(その1)をアップしている尻から案の定、(その2)以降で書こうとしていた内容を先にこちらで書かれてしまった・・・(苦笑)。
『強行突破 SPORA別館』より引用
この日のセンターには「日本一ブロックがいい」とアナウンサーに言われるキラが起用されていました。
キラというのは井上香織。デンソーの8番で全日本の4番の人妻です。
・・・中略・・・
まぁ確かにキラのサイドへのチャージは速いのですが、速いがゆえにゲス(guess)であることが見ていてわかりやすい。
あらかじめ「予測を元にしたブロック」をいけないとは自分は思っていないことをあらためてここに書いておきます。
その予測がデータに基づいたものだったり、何らかの狙いがあった上ならば、状況によってそれを上手く使おうとすることが『戦術』です。
いけないのはそうしたプレイを実況ばかりか解説者までも全て「バンチリード」と括ってしまっている事。
これが間違った形で浸透してしまったら、10年後シニアに出てくる選手の多くが間違ったリードの解釈を持つようになってしまい、修正に余計時間がかかることになります。
キラこと、"おけいはん"こと(関西人じゃない方、ごめんなさい、、、)、井上香織選手の、全日本でのプレーぶりについては、別エントリーで後日アップしたいと思う。
ここから本題へ入る。
世界トップレベルから約10年も遅れて、ようやくバンチ・リードブロックシステムを採り入れ始めた全日本女子であるが、フジテレビの大きな間違いは、日本の3枚ブロックでのブロックシャット(kill block)が出た場面で「バンチ・リード(ブロック)炸裂!!!」という絶叫していたことだ。ブロッカー3枚がセンター中央に束のように集まって構え(=バンチ)、セットが上がった場所を見届けてブロックに跳ぶ(=リード "see and respond")ブロックシステムが、きちんと機能しているかどうかを見極めるポイントは、相手のハイセットの攻撃に対して3枚ブロックが完成させられるかどうか? ではなく、センターからのファーストテンポの攻撃(即ち速攻)に対して2枚ないし3枚のブロックを揃えて、ワンタッチを確実に取れるかどうか? である。そう、狙うところは決してブロックシャット(kill block)にはなく、ワンタッチを確実にとる(soft block)ことであって、その直後のトランジションで得点を狙いに行くのである。「バンチ・リード」ブロックシステムを採ることは即ち、その狙うところである「ワンタッチ後のトランジションでの攻撃」に重きを置くことを意味しており、従って、ファーストタッチを後衛にいるセッターが行った場面で、誰がセットアップを行いどのような攻撃パターンを組み立てるか? というシステム作りが不可欠となってくるはずなのだ。
これまで日本の女子バレー界にあっては、「サーブレシーブ(レセプション)が日本の生命線」というフレーズを、散々飽きるほど、聞かされてきた。しかし、そもそもバレーボールというスポーツは、従来のサイドアウト制の下では、レセプションをきっちりセッターへ返してサイドアウトを取ったところで、点数は入らなかったスポーツなのである。ルールがラリーポイント制に変わったは言え、サイドアウトのみでは勝てないのは何も変わっていない。相手チームのレセプションからの攻撃を凌いで、ブレイクする回数が相手を上回らない限り、そのセットを奪うことは出来ない。そう、「サイドアウト」よりも「ブレイク」がより重要なのだ(「サイドアウト」と「ブレイク」の用語説明は、こちらを参照のこと)。
「バンチ・リード」ブロックシステムという組織的ブロック戦術を「きちんと」採用すれば、自動的に「トランジションでの攻撃のシステム化」という道を避けて通れなくなり、必然的にセッター以外にセットアップの役割を果たすポジションが必要となる。「バンチ・リード」ブロックシステムが「世界最先端」の戦術だった約20年前に、その役割を任されたのは前衛のmiddle blockerであった。その後「バンチ・リード」ブロックシステムが「世界標準」へと移り変わってきたこの5〜10年の間に、新たにリベロという新しいルールが導入されたことも相俟って、その役割は前衛のmiddle blockerから後衛にいるリベロへとシフトしつつある。「バンチ・リード」ブロックシステムの登場によって、トランジションでの攻撃でいかに「ブレイク」を稼ぐか? に対する意識づけが行われる結果になり、そのために必要な「システム化」の上で、各ポジションに要求されるプレーが大きく変わった・・・middle blockerの役割は「ブロックの要」から「トランジションでのセットアップの要」へ、リベロのそれは「レセプションとディグの要」から「5−2システムにおけるセカンドセッター」へ、そしてセッターのそれも「セットアップの要」から「ブロックの穴にならない」ということへ変わった。
全日本女子も「バンチ・リード」ブロックシステムを採用することで、必然的にセッターがファーストタッチを行った場面でのセットアップを前衛のmiddle blockerが果たすというシステムを採用するように、ようやくなった。前監督時代は、特殊な能力を持った特定の選手に依存したチーム戦術に拘り過ぎたために、そういったシステムを採用できないジレンマに陥っていたが、その呪縛から逃れることがようやく出来たと言えるわけである。上述の「バンチ・リード」ブロックシステムの本質を理解しているファンならば、自ずと現在の全日本女子が改善していくべき課題が見えてくるはず・・・そう、「バンチ・リード」ブロックシステム、ひいては「レセプション」ではなく「トランジション」に重きを置くからこそ、そのチームのセッターに求められるのは何であり、リベロに求められるのは何であるか・・・。
ようやく「当たり前のこと(戦術)をやるようになり」、海外の強豪国と戦う上で「同じ土俵に上がった」全日本女子が更に進化していくために、私たち1バレーファンに出来ることは何であろうか? と考えた時、やはりいつもいつも言い(書き)続けてきたことだが、戦術を語ることの出来るファンを1人ずつでも地道に増やしていって、バレー界の底辺を広くかつ、レベルを高くしていく努力を怠らないことだと思う。そんなことは、底辺に位置する1ファンがすることではないと言われるかもしれない。しかし、では誰がやってくれるのだろう? JVAが当てにならないことなど、今更言うまでもない。何せ「富士山方式」などとほざいているのだから。同じくJVAと同じ穴の狢である、フジテレビを代表とするテレビ局も頼りにはならない、、、テレビ局と同じく、ファンに情報を伝える側のライターの方ですらも、現在のテレビ放映のあり方について苦言を呈しているくらいである。
『バレーボール日和』より引用
その人自身は非常に真摯にスポーツを見る目を持っていて
しかも、自分なりのスポーツ報道に対する意見もお持ちでした。
試合展開が速いバレーボールという競技の性質を考えると、
そのインターバルに入りきるように、紹介文は短くなければいけない。
そして初めてバレーを見る視聴者の目線に合わせると、どうしても
一言で選手の個性を集約するようなコピーが欲しいなどと、
付けるに至った経緯、必要な理由などもお話しいただき
とても納得した覚えがあります。
しかし、今思えば当時のキャッチコピーは、
その選手の特徴や、ファンに覚えてもらいやすいフレーズなど
一人一人、丁寧に考えて、作られた感があったなぁと思います。
何を伝えたいかというコンセプトと、作る人の心意気のようなものは感じました。
・・・(中略)・・・
ここ数年は何を表現したいのかさっぱりわからないものや
他局で使用した表現を、少しだけ変えてまた使ったものや…。
・・・(中略)・・・
「煮詰まっている」感や「とりあえず」感を感じてしまうのは否めません。
何より、競技や選手への愛情を感じないのはわたしだけでしょうか?
しかしながら、底辺に位置するファンへの影響力という点では、テレビには絶大な力があるのは否定のしようがない。(その1)で書いたとおりに、「バンチリード」という言葉自体の、短期間での浸透率には圧倒させられた。逆に、特に前監督時代に「レセプション(サーブレシーブ)」の意味として「キャッチ(ボール)」という、審判用語で反則(いわゆる"ホールディング"のことを意味する)を意味する用語の誤用と言うべきNGワードが、テレビを通してすっかり拡がってしまったケースもある。その意味で、せっかく「バンチ・リード」ならぬ「バンチリード」という、本来かなり難しい領域である戦術用語が、世間一般にも拡がったこのタイミングこそ、逆に上手く利用すれば、戦術を語ることの出来るファンを一気に増やす絶好のチャンスとも言えるのではないか? と思うのだ。
『排球参謀』より引用
数日間ではありますが、アメリカ男子の練習風景やゲームを観戦して感じたことは、やはり日本がただの真似事をしても太刀打ちできないという事です。
これから日本が世界の舞台に立つためには、強豪国が行っているスタンダードをしりつつ、そのスタンダードを凌駕するような、オリジナリティー、日本人らしさをクローズアップした方法論を模索していくべきだと感じます。
その答えを見つけるためのヒントをつかみ取るために、毎日修行の日々が続きます。
小林敦さんには、是非ともその「ヒント」をつかみ取ってもらいたいと思いつつも、彼のような協会側の中の一部の有能な方々が日本のバレー界を変革してくれるのを待っているだけでは、私たちファンの方が、違う意味で「富士山方式」を期待していることにもなってしまうと思う。
そこで・・・
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