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2006年3月12日 (日)

決勝戦〜久光製薬-パイオニア(その3)

もう一つ、初戦の敗戦を受けてパイオニアが修正してきた点は、ブロック後のトランジション(切り返し)である。

レギュラーラウンド中から、久光戦ではケニア選手の攻撃に対して、メグを出来る限りライト側のブロックとして当てる作戦を採っていた。1戦目ではそのために彼女をオポジットに配し、その作戦が功を奏して、久光に圧勝した。2戦目では久光がそれを嫌がって、スタートローテーションをずらしたため、パイオニアは普段のメグをレフト・リーをオポジットに配するポジションに戻したが、それでも出来る限りメグをライトブロックにつけていた。但し問題点は、それが成功して、ワンタッチをとった後の切り返しの攻撃(トランジション)である。以前「リードブロック」と題して書いたとおり、バレーは連続的に攻守の切り替わるスポーツであり、ブロックシステムも重要だが、ブロックポイントで稼げる点数は1セット当たりたかだか3・4点でしかないわけで、トランジションでいかなる攻撃を仕掛けてそれを点数に繋げるか? の方がより重要である。

決勝戦初戦、メグだけでなく対角のレオもケニア選手のレフトオープンに対して、ライトブロックについた。それ自体は機能していたのだが、問題はそこでワンタッチをとった後だった。普段のパイオニアなら、というかフランシーが普段の調子ならば、彼女の速攻でどんどん切り返してくるし、それと後衛のレフト、すなわちメグとレオのパイプで切り返してくる。しかし決勝ラウンドに入ってから、フランシーの右足首ねんざの影響で彼女は本調子とは呼べず、そのためにトランジションでは、レフトブロックに配置されたリーへのレフトオープン一辺倒になってしまった。同じブロック力と仮定しても、その後のトランジションがケニア選手のレフトオープンとリーのレフトオープンとの対決ならば、結果は見えている、、、。

その反省から決勝2戦目、パイオニアは例えばレオがライトブロックについた際のトランジションでは、積極的に彼女のバックセミにトスを上げた。そのために、ラリー中のパイオニアの攻撃に対して久光のバンチ・リードブロックは機能しきれなかった。一方で、レオ・メグの両レフトへ2段トスが上がった際には、積極的に前衛レフトのケニア選手にフェイントボールを拾わせて、久光のトランジションで彼女が打てないように持っていった。久光は落合選手に苦し紛れのパイプを上げざるを得ず、それに対して万全のブロックシステムを敷いた。

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コメント

T.wさん、ご無沙汰しております。たれいらんです。私のサイトでこのsuis annex weBLOGからのRSS配信をありがたく利用させていただいております。皆さんこちらのブログの記事を楽しみになさっているようです。いつも質の高い記事ありがとうございます。

今回の記事でひとつ気になったことがあったので教えてください。
「バックセミにトスを上げため、ラリー中の攻撃に対してバンチ・リードブロックは機能しきれなかった。」というような記述がありますが、そこが理解できませんでした。バックセミはバンチ・リードのカモになりそうに思えるのです。なぜライト平行ではなくバックセミなのでしょうか?

投稿: たれいらん | 2006年3月13日 (月) 16時07分

>たれいらんさん

こちらこそ大変ご無沙汰しております。へりくつバレーボールも随分とヴァージョンアップしたみたいで、本当なら参加したいんですけど、なかなかゆっくり読ませて頂く時間がなくて、、、残念です。

御指摘のとおりでございますm(_ _)m
センター近くの「バックセミ」ではなく、アンテナぎりぎりの「ライト平行」でした。
ただ、言い訳させてもらいますと、、、この記事を書いているときに思い描いていた映像は、佐々木選手のアタックでして、実は(これもまた別の機会に書こうと思うのですが)彼女のここ1,2年に打っている(打とうとしている)トスは、いわゆる男子バレーの高速平行でもなければ、従来の女子バレーの高速平行でもない、独自の平行トスに感じます。トスは高いので一見すると「オープン」に見えるのですが、トスの軌道がアンテナすぐ近くに頂点があり、そのほぼ頂点でアタックをヒットする、すなわち「高くて速い」トスです。正直端から見ている限り、その理想のトスが上がることは試合中でも数本しかないんですが、そのトスが内田選手の手から放たれると、トスが上がった瞬間に(アタックが打たれる前に)「あっ、決まるな」とわかります。それをイメージするために、「平行」とも「オープン」とも書けずに、思わず「セミ」と書いてしまいました。でもおっしゃるとおり、「ライト平行」が正しいです。

たれいらんさんには釈迦に説法になってしまいますが、バンチ・リードブロックを切り崩すために必要なのは「両サイド」を意識させることです。佐々木選手の「ライト平行」と江口選手の(従来の女子バレーの)「レフト平行」で両サイドを意識させたこと、これが久光の「バンチ」が崩れていったきっかけになったことが言いたかったのでした。言葉足らずでした。

この流れで(その4)に続ける予定です。

投稿: T.w | 2006年3月14日 (火) 00時37分

T.wさん丁寧に答えてくださいましてありがとうございます。よくわかりました。

今後パイオニアの試合を見るときは佐々木のライト平行(?)を特に注意して見てみようと思います。

その4も楽しみにしています。へりくつにも時間があるときにお越しください。ありがとうございました。

投稿: たれいらん | 2006年3月14日 (火) 19時20分

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