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2006年2月20日 (月)

今年の久光製薬

レギュラーラウンドが終了した。見事に決勝リーグ出場を決めた4チームの今年の戦いぶりをまとめてみようと思う。

まず、久光製薬から。

去年6位に沈んだ久光の今年の躍進に、新加入のケニア選手が寄与するところは大きい。しかし、そのために果たす役割として大きいのはやはり、成田選手の個人技術である。彼女とリベロの吉田あい選手の2人でほとんど、サーブカットをとるという、一昔前の男子バレー(現在の男子バレーでは、ジャンプサーブが強力になりすぎて、2人でサーブカットをとるのは絶望的になった)に近いレシーブフォーメーションを敷いている。もちろん、それで彼女が攻撃に参加できなくても、ケニア選手に上げれば何とかなる、という自信からそれが可能なのであろうが。去年久光はチーム全体でのサーブレシーブ返球率がリーグ全体で1位であった。そのチームの特徴をうまく活かして、いいチーム作りが出来ていると思う。
さらに、成田選手が久光に加わって一番伸びたと思われる、落合選手をうまく活かしている。成田選手がある程度レシーブのために攻撃が犠牲になる分、代わりに落合選手が成田選手の攻撃スタイルをマスターしつつある。まだ若いだけにミスは多いが、身長もあるし、この辺で一度全日本で経験を積むと面白いかも? と思わせる選手になった。ラリー中に成田選手が意識的に落合選手に、しかも鶴田選手よりも速いんじゃないか? と思われるくらいの平行トスをあげるのが印象的である。

一方、もちろん弱点もある。下位の武富士に2敗している久光だけに、武富士との負け試合を見れば、久光の弱点は浮き出てくる。今年の久光の負けパターンは、実は上の特徴を逆手にとられたときで、徹底的に成田選手をサーブカットで狙われると、意外ともろいようだ。以前も書いたことがあるが、成田選手がオポジットで入っていることが災い(攻撃のことを考えると、成田選手にあたるいわゆる「サーブカッター」はレフトに入った方がスムーズである)し、彼女が前衛つまり、前3枚アタッカーがいるローテーションで、セッターの鶴田選手がトスアップにつくのに若干時間がかかり(特に、成田選手が前衛センターの時)、さらに彼女が潰れると比較的単純なアタックコンビネーションになってしまって、久光としてはケニア選手に頼らざるを得なくなる。確かにどの試合でもケニア選手の攻撃が圧倒的に多いのは事実だが、ケニア、ケニアとトスが集まっている瞬間というのは大抵、久光が劣勢の場面であり、優勢の場面では、センターのクイックや落合選手・成田選手への両サイドの速い平行で連続得点を稼いでいる。成田選手をサーブで徹底的に狙うと、たとえカットがセッターにきちんと返っても、この久光の連続得点のパターンとなる、コンビを繰り出させるのが難しくなるようだ。

今年の久光は結局は、「成田選手のチームとなっている」という言葉に集約される。実際、もし彼女が故障すれば、途端に久光は、まるで大友選手が抜けた今年のNECのように、バレースタイルを1から変えないとゲームすら出来ないチームになる。ケニア選手が故障したとしても、恐らく小山選手を入れれば(確かにチーム力としては落ちるであろうが)スタイルを変えずにゲームが続行可能である。昔から成田選手がいるチームというのは、悲しいかな? どのチーム(彼女がいた頃のNECや全日本)も「彼女がいないと成り立たないチームフォーメーション」になっていた。それだけ素晴らしい選手だという証なのだろうが、、、。

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