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2005年12月24日 (土)

リードブロック(その2)

少し話が変わるが、昔サイドアウト制の頃に、(確か都澤現筑波大男子監督だったと記憶するが、、、)バレーの試合の分析で、こういうものがあった。

試合の中で、サーブを打たれた側が「自チームの攻撃によってラリーに持ち込まれずにサイドアウトを一発で取る確率」と「サイドアウトを一発でとれずにラリーに持ち込まれたが、最終的に自チームの攻撃でサイドアウトを取る確率」とをデータで算出すると、強いチームも弱いチームも実は後者にはほとんど差がなく、差が出るのは前者である。

私はこれを実際に、自分の身の回りのレベルの試合でも当てはまる事実なのかどうか調べたことがあり、実際にある程度真実であった。従って、強くなるための一番手っ取り早い近道は、「サーブレシーブを正確にセッターに返して、確実に一発でサイドアウトを取れるための練習をすること」という結論が導き出され、現役時代は練習の大部分をそれに割いてきた。

時代が変わり、ラリーポイント制・ネットインサービス可の現行のルールになると、直感的には上記の結論はさらに重要性を増すように思えた。しかし、実際に1999年のワールドカップから、ラリーポイント制・ネットインサービス可が導入され、それを見ていると、少し懐疑的に思えてきた。確かにサーブレシーブが重要なのは事実であり、それが悪いと「まずスタートラインまでも立てない」のだが、終盤の20点以降の競り合いの中で、それを「勝ち抜く」チームと「負ける」チームとの差は、むしろ「ラリーに持ち込まれたプレーをいかに得点にするか?」ではないか?という印象がある。リードブロックを跳んだ後にいかに攻撃に繋ぐか?が重要な印象があるのは、そことも絡んでいるのである。

現行のルールのもと、かつ以前と違って「リードブロックが全盛の」今の時代で果たして、上記のことが真実たるのか?非常に興味があるのだが、残念ながら、今の私にそれを確かめるだけの時間的余力も体力も残っていない・・・。

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リードブロック(その1)

今日は、Vリーグの中継はない・・・。ということで、以前途中で止まってしまった、「リードブロック」の話の続きでも書こうかな。

リードブロック、リードブロックと騒ぐけど、リードブロックは「ブロックとして」優れた戦術では決してない。ブロックが「シャットする」「ブロックポイントを取る」という、目に見える数字として出てくる側面から捉えると、リードブロックのように「相手のセッターがトスを上げたのを確認して跳ぶ」リードブロックよりも、相手のアタッカーをマークして「トスが上がる前から跳びにいく」コミットブロックの方が優れている。ところが、男子の世界でそうであるように、リードブロックが当たり前の戦術になっており、女子の世界でもそれを追っかけている。なぜならば、「組織として」考えたときにリードブロックは意味をなすからである。リードブロックの最大の売りは、「組織として」リードブロックを採用したとき、相手のどのような攻撃に対しても「ワンタッチを確実にとれるようになる」こと、あるいは「組織ブロックにより相手の打ってくるコースを制約し」て、「確実にレシーブする」ことにある。従って、リードブロックの恩恵を最大限に受けるには、そうやってとった「ワンタッチボール」や「チャンスレシーブボール」を、今度はいかに自チームの攻撃に繋げるか?が重要である。自チームの攻撃に繋いで、それを決めて初めて「1点になる」のだから。バレーは野球などとは違って、連続的に攻守が入れ替わるスポーツであり、一つ一つのプレーがぶつ切れではない。リードブロック、リードブロックというけれど、「その後」がより重要である。

リードブロックを採用すると、3枚ブロックが多用される。従って、「ワンタッチ」あるいは「チャンスレシーブボール」をもらった後、前衛のブロッカー達は、素早く下がって攻撃に参加しなければならない。これが結構難しい。レフトプレーヤーが相手のレフト攻撃に対するブロックに参加するということは、ライト近くに寄ってブロックするということであり、そこからすぐにアタックラインより後ろまで下がって、しかもレフト攻撃をそこから展開するというのは男子でも並大抵の運動能力で出来ることではない。ましてや女子選手ではさらに困難であるのは、予想がつくであろう。

現在男子の世界では、セッターが後衛にいる場合のラリー中に2段トスを上げるのは、前衛のセンターブロッカーになっている。センターブロッカーが両サイドに2段トス、あるいはバックアタックへのトスを上げるのである。男子は攻撃力が圧倒的であるので、それが一番理にかなっている。しかし女子は??男子ほどに2段トスやバックアタックの決定力のない女子で、同じことをしてもダメであろう。じゃあどうするのか?その方法を見付ける必要がある。まだそれについては模索段階と思われるし、各チームの特性を考えて最善の策を見付ければよいだろう。因みに、ラリー中でもセッターがトスを上げる場合には、男子ではさらに一歩先に向かっており、現在の世界チャンピョンのブラジルでは、ラリー中でも両サイドに早い平行、あるいは早いパイプにトスが上がる。

現在の女子Vリーグを見ていると、リードブロックを採用するチームが増えてきている。リードブロックそのものの完成度からいえば、NECが一番と思われる。しかし、前述の通り、要はブロックに跳んだ「その後」が一番問題なのである。残念ながら、今のNECはリードブロックにこだわるあまりに、その後の攻撃がむしろ疎かになっている。JTは寺廻監督だけに、ちゃんと「その後」まで考えているのは伺える(谷口選手などは昨年までには見られなかった、ラリー中の早い両サイドの平行やバックライトからの早いバックアタックをみせている)のだが、寺廻監督の誤算は「女子バレー選手の、特にセンタープレーヤーの運動能力の低さ」であったろう。「ワンタッチ」・「チャンスレシーブボール」を拾った後に、竹下選手がトスを上げられない際に、代わりにトスを上げられるセンター選手がいなかったのである・・・。

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2005年12月18日 (日)

いったい何点とられるの?(その2)

で、元に戻って、NEC。要するに去年から、一番弱いローテーションが「裏レフト・表センター」の前衛2枚のローテーションである。去年は「高橋・杉山」両選手で、今年のグラチャン中断再開後の布陣では「有田(沙)・杉山」両選手の前衛2枚である。去年の決勝2戦目で、追い込まれていたパイオニアはそのローテーションの際に、本来センターのフールマン選手をレフトブロックにつかせ、本来レフトの榛沢選手と内田選手の2人で、NECの高橋選手のレフト平行にマンツーマンでつかせた。結果、それが大当たりしてパイオニアは連続得点をそのローテーションで稼いで一気に逆転し、試合の主導権を握った。結局残念ながら、杉山選手の攻撃は、相手のレフトブロックが高いと、コミットブロックでまったく通じなくなってしまい、苦し紛れのレフト平行も榛沢・内田両選手のいわば(失礼ながら)低いブロックでも、充分対抗できてしまうのである。そのローテーションをいかに回すか?がNECの今年の課題であったはずなのだが、結局1年経っても克服できていないようだ。いや、それどころか、今の布陣では、レフト側に左利きの有田(沙)選手がいて、しかもサーブカットをしなければならないため、事態はより深刻になっている・・・。先々週大阪府立体育会館まで見に行った時も、試合には勝ったものの、そのローテーションでひたすら連続失点していた。そして今日の第4セット、、、24-19でリードの場面で、そのローテーションに回り、案の定全くサイドアウトがとれずに逆転負け。うーん、何だかなぁ、こんなわかりやすいのってないよなぁ。でも何にも打開策が見つからないっていうのが、今のNECのチーム事情を物語るんだろうなぁと思ったりして。単純に考えれば、有田(沙)選手に代えて、右利きのウイングスパイカーを出すとかいうことだろうけど、多分そうするとよけいにカットが返らないんだろう、あとはこういうときこそ、わざわざオポジットに入れている松崎選手にパイプを打たせればいいのに、とか思うけど、セッターの大貫選手はひたすら杉山選手とばかり相談していて、結局チームとして、まだまだ松崎選手のパイプは信頼できる戦術になっていないんだろうなぁとか。うーん、深刻だ。

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いったい何点とられるの?(その1)

東レ-NEC戦(女子)がBSで放送された。結果は皆さんご存じだと思うので、別に書かないが、しかしやってしまいましたねぇ、NEC。実は去年のVリーグ決勝戦第2戦、その時からNECのローテーション上の決定的弱点があらわとなった。もちろん、監督は気づいている(気づいていた)はずである。だからこそ、あらゆる試合で(私が知る限り)NECは、大貫選手(即ちセッター)が後衛ライトの位置からローテーションをスタートしている。

勿論、大貫選手の強力なジャンプサーブでセットの主導権を握りたいという意味があるのも事実であろう。しかし、それだけならば、自チームがサーブからのスタートのセットと、カットからのスタートのセットでローテーションを一つ回すはずである。カットからスタートのセットでは、大貫選手のジャンプサーブは一番最後に6人目に回ってくることになってしまう。従って、サーブ順のことを考えて、ローテーションを決めているわけではないことは明白である。

バレーの戦術(バレーに限ったことではないように思うが、、、)では、大きく分けて2つの考え方があり、どちらが正しいと言うことはなく、監督のポリシーの問題である。一つは、自チームの弱点をいかにごまかすか?に主眼をおくもの、もう一つは、相手の弱点をいかにつくか?に主眼をおくもの、である。具体的に言えば、前者は相手チームのローテーションにはあまり関心を持たず、ローテーション上で、一番強いローテーションからスタートして、一番弱いローテーションが最後になるように、ローテーションを組む。バレーがラリーポイント制に変わって以来、1セット当たり、ローテーションが回る回数が圧倒的に減った。従って、弱いローテーションの回数が1回でも少ないことが、非常に好都合に働く。従って、この戦術をとっているチームの方が多数派であり、NECもそうである。逆に言えば、この戦術をとるチームでは、一番最後に回ってくるローテーションが、「一番弱い」と自チームが認めているローテーションとなるわけである。この戦術をとるチーム同士の対決では、強いローテーション同士、弱いローテーション同士があたる。

一方、後者は相手チームのローテーションを想定した上で、各ローテーションで、誰が誰をブロックでマークするか?とか、どこにサーブを打って、誰に打たせて、などと細かくシミュレーションをたてる。この場合、当然相手チームのローテーション上、一番弱いローテーションが狙い目であり、場合によっては、そのローテーションに自チームの強いローテーションが来るように、ローテーションを組むこともある。この戦術をとる場合、当然各セットごとに、ローテーションが「ずれ」ては困る。従って「自チームがカットからスタートするセットのローテーションに対して、サーブからのスタートのセットではローテーションを一つ先に進めてスタート」する。この戦術をとるチームの代表はパイオニアであり、その他昨年ではJTや久光製薬も(必ずではないが)その戦術をとっているときがあった。

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