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2006年7月 2日 (日)

吉田新監督初采配(サマーリーグ)

吉田新監督が早速やってくれたようだ。

http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/ballsports/news/20060701-OHT1T00122.htm

何と、ユウがセッターとしてデビューしたと! 彼女の身体能力の高さは、パイオニアファンの方なら皆さんご存じの通りであり、セリンジャー監督の時にもひたすらバックアタックを打たされたりして「いいように使われている」という感があったが、更に新しい課題が与えられたか、とも思えなくもないのだが、私としては恐らくこれはパイオニアが「本格的に組織的にリードブロックを導入する」ための下準備のような気がする。

組織的にリードブロックを行う場合、ラリー中の3枚ブロックは必至である。セッターが後衛の場面で、ラリー中に後衛のセッターがファーストヒットを行った場合、これまでのバレー戦術のセオリーでは、トスアップは前衛のオポジット/ライトの選手が行うのが常識であった。しかし、バンチ・リードブロック時代になり、もしそのセオリー通りにプレーを行うと、レフトに2段のオープントスを上げようが、センタープレーヤーにセンターオープンを上げようが相手の3枚ブロックにまともにあって終わるだけである。バンチ・リードブロックシステムを切り崩すために必要なのは、両サイドの攻撃を意識させつつ中央からのパイプを決めることであるから(これは何度も説明済み)、そのためには、ラリー中にセッターがトスアップを行えない状況であっても、両サイドとバックセンターからのパイプを使えなければならない。そのため、現在の世界のトップレベルのバレーシステムでは、セッターが後衛の場面でトスを上げにいくのは、前衛のセンタープレーヤーの役割となっている。これは現代のバレーシステムでは「常識」である(すでに1999年ワールドカップレポートの中でも書いたことである)。現在のVリーグ女子チームの中で、このシステムをきちんと採用しているのは武富士のみであり、この点からみても、現在の日本女子バレーのシステムが世界から遅れをとっているのは明らかである。センタープレーヤーが「大型化」という「うわべの側面」のみから世界を追いかけているため、最近の日本のセンタープレーヤーで身体能力の高い選手は極めて少ないと言わざるを得ない。そのため、女子では「ブロード攻撃をマスターすることで精一杯」で、はやいAクイックも打てないし、ましてラリー中に2段のセンターオープンは打てないし、レシーブはおろかトスすらまともに上げられない選手が多いのである、、、。これは男子にも当てはまることであり、象徴的なこととして、海外ではスーパーエースにコンバートされる選手は一般にもともとは「センタープレーヤー」であることが多い(古くはアメリカのスティーブ・ティモンズ、少し前ではブラジルのネグロンやマックス・ペレイラ、イタリアのジャーニなど)のに対して、日本ではほとんどがもともと「レフトプレーヤー」である、という事実がある。それだけ、日本の最近のセンタープレーヤーの身体能力は「低い」(=センターしかできない選手が多い)ということである。

少し話が脱線したが、吉田監督が本気でユウを「セッターとして育てる」つもりならば、オーソドックスに前衛でライトのポジションをとらせるであろうが、センタープレーヤーのヤンの対角に配列させて、前衛センターでセットアップをさせているのである。私の勝手な推測ではあるが、恐らく吉田監督はパイオニアに本格的に組織的なリードブロックを導入しようと目論み、そのためにはブロック後のトランジション(切り返し)が重要になることまで見越して、恐らくリードブロックの要になると思われる彼女に、ラリー中に両サイドへ2段トス及びバックセンターへパイプを上げられるように育てたい、と考えているのではないだろうか? 半年後のVリーグがますます楽しみになってきた!

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