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2006年2月25日 (土)

ファイナルラウンド〜パイオニア-久光製薬

久光の完勝だった。結果から見てもそれは明らかなのだが、何が良かったのか?

実は、パイオニアも相当に考えて試合を組み立てていた。久光の弱点は、成田選手が徹底的にサーブで狙われた時であると、以前にも書いた。まさにその通り、パイオニアは試合序盤から徹底的に彼女をサーブで揺さぶった(レギュラーラウンド中、攻撃的な強いジャンプサーブにこだわって、ミスを連発していたパイオニアの戦いぶりとはまるで好対照だった)。さらにケニア選手が前衛にいるときには、ラリー中には徹底して彼女の前にフェイントを落とした。点数的には常に久光がリードしていたが、第1セット前半に流れをつかみかけていたのは、パイオニアであった。レギュラーラウンド中は、成田選手がサーブで狙われた時の久光は、ケニア選手にボールがいつも以上に集まる。そこで、狙い通りに成田選手を揺さぶることに成功したパイオニアは、作戦通りにレフトのメグをライトに、オポジットのリーをレフトに配置して、ケニア選手にプレッシャーを与えようとした。

ところが、今日の久光はサーブカットが多少乱れても、敢えてケニア選手にはトスを集めずに、いつも以上にセンター陣にトスを集めて切り返した。いわば、昨年までの「本来の久光製薬らしい」戦いぶりに戻った。その上、ラリーになった場合に、パイオニアの攻撃パターンの重要な要素であるフランシーの速攻に対して、見事なまでのバンチ・リードブロックでワンタッチをとった。パイオニアとしては、特に第1セットは、恐らく試合前の作戦通りのプレーを各選手が行って、しかもレオ・メグの両レフトのアタック決定率も高い状況だっただけに、それなのになぜか? 久光に追いつけないという感じで、徐々に焦り始めた。いつものパイオニアならば、セット中盤の競り合いの中や劣勢の状況でも、必ずしも両サイドに頼らずともセンター線で切り返せるのが強みである。ところが今日は、久光の見事なバンチ・リードブロックシステムにより、全くセンター線は機能せず、前衛のレフト攻撃かバックのレフトのバックアタックしかないという、単純な攻撃パターンに追い込まれた。それでもレオ・メグの両レフトは調子は良かったために、試合序盤は何とか久光に食い下がれても、セット終盤になると、今日のようにケニア選手に頼っていなかった久光に対しては、決め手の数で負けていた。第2セットに入ると、第1セットの反省に基づいて、パイオニアも修正を行い、メグをライトブロックに回すのをやめて、序盤は先野選手のブロードにプレッシャーを与えてミスを誘って6−1とリードを奪ったが、久光は冷静だった。鶴田選手は今度はケニア選手にトスを集めるパターンに、さっと切り替えた。パイオニアとしては、やることはきちんとやっているのにという焦りばかりが募る形で、結局第2セット後半からは各選手が精神的に切れ始めた、、、。久光の完勝だった。

ただパイオニアとしては、第3セット後半からはある種「吹っ切れた」かのようなプレーを各選手がし始めて、セット終盤にいったん追いつきそうなところまで追い上げたところが、明日に繋がる負け方だったと言えるだろう。

象徴的な言い方をすると、今日の第1試合は、まさに「男子バレー」の戦い方を見るようだった。リードブロックが機能するかしないか? 及び誰がどのポジションのブロックに跳ぶのか? そして相手のそのブロック付き具合を見て、誰にトスを上げるのか? その駆け引きに勝った久光が圧勝した。これはまさに男子バレーである。ついに日本の女子バレーも、男子バレーのこの領域に完全に追いついたと言える試合だった。

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