主要国際大会でしばしば見せる「奇跡的」勝利は、決して偶然ではなく、「日本のメディアと FIVB と日本バレー協会との間の結託」によってもたらされる「不可解なグループ分け」と、試合会場の「異様な雰囲気」によってもたらされる「必然」である。
しかし、そこで全日本相手の敗戦を経験した「バレー新鋭国」にとっては、次の本番で遥かに全日本を凌ぐ実力を見せつける結果になる「必然」をももたらすのである。

来年のワールドカップでまた見られるかもしれない、セルビアが楽しみである。

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世界バレー(女子)決勝ラウンドを前に総括(その1)

本日は当直業務のため、残念ながら決勝ラウンドをスカパーで観戦することが出来ません。
そのため、決勝ラウンドのレポは、後日(今週末かな?)のアップとなります。ご了承下さい。

ということで、決勝ラウンド前に軽く総括したいと思う。

まず大会全体として、非常に競ったフルセットの大熱戦が多かった! これは、ラリーポイント制が導入されて初めての国際大会であった、1999年のワールドカップには見られなかった現象であり、実際私はワールドカップレポ1999の中で、こう書いている。

「どうもラリーポイント制になって、フルセットの試合が減ったような気がするのは私だけだろうか? あまり実力のないチーム同士の場合は別にして、実力のあるチーム同士で力が拮抗している場合、第1・第2セットぐらいまでは確かに大熱戦となるのだが、その大熱戦をあと一歩のところで落としてしまうと、あとのセットは気が抜けたように負けてしまう傾向が強い様に思う」

もちろん、これは女子にのみ言えたことであり、その後に開幕した男子の方では、期待通りのフルセットの大熱戦が繰り広げられた。恐らく、1999年当時に「実力伯仲」と思えた女子チーム同士というのは、今の女子バレー界で言えば、実はかなり実力差があったチーム同士だったのだろうと思う。当時から約7年が経過し、着実に男子バレーの領域に近づきつつある現在の女子バレー界にあっては、20点以降の緊迫した競り合いの中で、わずかな差が勝敗を分ける、その領域に世界の女子バレー界が完全に突入していることを意味するわけである。これをもう少し具体的に表すならば、1999年当時に世界の男子バレー界で起こっていた現象、即ち「前回のオリンピック優勝国(当時オランダ)が世界選手権で予選落ちをし、ワールドカップには出場すら出来ず、次のオリンピックでも出場権を危ぶまれる(実際には救済的な形で出場した)」という戦国時代への突入を、現在の世界の女子バレー界が迎えようとしている、ということである。事実、前回のオリンピック優勝国である中国が、Pool F での戦いで一つ間違えば(得点率で)9位以下に終わる可能性すらあったわけである。中国の今大会の戦いぶりを「単に中国が不甲斐ないだけ」と捉えているファンも多いようだが、必ずしもそれだけでないことは、スカパーを通じてあるいは会場で生で Pool F の試合をじっくり観戦されたファンの方ならば分かっているはずだ。

それにしても、予選リーグのグループ分けは酷かった、、、。大会前から書いていたように、明らかに Pool A がレベルが低く、Pool B がレベルが高いのは分かっていたことだが、実際ふたを開けてみても、Pool E での勝敗・試合内容から見て、Pool A のレベルの低さは、Pool B 以外と比べても際だっていた。その恩恵を一番受けるはず(予定)だったのは恐らく全日本なのだろうが、結果的に一番恩恵を受けたのはセルビアだった、、、。

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(世界バレーPool F)中国 - オランダ

結果は皆さんご存じの通り。大方の予想を覆し、オランダが2セット取られた後に3セットを取り返す大逆転勝利を収めたわけだが、この日のオランダの勝利の大きな意味は、次の点に集約されると思う。

それは、チームでダントツにパワーもテクニックもあるが178cmしかない「ブロムを一度も前衛で使わずに勝った」ということ!

これまでの試合では、ほとんどのセット途中、あるいは試合途中から、ハイーネ・スタイレンスあるいはスタムの両レフトに代えて、ブロムが出てきて活躍していた。確かに活躍はするのだが、ブラジル戦で書いたとおり、20点以降の「本当の実力の試される」競り合いの場面で、178cmしかない彼女に頼らざるを得ない苦しい台所事情のオランダでは、トップレベルのチームを相手にしてフルセットの大熱戦をものにすることには、やはり限界がある。そうやって、1次リーグでアメリカ・ブラジル相手にフルセット負けが続いたオランダだったが、遂にここにきて、彼女に全く頼らずに、トップレベルのチームを敵に回して、フルセットの大熱戦を見事に勝ちきったのである! これは、オランダにとっては着実に1段、トップレベルへの階段を上ったことを意味するだろう。

因みに、これを現在の全日本で例えて言えば、、、皆さん、おわかりですよね(笑)

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(世界バレーPool F)ドイツ - アメリカ(その2)

なぜ、今回こんなにドイツに肩入れしてしまっているのか?、、、自分でも最初はよく分からなかったのだが、この日のアメリカ戦を見ていて気づいた。ブロック戦術を除いて考えると、実はこのチームは、第10回Vリーグで優勝した時のパイオニアに非常に似ているのだ!(表レフト・ドゥムラー=マッチョ、裏レフト・グリュン=レオ、センター陣・フュールスト/シュシュケ=フランシー/アサコ、セッター・バイス=ユキ、オポジット・トゥム=トモ、と当てはめてみれば、パイオニアファンならドイツのバレーは自ずと想像がつくはずだ。)

ただ、やはり今のままではまだメダル争いには食い込めないことは明らかだ。決定力のなさを何とかしなければならない。それについては、オポジットのトゥムがレセプションフォーメーションに入っていることがかえって災いしている面も否めない、、、彼女が前衛(即ちセッターが後衛)ローテーションでは、前衛アタッカー3枚と後衛レフトの4枚で攻撃を組み立てられるのだが、彼女が後衛(即ちセッターが前衛)のローテーションでは、前衛アタッカーが2枚と後衛レフトの3枚しか攻撃がなくなるため、セッターが前衛のローテーションと後衛のローテーションで明らかに攻撃力に差があるのだ。さらにセッターに上背がないため、セッターが前衛のローテーションはブロック面でも弱くなり、さらに差が大きくなっている。その点が、同じように上背はさほどないが、メダル争いをするブラジルとの違いである。ブラジルの場合は、セッターが前衛であれ後衛であれ、常に4枚攻撃を仕掛けられる。その点を解消できれば、恐らく3枚ブロックでワンタッチを取ったあとのトランジションでの決定力も、自ずと上がるはずである。

しかし、その課題がある点は認めた上でも、(以前も書いたが)上背のないアジア勢は(日本含めて)、是非とも見習うべきスタイルが、今大会のドイツチームの戦術にはあると思う。ベスト8入りは逃したが、モチベーションを失わずに、是非とも9位を狙ってもらいたい!

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(世界バレーPool F)ドイツ - アメリカ(その1)

もともと伝統的に(リードブロックシステムを編み出した国として)ブロックシステムに定評のあるアメリカと、今大会で最もレベルの高い、バンチ・リードブロックシステムでの戦いぶりを見せているドイツの対決。当然、ブロックが出たチームに流れがいくわけで、それは即ちサーブで効果的に相手のレセプションを崩した方が試合の主導権を握ることを意味する。

第1セット前半は、お互いの高い組織ブロックシステムを意識してか、お互いにフェイントプレーの応酬でやや消極的な立ち上がり。そこから最初に流れを掴んだのは、相手のレセプション崩しに成功したドイツ。2003年のワールドカップ以来、日本がアメリカとはあまり直接対決をしていない(ように思う)こともあって、じっくりアメリカチームを見たのは久々だが、今大会は裏レフトの選手(ウィルキンス・クロフォードの両選手のどちらかが入ることがほとんど)がレセプションを苦手とするために、オポジットに配されるスーパーエースのメトカフ選手がいくつかのローテーションでレセプションに参加するフォーメーションを採らざるを得ないようで、、、如何せんそれでは苦しいと言わざるを得ない。一方のドイツは、中国戦で書いたようにウイングスパイカー(両レフトとオポジット)いずれもがレセプションをこなせるため、各フォーメーション毎にバックアタックを打たせる選手を、その都度レセプションフォーメーションから自由自在に外すことが出来るし、いざ相手のスパイクサーブが強烈な場合は、4枚でのレセプションも可能なため、レセプションではドイツが上回る。27-25でドイツが第1セットをものにする。

勢いに乗るかと思われたドイツだが、この日はどうも大黒柱のグリュンの調子が今ひとつで、3枚ブロックでワンタッチを取った後の、トランジションでの攻撃が(これまでの試合でも課題と何回も書いてきたが)今までの試合以上に決定力がない、、、。従ってセット終盤での詰めが甘く、23-25で第2セットを落としてしまう。それでも、チーム力としてはドイツの方が勝っているのは否めず、第3セットは25-19とアメリカを圧倒し、第4セットも序盤で大量リードを取り、ほぼ勝利を手中に収めたかと思われたのだが、24-22のマッチポイントの場面からハニーフのフローターサーブにレセプションを乱され、連続失点。ドイツはセッターが後衛で前衛3枚のローテーションであるにもかかわらず、グリュン筆頭にアメリカのブロック陣を崩せず、そのローテーションを回せないまま24-26で落としてしまう。

第5セット、スタート早々第4セットの逆転の立役者であるハニーフがスパイクを決めてアメリカが1点を先取。直後に彼女のサーブが回ってきて、第4セット終盤と全く同じ展開、、、結局第4セット終盤から連続して数えると、ハニーフのサーブでドイツは7連続失点。それが最後まで響いて15-12でアメリカが逆転勝利。

ドイツとしては、オランダ戦に引き続きいて勝利が手からこぼれ落ちた状態で、結局得点率で涙を呑み Pool F で5位、、、。戦術としては3枚ブロックを多用したバンチ・リードブロックの完成度が、これまでの女子バレー史上でも極めて高く、レセプションについても、上述の如くウイングスパイカー陣全員がこなせるという、「10年前」ではなく、(4枚でのレセプションも可能な)「現在の最先端の」男子バレーの戦術をいち早く採り入れているチームと呼べる、今回のドイツチームだった。一方攻撃に関しては、中国のお株を奪うようなダブルブロードを見せるなど、アジアスタイルの女子バレーの「いいところ」を採り入れており、総合すると、ヨーロッパスタイルとアジアスタイルの「いいところ」同士を融合させた、新しいバレースタイルを展開していた。ヨーロッパ勢としては比較的上背のないチーム故に行き着いたスタイルだと思う。得点率に泣いたのには、前日のブラジル戦での完敗に起因するところが大きく、その意味で「世界大会の舞台に慣れていない」点と、明らかにレベルの高かった Pool B に入ってしまった点が、今回のベスト8入りを逃した最大の理由と言えるだろう。

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2006年11月14日 (火)

(世界バレーPool F)ロシア - ブラジル(その2)

第3セットも、基本的には第2セットと流れは変わらず。ただ、ブラジルが「独り相撲」を取ってジュースの展開になっただけの話、、、すなわち、ブラジルが適度にスパイクミスを犯してロシアに点を献上しているだけで、ロシア自体は何にもしていない。ブロックの上を抜いてもブラジルレシーブ陣に拾われ、ムキになって下に打ち付ければまともにヴァレウスカ・ファビアナのブロックの餌食になり、、、一方のブラジルは第1セット以降、ゴーディナ・ガモワの強烈なスパイクサーブにも、レセプションはほとんど乱れず、ロシアがブロックでワンタッチを取ったと思っても、それを繋いでトスを上げる場面で、今度はロシアが「ダブルコンタクト」の反則! 第1セット終盤の、ブラジルのファビが取られた「ダブルコンタクト」以降、各選手がみんな若干不安げにトスを上げにいっていたものが、ロシアの選手達にとってはこの第3セットの「ダブルコンタクト」で完全にピークに達し、以降アンダーハンドレシーブでしかトスが上げられない状態に陥り、、、これではいくらロシアのウイングスパイカー陣であっても、決定力はなくなってしまい、ベテランのゴーディナもミスをし始める。27-25でブラジル。

第4セット、ロシアはサフローノワに代えてクリコワでスタートするも、セット早々にクリコワがサーブで狙われて崩され、またすぐにサフローノワに戻さざるを得ない展開、、、単発では強烈なスパイクやブロックも出るが、流れを掴むようなプレーはロシアには生まれない。イヤ、生まれないはずだったのだが、、、15-14とブラジルリードの場面でこの試合最大のヤマ場が訪れた! ファビアナの見事な速攻が決まってテクニカルタイムアウトと、会場の誰もが思った瞬間、一瞬の沈黙を置いて、気づけば主審は「ロシアのポイントである」と合図している。会場全体が「何が起こったの?」という状態、、、当然ブラジルはコート上の選手もベンチも怒りがおさまらない(ビデオで見る限り、恐らくはファビアナの「タッチネット」の反則という判定なのだろうと思うが、、、)。特に当事者のファビアナの怒りは頂点に達し、ネット越しにガモワと一触即発の雰囲気、、、。その判定で流れが変わり、フォフォンも敢えてそのあとも2連続で興奮さめやらぬファビアナを使ったのが完全に裏目に出て、連続失点、ロシアが逆転する。そのイヤな流れを断ち切ったのは、この日好調のジャケリネ。その状況下でも興奮せずに、冷静にブロックアウトを取って、もう一度流れを引き込む。そこからしばらく一進一退の攻防となるも、ゴーディナが連続スパイクミスを犯して勝負あり。最後は、ファビアナが「これで文句ないだろ!」と言わんばかりの速攻を決めて、25-22。

ビデオを見ると、リューバのコンディションにやや問題が生じているとのことだが、まぁそうだとしてもやはり決勝を見越しての温存であるのは間違いないであろう。彼女がいれば、展開はもう少し変わっていた可能性はある。その意味で、もし今大会の決勝戦が再びこの両チームの戦いとなったとして、ブラジル有利とまで言い切る自信はない。ただ、この日のブラジル戦を見る限り(女子バレー三昧の写真に写る、試合後のゴーディナの涙を見ると、必ずしもロシアがリューバを温存することで「試合を捨てていた」とも言い切れないわけで、、、)結局何年来ロシアが抱え続けている大きな問題点は、新しくイタリア人の監督を招いた現状でも、いっこうに改善された気配がないのだ。即ち、「力と力の真っ向勝負」しか出来ないため、自分たちの「力」(=即ち、高さのあるスパイクなり、力強いスパイクサーブなり)が相手に通用しないと、そこからは全く打開策が生まれてこない、、、確かに、イタリア人監督になり、これまでとは異なり組織的なブロックを行おうという意図は伺えるし、「何かを変えよう」としているのは感じるのだが、、、結局、この問題点を解消できない限りは、世界ランク1位でありながら本番ではキューバに全く歯が立たなかったシドニー前後同様、今後も金メダルは遠いような気がしてならない。

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2006年11月13日 (月)

(世界バレーPool F)ロシア - ブラジル(その1)

第1セット、ロシアのスタメンにリューバの名前はなかった、、、これは決勝を見越した温存であろう。一方のブラジルは、前日のドイツ戦同様サッサ・ファビアナを含むベストメンバー。

スタート早々、現在サーブランキングダントツトップのゴーディナの連続サービスエースでロシアが一歩リード。しかも予想されたとおり、ブラジルのブロック陣の軽々と上からガモワ・ゴーディナがスパイクを次々と決める。ブラジルとしては、必死にファビアナの「高くて早い」速攻で対抗。やはりロシアですら、ファビアナの速攻には「リードブロックでは」ワンタッチすら取れない。そのお陰で何とか3点差程度に抑えて7-10。その場面で早くもブラジルは2枚替えを行って、フォフォンが前衛の苦しい状況を凌ぎ、セット中盤で同点に追いつく。終盤になると、それまでファビアナが立て続けに速攻を決めていたことが大きく影響し、ロシアが彼女の速攻にコミットで2枚ついた、まさにその瞬間に、フォフォンは見事レフト平行のジャケリネにトスを上げて、ノーマークでロシアコートに突き刺さる。サーブでは執拗に(リューバの代わりに出た)サフローノワを攻めて徐々に崩し始める。単調なレフト攻撃となったロシアを3枚ブロックで着実にワンタッチを取り、フォフォンが前衛の際に彼女のブロックの上を抜いてきたスパイク対しても、サッサ・ジャケリネの両レフトが見事な位置取りでナイスレシーブを連発。ジャケリネにノーマークでレフト平行を決められたダメージの強いロシアが、ライトブロッカーをジャケリネに「スプレッド」でマンツーマンでのマークする形に切り替えたのを、フォフォンは見逃さずに今度はサッサにパイプを上げ、サッサは見事ブロックの遅れた側である、ロシアから見てライト側へのクロススパイクを決める。ジュースに持ち込まれるものの、流れ的には完全にブラジルペースであったが、25-25の場面でリベロのファビが2段トスを「オーバーハンドパス」でシェイラのライトからのバックアタックへ持って行った瞬間、審判の笛が鳴って「ダブルコンタクト」の反則! うーん、まぁ確かにきれいなハンドリングとは言い難かったが、反則とは少し厳しすぎないかなぁ? その1点が影響して、最後はシェイラのスパイクミスで29-27とロシアが先取する。

第2セットは序盤から、第1セット終盤で流れを掴んだブラジルがロシアを圧倒。ロシアは全く為す術なく、さすがにリューバ投入か? と再三ロシアベンチを見るが、彼女はどっかりとベンチに腰を下ろしたままで、サフローノワをクリコワに代えるのみ。あぁ、今日は何があってもリューバを使うつもりはないんだな、と確信した。25-14でブラジルが取り返す。

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大阪市中央体育館 こぼれ話

前日は、朝早く起きれずに第1試合の途中からの観戦となったが、その分第2試合(ドイツ - ブラジル)を見てすぐに帰って体力を温存したため、ロシア - ブラジルの大一番には余裕を持って間に合うように朝早く起きて、試合開始の30分前には会場に辿り着いた。

辿り着いたのだが、、、当日券売り場に並んだのはいいが、、、な、なんという要領の悪さだ! 試合開始が迫っているというのに、窓口を一つしか開けないで、指定席希望と自由席希望とを分けて買わせないものだから、まぁ時間のかかること! 結局いつもどおりエンド側の指定席を買って、席に辿り着いたのはまさに試合開始の瞬間。前日よりも明らかに客が多かったこともあり、私がチケットを買えた時点でまだまだ後ろに長蛇の列が出来ていたので、恐らく余裕を持って会場に辿り着いたのに、試合開始から見られなかった方がたくさんいらっしゃったはずだ! 全くいい加減にしてもらいたい! Bサイトなんかに客は集まらないし、そもそも集めようともしていない、、、それがバレー狂会(失礼、バレー協会)の思惑なのだろう、、、こんなに客が来るとは想定していなかったのではないか?!

まぁ、ともかくも何とか大一番の試合開始には間に合ったのだが、ロシア - ブラジルに限らず、全ての試合(第4試合はさすがに帰りの時間のこともあって、見なかったが)が何とも見応えがあった! 第1〜3試合の6チームと、Pool E の上位2チームを合わせた8チームが、実質的なベスト8と言っても過言でないだろう。それくらい Pool E と Pool F には差があると感じる。それを目の前で生で見てつくづく感じた。

さすがに、中身が濃すぎて、今からでは書ききれない、、、というわけで、試合の内容については、もう少しお待ち下さい m(_ _)m
因みに、ロシアは決勝を見越してなのか? リューバを使う様子は微塵も見せずに試合を終えました。

吉田敏明新監督が会場入りしているという噂もあったが、それは確認できず。フランシー・セリンジャー(父)さんがいらっしゃったのは当然のこととして、今日も島崎さんが観戦にいらっしゃいました(今日はJTの江藤選手と)。また、今大会の公式スポンサーを務める、とあるVリーグ女子チームが、監督・コーチをはじめ、選手・今年で引退となった選手も含め、勢揃いでいらっしゃいました。

p.s.: オランダが中国を逆転で破ったことで、遂に(!?)実現することになりましたね、セリンジャー対全日本(爆)

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2006年11月11日 (土)

(世界バレーPool F)ドイツ - ブラジル(その2)

第3セット、 ブラジルはドイツのブロッカー陣がファビアナに対して若干コミット気味になってきているのをきっちり確認し、第1・第2セットには全くなかった中央付近での時間差攻撃(ファビアナの一人時間差・センターとシェイラのダブルクイックなどを絡めながら)を多用し始めて、それが見事にドイツコートに突き刺さる。完全にブラジルが乗ってしまった! 最後はセット後半に途中出場となったパウラが3枚ブロックを見事に破って25-15、ブラジルの完勝!

今日の試合を一言でまとめるなら、ブラジルとドイツの「国際大会での出場経験の差」がもろに出た形だ。試合中、ドイツの選手がサーブを打つ際には、ブラジル応援団のブーイングが会場中から木霊していた。その雰囲気に完全に「呑まれていた」ドイツの選手達、、、。ドイツが今後世界のトップに本当の意味で仲間入りするためには、そういった雰囲気の中でも自分たちを見失わずに、いかに平常通りのプレーが出来るか? これが必ず要求される。例えて言えば、今日のドイツは今大会で全日本に負けたトルコや(今日の)セルビアと同じだ! この雰囲気に慣れない限り、日本で今後も開催され続けるであろう主要国際大会で、全日本にも負ける可能性が高いだろう。

しかし、全日本がそこで重ねた勝利は、本当に大事なオリンピックの舞台での勝利を決して保証するものではないということを、日本のファンは忘れてはならない。日本の(にわか)ファンの方々は、マスコミによって作り上げられた、「幻想の」国際試合の舞台である、全日本の試合しか目にしていない、というか、マスコミの戦略によってそれしか「見せてもらって」いない。その舞台で外国勢が見せる姿は(今日のセルビアが象徴的だが)、決してそのチームの実力ではない。実際、アテネでの全日本の戦いぶりを見た方なら、その全く逆の立場の姿をまざまざと見せつけられたはずだ。

そこで、是非とも言っておきたい。日本のファンの皆さん、Bサイト(全日本のいないグループの方)の試合会場に是非とも足を運んで頂きたい。チケット発売当日に並んでチケットを買う必要もなく、当日券で余裕で入れる上に、チケット代もAサイト(全日本のいるグループの方)の試合よりも安い(はず)。神戸は3,000円でエンド側の3列目ぐらいに座れたし(実際には席がガラガラなので、もっと安い、アリーナ自由のチケットでも、同じような席に座れる)、今日の大阪は少し値段は上がったが、それでも5,000円でエンド側最前列に座れる。値段だけ見れば「高い」と思うかもしれないが、それで世界の「本当の」トップレベルのバレーが4試合も見られるのである! 世界のトップレベルのバレーを生で実際に見れば、「日本がまだまだレシーブ能力は世界でトップレベルだ」とか「高さがなくても、相手の強打を拾って拾って拾いまくれば、相手はミスをしてくれるはずだから勝機が生まれる」などというバカげた発想は吹き飛ぶはずだ(ミスを誘うのは、全日本の奇跡的なディグによるのではなく、試合会場の異様な雰囲気によるものだ)。

話がちょっとずれてしまったが、、、ここにきてのブラジルの集中力はさすがだ! いよいよ明日はロシアとの全勝対決! 明日も生で観戦予定。

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(世界バレーPool F)ドイツ - ブラジル(その1)

本日一番の注目だった、ドイツとブラジルの対戦は、予想外にあまりにもあっさり終わってしまったため、今日は明日に備えて体力温存のために、残りの2試合は見ないですぐに会場を後にした。

ブラジルは本気だった。何が本気かと言えば、まずはスターティングメンバー。レフトにサッサ(表)・ジャケリネ(裏)、センターにヴァレウスカ(表)・ファビアナ(裏)、セッターにフォフォン、オポジットにシェイラの配列で最初からスタートした。しかも、ドイツのスタートローテーションにあわせて、いつものスタート位置から(スタメンの中で身長の最も低いセッターの選手にちょうどオポジットのシェイラが当たるように)「ずらして」きたのだ! どうやら、ドイツの3枚ブロックを多用する堅実なリードブロックシステムを切り崩すため、ドイツのセッターが前衛にいる、3枚ブロックに弱点があるローテーションで、ブラジルは前衛アタッカー3枚の状態にしようという作戦のようだ。こうなると逆にブラジルにとってもブロックが弱くなる、セッターのフォフォンが前衛の時に、相手のドイツが前衛アタッカー3枚の状態になるわけなのである意味リスクを伴う戦術だが、ブラジルとしては前衛アタッカー2枚の状態であっても、後衛センターのパイプ・後衛オポジットのバックライトからのバックアタックを自由自在に使えるため、何とか五分五分ではしのげるという自信があるからこそ採れる作戦であろう。

スタート早々、ブラジルにとってはリスクである、前衛アタッカー2枚の状態が続くが、お互い試合開始早々の手探り状態ということもあり、予定通り4−4の同点で何とかしのぐ。その場面でドイツにとって今日の試合を勝つための一番の鍵であるブロックが見事に決まったか? と思ったその時、タッチネットの反則でブラジルが5−4とリード。そのミスがドイツにとっては手痛いミスとなり、そこからサッサのサーブでドイツのレセプションを乱して、ブラジルが連続得点。ギマラエス監督の恐らく狙い通りに、ドイツのセッターが前衛の場面で両サイドを意識させた攻撃でドイツのリードブロックを切り崩し、会場のブラジル応援団の熱烈な声援とともに、完全にブラジルが勢いに乗ってしまう。こうなると、国際大会での試合経験の少ないドイツの選手達は完全に会場の雰囲気に「呑まれて」しまって、スパイクにも思い切りがなくなり、サーブもミスを連発、、、。ギマラエス監督の戦術にすぐに気づいたドイツのグイデッティ監督は、セット途中で2枚替えを行って、表・裏を完全に入れ替えるが、時すでに遅し。ドイツにとって不利な微妙な判定が重なったこともあって、キャプテンのグリュンが再三主審に呼ばれ、イエローカードをもらう羽目にもなり、コート上の雰囲気も悪くなる一方。あっさりブラジルが1セットを奪う。

第2セット、やはりドイツはブラジルのスターティング位置にあわせて、自チームのスタートローテーションをずらしてくる。序盤は第1セットの流れのままブラジルがリードするも、ようやくドイツの選手達にもグリュンはじめ落ち着きが戻り、徐々にセット中盤から本来のドイツの堅実な3枚ブロックが実を結び始める。接戦のまま20点以降の競り合いに突入し、1点差に追い上げて迎えた22-23の場面で、相手のレセプションを乱してブロックでしとめたか! と思われた場面で、またもドイツには不利な微妙な判定でブロックアウトとなり、ブラジルがセットポイント。そのまま25-22でブラジルが第2セットもものにする。ドイツとしては、ブラジルの多彩な攻撃に対しても、3枚ブロックを多用する組織ブロックが、ある程度は機能するのだが、そこで取ったワンタッチボールを上手く繋いでも、そのあとのトランジションでの攻撃にいまいち決定力がない(これは、オランダ戦同様)。その上、ファビアナの速攻には全く対応できない、、、。

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2006年11月10日 (金)

(世界バレーPool F)中国 - ブラジル

第1セット、ブラジルはオランダ戦と同じスターティングメンバーで、表レフトにマリ・裏レフトにジャケリネと本来の配列に戻した形。それなら当然、中国はスタートからサーブでマリを徹底狙い。序盤は何とかしのぐが、レセプションの精神的負担がスパイクやブロックなどのプレーに影響して、彼女が後衛の時にパイプが使えない上に、彼女が前衛の時に組織リードブロックが崩れ始める。そこを狙い澄ましたかのように、ライト側から劉亜男・周蘇紅の元祖ダブルブロードがブラジルコートに突き刺さる。これが決まり始めれば、楊昊のレフト平行と対角レフトの王一梅のパイプ攻撃へのマークは当然甘くなり、18歳の王一梅が決めまくって勢いに乗って、手をつけられない状態! 中国が1セットを先取。

第2セットスタート早々、勢いに乗った王一梅の強烈なスパイクサーブが、マリを容赦なく襲ってサービスエースを決められたところで、ブラジルはたまらずマリをサッサに交代させる。するとすかさず今度は狙いをジャケリネに変えてくる中国の抜け目のなさ。 サッサの力で何とかブラジルも食らいつこうとするが、流れがなかなか変わらない。たまらずブラジルはカロリネに代えてファビアナを投入、さらにシェイラをレナタに代えるも気持ちの焦りが終盤のサーブミス連続に繋がり、中国が2セットを連取。

いよいよ追い込まれたギマラエス監督は、ベストメンバーのスタメンに戻す。即ち、レフトにサッサ(表)・ジャケリネ(裏)、センターにヴァレウスカ(表)・ファビアナ(裏)、セッターにフォフォン、オポジットにシェイラの配列。やはりファビアナが入ると違う、、、彼女の高くて早い速攻が面白いように決まり、そうなると途端に中国のブロック陣がガタガタにされ、ブラジルのお家芸の両サイド・速攻・パイプを絡めた3D立体バレーが展開され始める。カロリネもいい選手だと思うが、現代バレーにおいてセンターの選手に要求されるプレーがいかに「高くて早い速攻」(ブロード攻撃ではなく)であるかを、まざまざと見せつけられた形だ! 第3・第4セットをブラジルが取り返す。

迎えた第5セット。両チームとも勝利への執念から一進一退の攻防が続く中、終盤になって中国は18歳の王一梅に若さが出て、連続ミス。ところが今度は逆にブラジルもジャケリネ・シェイラとミスを連発し、相当ブラジルも追いつめられている、、、。緊迫のジュースの攻防の末、最後はファビアナが「高くて早い」速攻を決めたのに続いて、王一梅をシャットしてゲームセット。

中国はこれでベスト4進出の道が断たれた形だが、結果的には王一梅・徐雲麗の10代コンビをフルにスタメンで使って世界選手権を戦い切るというのは、今後北京に向けてのチーム強化の一環としては、一定の収穫と言えるだろう。

一方、優勝候補のブラジルは、フルセットに持ち込まれる試合は1次リーグのオランダ戦に続いて2試合目だが、その2試合とも「本当のベストメンバー」をスタメンで使わずに戦って、ギリギリまで追い込まれて「本当のベストメンバー」に戻して(オランダ戦はファビアナは使わなかったが)からは、きっちりと勝利をもぎ取っているという印象である。ドイツ戦に勝てばベスト4進出は決定するが、果たしてドイツ戦はどんなスタメンで来るのか? せっかく大阪なので、また何とか生で見てみたいと思っている。

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2006年11月 8日 (水)

(世界バレーPool F)ドイツ - オランダ

日本の入った Pool E、すなわち Pool A と Pool D の上位4チーム同士の結果は、予想されたことながら、初日からはっきり出てしまった、、、。Pool A 1位の台湾が Pool D の4位のトルコにあっさり負け、他の3試合もすべて Pool A のチームが負けてしまったわけで、明らかに Pool A のレベルが低かったのが露呈した形だ、、、(まぁ、日本が露骨に優遇されているのは今に始まったことではなく、世界のバレー関係者なら周知の事実だから、誰も文句など言わないだろうが(爆))。

さて、一方の実力伯仲の Pool F。今日一番の注目カードは、ここ数回の投稿で書いたとおり、ここにきて明らかに急速に力をつけてきている、ドイツとオランダの対戦。

第1セットから第2セット序盤までは、中国戦でドイツが見せた「堅実な」バレーそのままにドイツが先行するが、第2セット中盤からは、1次リーグでオランダが見せた「相手の弱点を確実かつ徹底的につく」サーブで、中国戦では全くミスらしいミスのなかったドイツから連続のミスを誘って、第2セットを取り返す。ドイツの試合を見るのは2試合目だが、中国戦はやはり「出来過ぎ」だったのか?? 一方、オランダのリベロのヤネカ(スカパーの放送ではファン・ティエネンと紹介されていた)のレセプションの安定ぶりは相変わらず素晴らしい! ランキングでは規定受け数に達せずにランク外となっているが、レセプション効果率自体は現在も全選手中でトップのまま。要するに「あまりにも上手いため」にどこのチームも彼女に取らせまいと必死なのである。中国も然り、今日のドイツも然りであった。これはオランダにしてみれば大変楽な展開である。コート半分以上を彼女に守らせて、残りの半分以下の範囲を2人でレセプションすればよく、そして相手はほぼ確実に、その狭い方の範囲に打ってくると分かっているのだから。

第3・第4セットはお互いにミスの少ない、緊迫した展開。ドイツの3枚ブロックを多用したバンチ・リードブロックも素晴らしいのだが、やはり前回の投稿で懸念したとおり、ヨーロッパ勢のチームとしては上背がないだけに、ワンタッチをきっちりとっても、トランジションで上背のあるオランダのブロック陣に逆にワンタッチを取られてしまう上、ネット際での攻防はことごとくオランダに軍配が上がる。一方のオランダは、フリールも試合を重ねる毎に安定感を増してきて、ミスも明らかに減ってきた。彼女のラリー中にトスを上げにいく姿を見ていると、「ひょっとしてセリンジャー(息子)監督は、将来的に2セッター制構想を抱いているのか?」とまで思わせるぐらいで、今までのオランダとは全くイメージの違う、緻密なバレーを見せる。1セットずつを取り合って迎えた第5セット。ここまで来て、オランダの「肝心な場面で頼れる選手がいない」本質が露呈し始め、ミスを連発してドイツが8-4とリードしてチェンジコート。それまで安定して決めていたフリールも決まらなくなり、「ここまでか、、、」と思われたが、ここから再び冷静なサーブ戦術でドイツのレセプションを乱し、ブロックで得点するパターンがはまり出し、遂に13-13と追いつく。先にマッチポイントを握られるも、最後も連続ブロックで16-14。試合後はみんなが笑顔で喜ぶ中、一人フリールだけが最後の「自分のふがいなさ」に対してか? それとも勝利に感極まったか? 泣き崩れていたのが印象的であった。

オランダは着実に、試合を重ねる毎に強くなっている。一方のドイツも、第2セットの中盤以降にのみミスを連発したが、第3セットからは立て直してきた。中国戦の戦いぶりは決して「出来過ぎだっただけ」ではないと確信した。上背のないアジア勢が「理想とするべき」バレースタイルを体現していると思う。さほど上背のないブラジルとも互角の戦いを見せるのではないか? と期待される。これが世界ランキング16位と18位のチームの対戦だなんて!? 全く世界ランキングなんて意味ないじゃん!

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2006年11月 6日 (月)

(世界バレーPool B)ドイツ - 中国

ドイツと言えば、オリンピック予選のみ強く(本番に強い?)、その他の国際大会にはほとんど顔を出さないため、これまでなかなかじっくり見ることができなかった。その意味で、今大会非常に注目していたチームの一つだ。特に「死のグループ」Pool B に入ったドイツだけに、どのような戦いぶりを見せてくれるのか? 中国戦でチェックしてみた。

まずスタートローテーションを見ての感想、、、グリュンってスーパーエースではないのね(裏レフトに配列されていた)、、、それと、意外とみんな身長高くない、、、平均身長180cm前半といったところか?(それでも十分高いって!?)

試合が流れていくにつれ感じるのは、非常に「堅実なバレー」をするチームだという印象。見る前にイメージとしてあったのは、ヨーロッパ勢にありがちな「豪快なエースはいるが、緻密さには欠ける」チーム像だったが、実際は全く違う、、、グリュンのワンマンチームのような印象があったが全く違う、、、。

何が「堅実」か?・・・まずはブロック。相手の攻撃が2段トス含めて、1カ所にしか上げられない状況になると確実に3枚ブロックを敷いてくる。そこできっちりワンタッチを取って、セッターなり前衛センターなりが確実に両サイドにトスを上げるというトランジションを見せる。相手にコンビネーションでパイプを使われたときの、両サイドのブロッカーの中央への「寄り」も素晴らしく、やはり確実に3枚ブロックとして揃う。ブロックシステムが優れているため、アタックがコースを抜けてきたとしても、きっちりとディグが上がる。リベロは後衛から「きちんと」オーバーハンドパスを使ってトスを上げる。3枚ブロックにならないときには、もう一人の前衛プレーヤーが確実にブロックカバー・フェイントカバーに入る。コート上の誰一人として、「サボっている」プレーヤーがいない。
次にレセプション。試合早々は、グリュンはレセプションのフォーメーションには入らないのか? という風に見えたが、違った、、、。実は、どうやら両レフト及びオポジットのプレーヤーの誰もがレセプションをこなせるようなのだ! 即ち、フォーメーション毎に、誰かがバックアタックのためにレセプションフォーメーションから外れるだけのことであり、相手が強烈なスパイクサーブに対しては、いざとなればリベロ含めて「4枚でのレセプション」が可能なのだ! 確率の高いレセプションから、レフトへは早い平行が繰り出され、ライト側へは中国のお株を奪うダブルブロード攻撃が繰り出される。そして何より、ミスがほとんどない! 最初に書いたように意外と高さはないために、全く派手さも豪快さもないのだが、「堅実」という言葉が最も似合う。これは完全に現在の男子バレーの領域である! 

中国も決してそんなに悪かったわけではないのだが、如何せん相手のドイツにある意味「自分たちがやらなければならないはずの」バレーを展開されてしまい、、、、1セットずつを取り合って迎えた第3セットの中盤。両チームとも確実にサイドアウトを取り合う「男子バレー」の領域の競り合いの中から、最後は中国が「根負け」して勝負あった。結果はご存じの通り。

ドイツの課題としては、3枚ブロックの後のトランジションの攻撃のバリエーションをもう少し増やすこと、特にブラジルのようにトランジションでパイプを絡められるかどうか? が鍵であろう。中国戦を見る限りは、まだそこまでの余裕はなかったようだ。両サイドの2段トスだけだと、(何回も書くが)比較的上背のない現在のドイツとしては、ロシアなどの高さがあるチームにはきついかもしれない。

しかし、それにしてもこれは、、、もちろん1試合しか見ていないので、ドイツが「出来過ぎ」だったという可能性は少なからずあるのだが、これが実力だとするならば、いやこの「モチベーションを大会最終日まで持続し続けられる」ならば、ドイツのベスト4進出も夢ではないと見た! ドミニカが期待はずれの結果に終わったが、やはり Pool B は他のグループよりも明らかにレベルが高かったのは間違いなかった。

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2006年11月 4日 (土)

グリーンアリーナ神戸 こぼれ話

今日の会場でのこぼれ話をいくつか、、、。

・元パイオニア・レッドウイングスの「シマ」こと島崎みゆきさんが、同じく元JT・マーヴェラスの森山淳子さんと一緒に会場入り。入るなりすぐにセリンジャー(父)さんに挨拶。その後、元チームメイトのフランシーと楽しく談笑してらっしゃいました。

・フランシーは元気です!! あれだけ辛い試練を乗り越え、バレーの世界に戻ってきただけでもすごいことなのに、以前と全く変わらない(心の中はそうではないのでしょうが)笑顔でファンにも対応していましたし、以前と全く変わらない様子で、島崎さんにもどんどん話しかけていました。それにしても、フランシーってホントに日本のファンに愛されてるんだなぁと感心。だって、これまで日本で開催される国際大会で、会場全体が一体となって外国勢の応援が繰り広げられるって、ブラジルしかあり得なかったと思うんですが、、、今日のグリーンアリーナ神戸に詰めかけたファンの大部分がオランダを応援していたのは間違いなく、それがフランシーの影響であることも間違いないでしょう。

・セリンジャー(父)さんは、どうやら日本語もペラペラなようです。よく「日本に10年以上いるくせに、ろくに日本語もしゃべれない」とかいう批判がありますが、真相はそのようです(ある情報筋による、確かな情報です)。

・公式パンフレットを見ての感想、、、カザフスタンの選手って、みんな「その筋」の人達なの?(爆) 是非、公式パンフレットをご覧下さい! 多分私の気持ちが分かってもらえるかと思います。

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2006年11月 3日 (金)

(世界バレーPool C)ブラジル - オランダ(その2)

第4セットからは、(恐らく仕方なく)普段のスターティングメンバーに戻したブラジル。即ちレフトにサッサ・ジャケリネ、セッターにフォフォン、しかもジャケリネを元の裏レフトに戻した。そうなると第1セット同様の展開に戻ってしまい、何事もなかったかのように第4・第5セットはブラジルの圧勝。今日ではっきりした。今のブラジルは「サッサのチーム」だ。彼女がもともとの表レフトに固定されると、残念ながらオランダのサーブ陣のつけいる隙はなくなった。ギマラエス監督としては「サッサのチームになってしまう」ことを恐れているのだろう。もちろん彼女に上背がない(179cm)ことも影響しているだろうが、彼女に頼らずに勝てるチームにすることが、恐らくは至上命題である「オリンピックの金メダル」のために必要不可欠な条件と考えているように思う。確かに彼が「ブラジル女子史上で最強チームだった」と見なしている「(レゼンデ監督時代の)1996年のアトランタオリンピック出場チーム」は、本当に誰がどう代わって出てきても、同じ力を発揮できるチームだった。今でもはっきり覚えている、、、同じく「女子バレー史上最強だった」と言っても過言でない(当時の)キューバとフルセットの死闘を演じて、残念ながら敗れてしまった、モチベーションが下がりかねない状況のもとで、試合展開上スターティングメンバーのほとんど全員を入れ替えざるを得ない状況に追い込まれつつ、それでもロシアを下して銅メダルを獲得した!

オランダとしては、ものにした第2・第3セットは完璧な戦術を展開できたと言ってよかった。ベンチの指示通りのバレーが出来れば、メダル争いを展開できるところまで着実に力をつけてきたのは間違いない。特におとついのアメリカ戦で目についたリベロのヤネカ(公式パンフレットにより名前を確認!)の安定感が、その基盤にあるのは間違いない(現在レセプション部門でダントツのトップに躍り出た)。事実、本日優勝候補のブラジルを相手に、彼女はコートの約半分をレセプションの守備範囲としてフォーメーションをとり、それでもなおブラジルは彼女のいない、すなわちコートの狭い範囲をひたすら狙ってサーブを打っていた。
また、これもアメリカ戦ですでに指摘したとおり、スーパーエースのフリールが非常に器用に、ラリー中に2段トスを上げていた。どうも戦術としてはセリンジャー(息子)監督は、日本式の従来のスタイルのいいところを、ヨーロッパスタイルの上背のある選手達に積極的に教えているようだ。それを191cmもあるフリールが、着実に吸収しつつある。2年後のオリンピックに向け、今後が非常に楽しみだ。

ただ、課題はまだまだ多い。もう少しセッターの技量が必要だ。それと、セット終盤の競り合いの中で、本当の意味で頼れる選手がいない、、、。恐らくこれまではフランシーがその役目だったのだろうが。パワーもテクニックもチームでダントツのブロムに一番の信頼があるようだが、如何せんオランダチームの中で178cmしかない彼女に頼らざるを得ない状況では苦しい。もちろんそれを承知だからこそ、セリンジャー(息子)監督は彼女をスタメンには起用しないのだろう。各セットの20点以降の競り合いの中で、セッターが信頼してトスを集められる真のスーパーエースに、フリールが成長することを願う。

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(世界バレーPool C)ブラジル - オランダ(その1)

何とか無事に木曜日の仕事を乗り切り、グリーンアリーナ神戸まで観戦に出かけることが出来た。

ブラジルのスターティングメンバーは、レフトにマリ・ジャケリネ、センターにカロリネ・ヴァレウスカ、オポジット(ライト)にシェイラ、セッターにカロウ、リベロにファビと、少しいつものメンバーとは変えてきた。世界バレーは17日間の間に(決勝までいくとすると)計11試合をこなさなければならない長丁場であり、2003年のワールドカップでブラジル男子ナショナルチームが見せたように、レギュラーメンバーを固定せずに12人の選手を均等に使うことが、大会を勝ち抜くために重要な鍵となる。男子も女子も関係なく、ほぼ同じ戦術で強化を進めているブラジルナショナルチームだけに、恐らくギマラエス監督としては、決してオランダを「なめた」わけでなく、上述の意味合いから本日のスターティングメンバーをこう選択したのであろう。しかも、普段は表レフトにマリ・裏レフトにジャケリネを起用することが(この2人でレフト対角を組む場合は)多かったものを、敢えて本日は逆に(表レフトにジャケリネ・裏レフトにマリ)していた。メンバー誰もが「どのポジションでもこなせる」ことを理念とする強化法ゆえに為し得る戦術であろう。

一方のオランダは、おとついのアメリカ戦同様、サーブで徹底して相手のウイングスパイカーを狙う戦術を採り、(もともとはスーパーエースであっただけに)レセプションを苦手とするマリを潰しにかかってきた。それが功を奏し始めたのが第2セットの途中。それまではやはり実力で上回るブラジルが終始リードする形で、第1セットも難なくものにし、第2セットも同じ調子でリードしていたのだが、レフトのスタムのサーブでマリが完全に潰された。たまらずギマラエス監督はマリに代えてサッサを投入するも、レセプションは立て直せず、連続失点で一気に逆転される、、、。いよいよ困ったギマラエス監督は、サッサを再びマリに戻すも、何とマリはオポジットのシェイラと同様にレセプションフォーメーションからは外れてバックアタックの準備に入り、そのローテーションで前衛レフトだったジャケリネとリベロのファビの2人だけでレセプションをさせるという、何とも苦し紛れの対策を取った、、、。 ブラジルが戦術的にここまで追い込まれる姿を見るのは、最近では極めて珍しい。そのローテーションで結局何点連続で失点したのだろう? こうなってしまうと、マリはコートに戻ったとは言え、精神的に完全に参ってしまっているため、トスが上がるはずもなく、すなわちパイプ攻撃はないものと考えてブロックシフトを敷けばよくなり、オランダのブロックが炸裂し始め、そのまま第2セットをものにする。

第3セットになり、困ったブラジルはパウラをレフトに投入するも、流れは変えられず。会場の大部分を占めていたと思われるオランダファン(正確に言えば、フランシーファン(爆))のウェーブも飛び出し、異様な雰囲気に包まれながら、オランダが第3セットも競り合いをものにする。

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2006年11月 2日 (木)

(世界バレーPool C)オランダ - アメリカ

オランダは、ともかくひたすらサーブでレフトのハニーフ狙いの戦術を徹底。だが試合前半は、レセプション(サーブレシーブ)をそつなくハニーフがこなし、自分が打って決めるか、自分が打てなければスーパーエースのメトカフが決める形。一方のオランダの攻撃には、アメリカのお家芸であるリードブロックが、センターのスコット・バウン中心にきちんと機能して、結果的にセット終盤になるとオランダのアタッカー陣がじれてミスを連発するワンパターンで、アメリカがあっさり2セットを連取する。

ただ、これまでのオランダと明らかに違っていたのはレセプション。特に、リベロの選手(スカパーの中継を見る限り、名前が把握できなかった、、、)がものすごく上手! たった1試合を見た限りなので、他の強豪勢の強烈なジャンプサーブに対してどうか? は判断できないが、今大会注目したい選手の一人に挙げたい。

3セット目前半が編集されていて見られなかったため、流れが変わったきっかけが何だったか? について断言は出来ないが、途中からはようやくセリンジャー(息子)監督の指示が功を奏し始めて、アメリカの攻撃を単調に持ち込んで、ブロックでワンタッチをきっちりとって、トランジションでスーパーエースのフリール中心に多彩な攻撃を繰り出し、オランダが2セットを取り返す。

それにしても、フリールって、随分と体重絞った? スーパーエースながら、ラリー中に後衛のウイングスパイカーに、バックライトのバックアタックのトスを上げてみたり(もちろん、チーム戦術としては、前衛センターがラリー中はトスを上げるのだが)と、随分器用なプレーヤーに変わりつつある印象。結構かわいいし(爆)応援しようかな?

第4セット後半からは、追い込まれ始めたアメリカが、突如としてベテランのスコットにボールを集め始め、第5セットも終盤の競り合いからスコットの連続ブロックで勢いに乗り、アメリカの2日連続のフルセット勝ちに終わった。最後はこれまでのチーム実績の差、選手の経験数の差が出た感じだが、確かにオランダが力を急速につけ始めているのは間違いない。ブラジルのギマラエス監督が、世界バレーの優勝候補の中に「オランダ」の名前を挙げていたようだが、なるほど納得。

あさっての「ブラジル - オランダ」戦は、何とか生で見てみたいと思っている。フランシーやセリンジャー(父)さんにも会えそうだし、、、。それにしても神戸会場、僅かしかいない観客のうちの、かなりの人達(どうみてもただの一般の日本人)がオランダカラーのオレンジ色のTシャツを身にまとって、露骨にオランダの応援をしてるのってどうなんでしょう?! みーんな、非国民のパイオニアファンなのかしら、、、(爆)

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